難易度が分かる!公務員社会福祉職の政令指定都市・東京の採用倍率一覧

公務員試験を受験するにあたって、過去の採用倍率を把握し、受験先の難易度を知っておくことは非常に重要です。

受かる自信がない人が、倍率の高い自治体を受験しても厳しい戦いになります。

自分の実力と照らし合わせて、受験先の自治体を選ぶようにしましょう。

今回は、公務員の中でも社会福祉職(福祉職)の採用倍率をまとめました。

社会福祉職の仕事は自治体により若干異なりますが、児童相談所で育児のトラブルを解決したり、生活保護受給者の相談に乗ったり、高齢者に対する生活指導を行うなど、様々な業務があります。

社会福祉職は主に都道府県、政令指定都市、特別区で採用枠が設けられていますが、今回は政令指定都市、特別区の採用倍率を掲載しています。

志望先を決める際の参考にしてください。

一般枠の採用だけでなく、社会人経験者の採用枠も掲載しています。

数字については間違いのないように注意を払っていますが、ご自身でもきちんと確認してください。

【この記事を書いた人】
政令市の消防士と行政職、町役場を経験
公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
YouTube ハチサン公務員

目次

  1. 各自治体の採用倍率
  2. 採用倍率ランキング
  3. まとめ

1.各自治体の採用倍率

それぞれの自治体の採用枠を掲載しています。

社会人経験枠を設けている自治体は、一般採用枠と併せて、社会人枠の採用倍率も載せています。

  1. 札幌市 
    ・福祉コース
  2. 仙台市
    ・福祉
  3. さいたま市 
    ・福祉、福祉(職務経験者)
  4. 千葉市
    ・福祉
  5. 特別区
    ・福祉、福祉(経験者:1級職)、福祉(経験者:2級職)
  6. 横浜市
    ・社会福祉、社会福祉(社会人採用)
  7. 川崎市
    ・社会福祉、社会福祉(経験者)
  8. 相模原市
    ・社会福祉 
  9. 新潟市
    ・社会福祉
  10. 静岡市
    ・福祉
  11. 浜松市
    ・社会福祉士
  12. 名古屋市
    ・社会福祉、社会福祉(職務経験者)
  13. 京都市
    ・福祉※
  14. 大阪市
    ・社会福祉、社会福祉(社会人経験者)
  15. 堺市
    ・社会福祉、社会福祉(職務経験者)
  16. 神戸市
    ・福祉、福祉(社会人採用)
  17. 岡山市
    ・社会福祉、社会福祉(民間企業等職務経験者)
  18. 広島市
    ・社会福祉士、社会福祉士(経験者)
  19. 北九州市
    ・社会福祉、社会福祉(経験枠)
  20. 福岡市
    ・福祉、福祉(社会人経験者)
  21. 熊本市
    ・社会福祉

※2次(3次)受験者の数が不明の場合は、1次(2次)合格者/2次(3次)合格者で倍率を算出しています。また、1次(2次)試験が2段階に分かれている自治体は1次➀・1次②、もしくは2次➀・2次②と表しています。

①札幌市 

福祉コース

札幌市は例年平均的な採用倍率です。

1次試験は2段階で実施されます。

②仙台市 

福祉

仙台市の採用倍率は比較的高めでしたが、ここ2年は3倍台が続いています。

ただ2次倍率は3年連続して上昇しています。

③さいたま市 

福祉

さいたま市の採用倍率は毎年低い傾向。

関東の政令市・特別区の福祉職は全体的に採用倍率が低いです。

福祉(職務経験者)

他自治体の社会人経験枠の採用倍率と比べるとやや低め。

令和4年度の1次試験は受験者全員が合格しています。

④千葉市 

福祉

ここ5年で3倍を超えたのは令和3年度の1度だけ。

最終合格者が6年連続で10名強と安定しています。

⑤特別区 

福祉

特別区の福祉職はかなり採用倍率が低いです。

3年連続して採用倍率が2倍を切っており、関東でも有数の低倍率自治体。

福祉(経験者:1級職)

