東京都庁採用試験【過去12年分の採用倍率】主要15職種・区分を紹介!

東京都庁職員採用試験に興味がある方へ。

今回は、過去に実施された東京都庁採用試験の採用倍率を12年分紹介します。

主要な15の職種・区分を掲載しているので、受験しようか迷っている方は是非参考にしてください。

難易度を知る上での目安になると思います。

【この記事を書いた人】
政令市の消防士と行政職、町役場を経験
公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
YouTube ハチサン公務員

目次

  1. 東京都庁の試験区分について
  2. Ⅰ類Aの採用倍率
  3. Ⅰ類Bの採用倍率
  4. Ⅱ類の採用倍率
  5. Ⅲ類の採用倍率
  6. キャリア活用採用の採用倍率
  7. 倍率比較
  8. おわりに

1.東京都庁の試験区分について

採用区分 

Ⅰ類AとⅠ類B

東京都庁Ⅰ類の採用区分にはⅠ類AとⅠ類Bの2つの区分が設けられています。

これは何の違いかというと、Ⅰ類Aは大学院卒業程度の試験、Ⅰ類Bは大学卒業程度の試験で試験レベルの違いによるものです。

ただ、これはあくまで試験レベルによる区分です。

年齢要件などをクリアしていれば大卒でもⅠ類Aを受験することが可能ですし、院卒でもⅠ類Bを受験することができます。

B(一般方式)とB(新方式)

また、Ⅰ類Bには一般方式と新方式の2つの試験区分があります。

これは試験方法による違いです。

共に筆記試験と人物試験が実施されますが、一般方式では教養試験・専門試験など筆記試験がより多く実施され、新方式ではプレゼンテーションやグループワークなど、人物試験が中心です。

詳しい内容は受験案内で確認できます。

その他

その他にⅡ類、Ⅲ類、そしてキャリア活用という採用区分があります。

Ⅱ類は短大卒業程度、Ⅲ類は高校卒業程度の採用試験です。

そして、キャリア活用採用はこれまでの経験を活かした採用になります。

民間等での職務経歴が必要です。

紹介する職種と倍率 

今回、採用倍率を紹介するのは以下の主要な15の職種・区分です。

  • Ⅰ類A
    • ①事務
  • Ⅰ類B
    • ②行政(一般方式)
    • ③土木(一般方式)
    • ④機械(一般方式)
    • ⑤環境検査(一般方式)
    • ⑥心理(一般方式)
    • ⑦栄養士(一般方式)
    • ⑧行政(新方式)
    • ⑨事務(就職氷河期世代)
  • Ⅱ類
    • ⑩栄養士
  • Ⅲ類
    • ⑪事務
    • ⑫土木
    • ⑬事務(障害者対象)
    • ⑭事務(就職氷河期世代)
  • キャリア活用採用
    • ⑮ICT

紹介するのは、平成24年から令和5年度までに実施された12年間の採用倍率です。

各職種で紹介している平均倍率は、直近5年間の倍率を平均したものです。

2.Ⅰ類Aの採用倍率

大学院卒業程度の区分です。

平成24年と平成25年は、3次試験まで実施されましたが記載は省略しています。

①事務 

11年連続で申込者が減少しています。

採用倍率も減少傾向ですが、令和3年度は採用人数がかなり減ったため倍率が跳ね上がりました。

  • 1次試験の平均倍率:3.5倍
  • 2次試験の平均倍率:2.0倍
  • 最終的な平均倍率 :8.4倍

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3.Ⅰ類Bの採用倍率

大卒程度の採用区分です。

平成24年と平成25年の一般方式(行政・土木・機械職)では、3次試験まで実施されましたが記載は省略しています。

②行政(一般方式) 

東京都庁採用試験で一番人気の採用区分で、唯一受験者が1,000名を超えています。

令和5年度は過去12年間で初めて倍率が3倍を切りました。

  • 1次試験の平均倍率:2.8倍
  • 2次試験の平均倍率:1.9倍
  • 最終的な平均倍率 :5.9倍

③土木(一般方式) 

紹介している区分の中ではかなり倍率が低い区分になります。

倍率は2年連続して1.5倍です。

  • 1次試験の平均倍率:1.2倍
  • 2次試験の平均倍率:1.4倍
  • 最終的な平均倍率 :2.0倍

④機械(一般方式) 

紹介している職種・区分の中で一番平均採用倍率が低いです。

倍率は4年連続して2倍以下。

  • 1次試験の平均倍率:1.1倍
  • 2次試験の平均倍率:1.4倍
  • 最終的な平均倍率 :1.9倍

⑤環境検査(一般方式) 

採用倍率は平均的ですが、ここ数年は低下傾向です。

ずっと5倍以上を維持していましたが、令和4年から2年連続で倍率は4倍台に。

  • 1次試験の平均倍率:2.9倍
  • 2次試験の平均倍率:2.0倍
  • 最終的な平均倍率 :6.9倍

⑥心理(一般方式) 

3年連続で30人以上の採用数をキープしています。

受験者も増加傾向です。

  • 1次試験の平均倍率:1.4倍
  • 2次試験の平均倍率:1.9倍
  • 最終的な平均倍率 :2.9倍

⑦栄養士(一般方式) 

平成28年度から栄養士もⅠ類区分が設けられました。

4年連続で採用数が増加しており、それに伴い倍率も4年連続で低下しています。

  • 1次試験の平均倍率:3.3倍
  • 2次試験の平均倍率:2.1倍
  • 最終的な平均倍率 :7.6倍

⑧行政(新方式) 

