公務員試験を受験するにあたって、過去の採用倍率を把握し、受験先の難易度を知っておくことは非常に重要です。
受かる自信がない人が、倍率の高い自治体を受験しても厳しい戦いになります。
自分の実力と照らし合わせて、受験先の自治体を選ぶようにしましょう。
今回は、公務員の中でも社会福祉職(福祉職)の採用倍率をまとめました。
社会福祉職の仕事は自治体により若干異なりますが、児童相談所で育児のトラブルを解決したり、生活保護受給者の相談に乗ったり、高齢者に対する生活指導を行うなど、様々な業務があります。
社会福祉職は主に都道府県、政令指定都市、特別区で採用枠が設けられていますが、今回は政令指定都市、特別区の採用倍率を掲載しています。
志望先を決める際の参考にしてください。
一般枠の採用だけでなく、社会人経験者の採用枠も掲載しています。
数字については間違いのないように注意を払っていますが、ご自身でもきちんと確認してください。
★
目次
- 各自治体の採用倍率
- 採用倍率ランキング
- まとめ
1.各自治体の採用倍率

それぞれの自治体の採用枠を掲載しています。
社会人経験枠を設けている自治体は、一般採用枠と併せて、社会人枠の採用倍率も載せています。
- 札幌市
- 福祉コース
- 仙台市
- 福祉
- さいたま市
- 福祉、福祉(職務経験者)
- 千葉市
- 福祉
- 特別区
- 福祉、福祉(経験者:1級職)、福祉(経験者:2級職)
- 横浜市
- 社会福祉※、社会福祉(社会人採用)※
- 川崎市
- 社会福祉※、社会福祉(経験者)※
- 相模原市
- 社会福祉
- 新潟市
- 社会福祉
- 静岡市
- 福祉
- 浜松市
- 社会福祉士※
- 名古屋市
- 社会福祉※、社会福祉(職務経験者)※
- 京都市
- 福祉※
- 大阪市
- 社会福祉、社会福祉(社会人経験者)
- 堺市
- 社会福祉、社会福祉(職務経験者)
- 神戸市
- 福祉※、福祉(社会人採用)※
- 岡山市
- 社会福祉
- 広島市
- 社会福祉士、社会福祉士(経験者)
- 北九州市
- 社会福祉
- 福岡市
- 福祉、福祉(社会人経験者)
- 熊本市
- 社会福祉※
※が付いている自治体の2次・3次倍率は2次・3次受験者等の記録がない事から、1次・2次合格者÷最終合格者など概算で倍率を算出しています。
♦①札幌市
■福祉コース
札幌市は例年平均的な採用倍率です。
しかし、1次試験は毎年3倍を超える高倍率。

♦②仙台市
■福祉
仙台市の採用倍率は比較的高めです。
2次倍率は4年連続2倍を超えました。

♦③さいたま市
■福祉
さいたま市の採用倍率は毎年かなり低いです。
関東の政令市・特別区の福祉職は全体的に倍率は低い傾向です。

■福祉(職務経験者)
一般枠の採用倍率と比べると若干高いですが、他自治体の社会人経験枠と比べると少し低いです。

♦④千葉市
■福祉
千葉市の採用倍率はここ数年連続して低下していましたが、令和3年度は久しぶりに3倍を超えました。
受験者も5年ぶりに40名を超えています。

♦⑤特別区
■福祉
特別区の福祉職は横浜市と並んで非常に採用倍率が低いです。
最近は連続して倍率が2倍前後となっています。

■福祉(経験者:1級職)
社会人経験枠の採用試験の中で、特別区の1級職が最も低い採用倍率です。
場所にこだわらず、社会人経験枠で社会福祉職を目指されている方には一番チャンスな試験です。
4年以上の職歴を必要とします。

■福祉(経験者:2級職)
社会人経験枠の中で、特別区1級職の次に倍率が低いのがこの2級職です。
主任クラスでの採用となります。
8年以上の職歴を必要とします。

♦⑥横浜市
■社会福祉
横浜市の採用倍率は政令指定都市、特別区の中で最も低いです。
「倍率が高い自治体には受かる自信がない!」という方にオススメです。
特に1次倍率が低く、ほとんどの人は1次試験に通ります。