社会人経験枠の採用試験の中で、最も採用倍率が低いのがこの特別区1級職

場所にこだわらず、社会人経験枠で社会福祉職を目指されている方には一番チャンスのある試験です。

4年以上の職歴を必要とします。

福祉(経験者:2級職)

社会人経験枠の中で、特別区1級職の次に採用倍率が低いのがこの2級職。

つまり特別区が低倍率を独占しています。

主任クラスでの採用となり、8年以上の職歴を必要とします。

⑥横浜市 

社会福祉

横浜市の採用倍率は例年3倍以下ですが、令和4年度は採用数が減少したため珍しく3倍を超えました。

政令指定都市・特別区の福祉職試験の中で最も1次倍率が低いです。

社会福祉(社会人採用)

採用倍率は低下傾向でしたが、ここ数年また上昇してきました。

令和5年度の申込者はここ数年で過去最少に。

⑦川崎市 

社会福祉

3年連続で採用倍率が上昇しましたが、それでも依然として倍率は低いです。

特に2次倍率が低く、2次試験では半数以上が合格します。

社会福祉(経験者)

川崎市の社会人経験枠も例年低い倍率です。

1次試験はほとんどの受験者が突破できます。

⑧相模原市 

社会福祉

年度によって採用数にバラつきがあるため、採用倍率も起伏が激しいです。

しかし最近は3年連続で倍率が低下しています。

⑨新潟市 

社会福祉

新潟市の2次倍率は毎年高くなる傾向。

平成30年度は2次試験を19人が受験し、合格者はわずか3人でした。

新潟市を受験される方は面接の準備をしっかりしておきましょう。

⑩静岡市 

福祉

採用倍率は低下傾向で令和4年度に遂に3倍を切りました。

受験者も減少傾向です。

⑪浜松市 

社会福祉士

例年採用数が少ないため、受験者が少し減ると採用倍率も下がります。

令和5年度は最終合格者が1名のみでした。

⑫名古屋市 

社会福祉

例年30人前後が最終合格していましたが、令和5年度は9名のみとなりました。

そのため採用倍率も過去8年で最も高くなっています。

社会福祉(職務経験者)

令和元年度に採用数が一気に減り倍率が跳ね上がりました。

受験者数が減少傾向でしたが、令和5年度に申込者が増加しました。

⑬京都市 

福祉

京都市の福祉職は平均的な採用倍率です。

受験者は4年連続で減少。

⑭大阪市 

社会福祉

かつては3次試験までありましたが、令和元年度以降2次試験までとなっています。

採用倍率は比較的低く、関西政令市の中では一番低倍率です。

社会福祉(社会人経験者)

社会人経験枠は一般的な採用倍率です。

2次試験は6年連続で2倍を切っています。

⑮堺市 

社会福祉

堺市の社会福祉職の採用倍率は関西政令市の中で一番高いです。

令和5年度は受験者数が多く採用数は少なかったため、13.8倍という非常に高い採用倍率なりました。

社会福祉(職務経験者)

堺市の社会人枠のも比較的高い採用倍率です。

平成30年度はなんと30.1倍。

⑯神戸市 

福祉

神戸市の福祉職の採用倍率は平均的です。

1次試験よりも2次試験もしくは3次試験の方が倍率が高めです。

福祉(社会人採用)

神戸市の社会人枠は毎年非常に高い採用倍率です。

令和3年度から春と秋の2回採用でしたが、令和5年度に再び採用試験に変更がありました。

令和5年度から採用区分の名称が「社会人(春・秋)」から「経験者通年募集枠」に変わり、職種が行政などと統合され、「総合行政」となりました。

⑰岡山市 

社会福祉

岡山市の採用倍率は例年高いです。

特に令和2年度は14名受験して最終合格者が1名だけだったので、14倍とかなり高倍率になりました。

岡山市より倍率の低い周辺自治体(大阪市・神戸市・広島市など)を受験するのも一つの方法です。

社会福祉(民間企業等職務経験者)