一般方式の行政職とそこまで倍率は変わりません。

ただ、令和5年度は採用数が激増したため採用倍率は過去最低の1.9倍。

  • 1次試験の平均倍率:2.4倍
  • 2次試験の平均倍率:1.4倍
  • 3次試験の平均倍率:1.4倍
  • 最終的な平均倍率 :6.2倍

⑨事務(就職氷河期世代) 

令和2年度から実施されている採用区分。

最も平均の採用倍率が高い試験になります。

  • 1次試験の平均倍率:19.1倍
  • 2次試験の平均倍率:2.0倍
  • 最終的な平均倍率 :45.4倍

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4.Ⅱ類の採用倍率

令和元年度以降の採用倍率を記載しています。

⑩栄養士 

申込者数が4年連続減少しています。

ここ数年倍率は8倍を超えていましたが、令和5年度は合格者が倍増したため、倍率が一気に下がりました。

  • 1次試験の平均倍率:3.5倍
  • 2次試験の平均倍率:2.2倍
  • 最終的な平均倍率 :8.1倍

5.Ⅲ類の採用倍率

高校卒業程度区分です。

令和元年度以降の採用倍率を記載しています。

⑪事務 

Ⅲ類事務は筆記試験の倍率が例年高いです。

2次倍率は4年連続低下。

  • 1次試験の平均倍率:4.6倍
  • 2次試験の平均倍率:1.7倍
  • 最終的な平均倍率 :10.3倍

⑫土木 

Ⅲ類土木は1次試験も2次試験も倍率が低めです。

特に2次試験の平均倍率は紹介している職種・区分の中で2番目の低さ。

  • 1次試験の平均倍率:1.2倍
  • 2次試験の平均倍率:1.4倍
  • 最終的な平均倍率 :2.3倍

⑬事務(障害者対象) 

毎年1次試験の合格者数が一定です。

2次試験の平均倍率は紹介している職種・区分の中で最も高いです。

  • 1次試験の平均倍率:1.7倍
  • 2次試験の平均倍率:3.2倍
  • 最終的な平均倍率 :5.5倍

⑭事務(就職氷河期世代) 

Ⅰ類Bの就職氷河期世代に次いで倍率が高い試験区分です。

ただ、倍率は低下傾向。

  • 1次試験の平均倍率:16.2倍
  • 2次試験の平均倍率:2.2倍
  • 最終的な平均倍率 :41.1倍

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6.キャリア活用採用の採用倍率

職歴等を活かせる採用区分です。

⑮ICT 

キャリア活用採用のICT区分は令和2年度から実施されています。

それまでは事務(システム)という区分がありました。

  • 1次試験の平均倍率:1.5倍
  • 2次試験の平均倍率:1.7倍
  • 3次試験の平均倍率:1.5倍
  • 最終的な平均倍率 :3.9倍

7.倍率比較

最終倍率ランキング 

各試験の平均最終倍率を高い順に掲載しています。

最も平均最終倍率が高かったのは、Ⅰ類Bの就職氷河期世代(事務)で45.4倍でした。

特に筆記試験の倍率が高いため、興味がある方はしっかり筆記試験の対策を行ってください。

一方、最も倍率が低かったのは栄養士で、唯一平均して2倍を切りました。

12年間で倍率が4倍を超えたのは1回のみで、ここ4年間は2倍すら超えたことがありません。

周辺自治体の倍率 

東京都庁を受験する人が併願を検討しそうな自治体や、国家公務員の倍率を紹介します。

紹介するのは主に令和5年度の大卒程度行政職の採用倍率です。

東京都についてはⅠ類B(一般方式)の行政職が比較対象です。

都道府県庁

  • 東京都 :2.4倍(令和4年:3.1倍)
  • 神奈川県: 3.2倍(令和4年:4.0倍)
  • 千葉県 : 3.6倍(令和4年:4.2倍)

周辺の都道府県庁の倍率はだいたい3~6倍程度です。

例年なら都庁の採用倍率も他の自治体とそこまで変わりません。

ただ、令和5年度は都庁の採用人数が大幅に増加したので、倍率も周辺自治体と比べて低くなりました。

区市町村

  • 特別区 :2.5倍(令和4年:3.6倍)
  • 横浜市 :8.1倍(令和4年:6.1倍)
  • 川崎市 :4.1倍(令和4年:5.9倍)

都道府県庁よりも採用倍率が高めです。

特に令和5年度の横浜市の採用倍率は8.1倍とかなり高くなりました。

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国家公務員

  • 国家総合職(大卒程度):5.7倍(令和4年度6.6倍)
  • 国家一般職(関東甲信越):2.8倍(令和4年度2.5倍)
  • 国税専門官:3.0倍(令和4年度2.7倍)

国家総合職はいくつか採用区分がありますが、大卒程度全体の倍率です。

国家一般職は連続して3倍を切っています。

8.おわりに

東京都庁採用試験の12年間の採用倍率を紹介しました。

東京都庁の試験に興味がある方は、同日に実施される特別区の試験とどっちを受けるか迷う人も多いかもしれません。

判断材料の一つとして、この採用倍率が参考になれば幸いです。

学歴については、特別区を受験する人より東京都庁を受験する人の方が、より高学歴な人が多い印象です。