■社会福祉(社会人採用)
令和3年度はここ5年で最も多い94名が試験に応募しました。
そして、3年連続して採用倍率が下がっていましたが、令和3年度は久しぶりに4倍を超えました。

♦⑦川崎市
■社会福祉
令和3年度の採用倍率は過去6年間で最も低くなりました。
安定して倍率は低い傾向です。

■社会福祉(経験者)
川崎市の社会人経験枠も例年低い倍率です。
毎年15名前後が採用されています。

♦⑧相模原市
■社会福祉
相模原市の採用倍率は年度によっての起伏が激しいです。
また、関東の政令市・特別区の中では最も平均倍率が高いです。

♦⑨新潟市
■社会福祉
新潟市の2次倍率は毎年高くなる傾向。
平成30年度は2次試験を19人が受験し、合格者はわずか3人でした。
新潟市を受験される方は面接の準備をしっかりしておきましょう。

♦⑩静岡市
■福祉
平成28年29年の倍率は高かったですが、近年は落ち着いています。
令和3年度はここ6年間で最も低い倍率となりました。

♦⑪浜松市
■社会福祉士
毎年受験者数は10名前後ですが、最終合格者数が7名の時もあれば1名の時もあるので、採用倍率は年度によって大きく異なります。
平均すると静岡市よりも採用倍率は低くなります。

♦⑫名古屋市
■社会福祉
名古屋市の採用倍率は例年低い傾向で、5年連続して3倍以下となりました。
また、最終合格者の数は5年連続して減少しています。

■社会福祉(職務経験者)
名古屋市の社会人枠は3次試験まであります。
採用倍率は平均的な数字です。

♦⑬京都市
■福祉
京都市の採用倍率は平均よりやや低め。
最終合格者は例年10人前後。

♦⑭大阪市
■社会福祉
大阪市の採用予定数は年度によってバラバラで、平成29年度の採用予定数が10名程度なのに対して、令和3年度は105名程度とかなり差があります。
令和2年度は受験者が少なく合格者が多かったため、当たり年と言えるでしょう。

■社会福祉(社会人経験者)
社会人経験枠としては一般的な採用倍率です。
令和2年度は社会人経験者枠も採用数が多く当たり年でした。

♦⑮堺市
■社会福祉
堺市は平均的な採用倍率ですが、関西政令市の中では高い方になります。
令和3年度の受験者数はここ6年で最も多い115名となりました。

■社会福祉(職務経験者)
堺市社会人枠の採用倍率は非常に高い時期が続いていましたが、ここ2年は連続して低下しました。
受験者数もかなり減少しています。

♦⑯神戸市
■福祉
神戸市の福祉職は3次試験まで実施されます。
ここ2年は連続して受験者が減少。

■福祉(社会人採用)
神戸市の社会人枠は毎年非常に高い採用倍率になります。
令和3年度は過去6年間で初めて10倍を切りました。

♦⑰岡山市
■社会福祉
岡山市の採用倍率は例年高いです。
特に令和2年度は14名受験して最終合格者が1名のみ、14倍とかなり高倍率になりました。
岡山市より倍率の低い周辺自治体(大阪市・神戸市・広島市など)を受験するのも一つの方法です。

♦⑱広島市
■社会福祉士
広島市の採用倍率は3年連続して2倍を切りました。
平成30年度のみ最終合格者が少くなり、倍率が6倍を超えています。

■社会福祉士(経験者)
令和元年以前は採用試験がありませんでしたが、最近は2年連続して実施されています。
社会福祉職の社会人経験枠としては平均的な採用倍率です。

♦⑲北九州市
■社会福祉
北九州市は平均より若干高めの採用倍率ですが、福岡市に比べるとだいぶ低いと言えます。
2年連続して採用倍率は低下しています。

♦⑳福岡市
■福祉
政令指定都市、特別区の一般採用枠中で最も倍率が高いのが福岡市です。
令和2年度は6.5倍でしたが、30年度は25倍と社会福祉職とは思えない倍率の高さでした。
福岡市を避けて別の自治体を受験するのも一つの方法です。