令和4年度は2名受験しましたが最終合格者はゼロでした。

受験者が少ないからと言って必ず採用されるという訳ではありません。

⑱広島市 

社会福祉士

広島市の採用倍率は政令市の中で最も低い部類に入ります。

特に過去5年は連続して2倍を切っています。

社会福祉士(経験者)

令和元年以前は採用試験がありませんでしたが、最近は3年連続して試験が実施されています。

社会福祉職の社会人経験枠としては平均的な採用倍率です。

⑲北九州市 

社会福祉

北九州市は平均より若干高めの採用倍率ですが、同じ福岡県内にある福岡市に比べると低いです。

最終合格者は毎年4名前後。

社会福祉(経験枠)

令和5年度から職歴が必要な経験枠採用が新設されました。

採用倍率は1次試験がかなり高く、2次試験がかなり低くなりました。

⑳福岡市 

福祉

政令指定都市、特別区の一般採用枠中で最も倍率が高いのが福岡市です。

令和5年度は5.0倍でしたが、30年度は25倍と社会福祉職とは思えない倍率の高さでした。

福岡市を避けて別の自治体を受験するのも一つの方法です。

福祉(社会人経験者)

福岡市の社会人枠も一般枠と同様に非常に高い採用倍率です。

令和4年度の1次試験倍率は驚異の13.2倍。

㉑熊本市 

社会福祉

平均的な採用倍率ですが、九州の政令市の中では一番採用倍率が低いです。

ここ3年連続して採用倍率が低下し、令和5年度は過去8年で最も倍率が低くなりました。

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2.採用倍率ランキング

各自治体の過去数年の平均倍率を算出したものをランキングにして紹介。

一般採用枠と社会人経験枠は分けています。

2次試験と3次試験の倍率はまとめています。

一般採用枠 

1次倍率

相模原市の1次倍率は常に2倍を超えており、令和2年度は6.7倍という高倍率になりました。

中央値は1.6倍です。

2・3次倍率

岡山市の社会福祉職は3次試験まであり、ここ数年3次試験も採用倍率が2倍を超えています。

中央値は1.9倍。

総合倍率

福岡市の平均採用倍率が最も高く、平均で唯一7倍を超えています。

一方広島市の平均採用倍率は1.7とかなり低いことが分かります。

受験者の過半数が受かる計算です。

社会人経験枠 

1次倍率

基本的に1次試験の倍率は2倍以下の自治体が多いです。

一方福岡市は毎年1次試験の採用倍率が2倍を超え、令和4年度は13.2倍という高倍率を叩き出しました。

中央値は1.6倍。

2・3次倍率

北九州市の社会人経験枠令和5年に新設されたため、倍率は今後大きく変動しそうです。

中央値は2.3倍。

最終倍率

福岡市は一般採用枠に続き、経験者枠でも最も採用倍率が高い自治体になりました。

一方、特別区は2倍前後とかなり狙い目です。

中央値は5.0倍。

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3.まとめ

採用倍率を把握することで、自分の実力に合った受験先を選ぶことができます。

また、筆記試験が苦手な人は1次倍率の低い自治体、面接が苦手な人は2次倍率が低い自治体など、戦略的に受験先を選ぶことで合格率は上がります。

「社会福祉職として働けるのならばどこでもいい」という方は、一般採用枠では広島市の社会福祉職が狙い目です。

社会人経験枠であれば特別区ですね。

通学講座や通信講座を上手く活用しながら、合格に向けて頑張ってください。

通信講座と通学講座

公務員学校や資格スクールの通学講座・通信講座が気になる方は、以下の記事をどうぞ。

講座の内容などを詳しく紹介しています。

社会福祉職(福祉職)の採用試験に対応した通学講座、通信講座があり、それぞれ試験に対応したコースを選ぶことができます。