■福祉(社会人経験者)
堺市の社会人枠と並んで倍率が高いのが福岡市の社会人枠です。
1次倍率が7、8倍と高いことから、早い段階で準備をしておく必要があります。

♦㉑熊本市
■社会福祉
九州の政令市の中では一番採用倍率が低いです。
ただ、ここ2年間は採用人数が減少したため倍率が上昇しています。

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2.採用倍率ランキング

各自治体の平均倍率を算出したものを、ランキングにして紹介します。
一般採用枠と社会人経験枠は分けています。
♦一般採用枠
■1次倍率
- 相模原市 :5.6倍
- 福岡市 :3.3倍
- 札幌市 :3.3倍
- 北九州市 :3.0倍
- 岡山市 :2.4倍
- 仙台市 :2.3倍
- 静岡市 :2.1倍
- 京都市 :1.9倍
- 熊本市 :1.9倍
- 千葉市 :1.8倍
- 浜松市 :1.6倍
- 大阪市 :1.6倍
- 川崎市 :1.5倍
- 新潟市 :1.5倍
- 名古屋市 :1.5倍
- 堺市 :1.5倍
- 神戸市 :1.5倍
- 広島市 :1.4倍
- さいたま市:1.3倍
- 特別区 :1.3倍
- 横浜市 :1.1倍
相模原市の1次倍率が突出して高いですが、これは平成29年度の倍率が激増したためです。
福岡市と札幌市は一定して1次倍率が高くなっています。
■最終倍率
- 福岡市 :13.3倍
- 岡山市 :8.0倍
- 相模原市 :7.9倍
- 仙台市 :6.1倍
- 静岡市 :6.0倍
- 新潟市 :6.0倍
- 北九州市 :5.7倍
- 札幌市 :5.5倍
- 堺市 :4.8倍
- 浜松市 :4.6倍
- 神戸市 :4.1倍
- 京都市 :4.0倍
- 熊本市 :3.6倍
- 大阪市 :3.6倍
- 千葉市 :3.5倍
- 広島市 :3.1倍
- 名古屋市 :2.8倍
- 川崎市 :2.6倍
- さいたま市:2.4倍
- 特別区 :2.2倍
- 横浜市 :2.0倍
福岡市の平均採用倍率がぶっちぎりで高く、唯一10倍を超えています。
一方横浜市の平均採用倍率は2.0とかなり低いことが分かります。
2人に1人は受かる計算です。
♦社会人経験枠
■1次倍率
- 福岡市 :5.7倍
- 大阪市 :3.5倍
- 堺市 :3.5倍
- 神戸市 :2.9倍
- さいたま市 :1.7倍
- 横浜市 :1.5倍
- 名古屋市 :1.4倍
- 広島市 :1.4倍
- 川崎市 :1.3倍
- 特別区1級職:1.1倍
- 特別区2級職:1.1倍
社会人経験枠でも福岡市の倍率が高いことが分かります。
基本的に1次の倍率は2倍を切る自治体が多いですね。
■最終倍率
- 堺市 :15.6倍
- 神戸市 :15.1倍
- 福岡市 :13.6倍
- 大阪市 :6.8倍
- 名古屋市 :6.4倍
- 広島市 :6.0倍
- さいたま市 :4.2倍
- 横浜市 :4.0倍
- 川崎市 :3.6倍
- 特別区2級職:2.1倍
- 特別区1級職:1.9倍
堺市、神戸市、福岡市の平均採用倍率は10倍を超えていますが、ここ数年は低くなってきています。
一方、特別区は2倍前後とかなり狙い目です。
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3.まとめ

採用倍率を把握することで、自分の実力に合った受験先を選ぶことができます。
また、筆記試験が苦手な人は1次倍率の低い自治体、面接が苦手な人は2次倍率が低い自治体など、戦略的に受験先を選ぶことで合格率は上がります。
「社会福祉職として働けるのならばどこでもいい」という方は採用倍率の低い特別区、横浜市が狙い目です。
社会人経験枠であれば特別区ですね。
通学講座や通信講座を上手く活用しながら、合格に向けて頑張ってください。
♦通信講座と通学講座
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講座の内容などを詳しく紹介しています。
- 【クレアール】通学× / 通信〇
2011年から通信講座に1本化。
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