生活保護課と聞くとなんとなく大変そうなイメージ。
でもイメージだけで、実際はどんな仕事をしているのかあまり分からないですよね。
生活保護課の仕事が気になる人は
「公務員の仕事を知りたい受験生」、「配属先が生活保護課に決まった新規採用職員」、「異動先が生活保護課になった現役の方」
ここらへんだと思います。
そんな方たちに向けて、今回は「役所のお仕事紹介ページ」なんかでは分からない、リアルな生活保護課の仕事を元生活保護課の職員が紹介します。
【この記事を書いた人】
・政令市の消防士と行政職、町役場を経験
・公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
・YouTube ⇒ ハチサン公務員
★目次
- 生活保護課の基本
- 生活保護課の仕事
- ツライ・大変なこと9つ
- ちょっと残念なこと3つ
- 生活保護課の良いところ5つ
- 次の異動に役立つこと2つ
- やりがいもある
- 生活保護を取り扱ったマンガ・ドラマ
- まとめ
1.生活保護課の基本
♦大変なイメージ
新規採用職員で生活保護課の配属が決まった人は、「なんかヤバそうだな」と感じている人もいるかもしれませんね。
そして、職員の方で生活保護課に異動になった人は「終わった~」と思ったことでしょう。
お疲れ様です。
ただ、大変なことももちろんありますが、想像よりかはマシだと思いますし、楽しいこともありますよ。
よく配属されたくない部署で挙げられますが、生活保護課以外でも大変な部署はたくさんありますし、飛び抜けてツライ部署ではないと思います。
♦福祉事務所で働く職員
■県庁の職員も
まず、生活保護の業務は市役所及び、町村を管轄している都道府県が行っています。
何となく市役所職員のイメージが強いですが、都道府県の職員も、町村に代わり生活保護業務を行っています。
私の場合は政令指定都市の市役所で生活保護課を経験しました。
この生活保護課、各市役所によって名称は異なり、「生活保護課」、「保護課」、「生活福祉課」、「生活支援課」などさまざまです。
ちなみに、生活保護課は、各市や都道府県が設置する「福祉事務所」に属しているため、生活保護課のことを「福祉事務所」と呼ぶことはよくあります。
■ケースワーカーと呼ばれる
生活保護業務を行う職員は「ケースワーカー」と呼ばれます(庶務や経理担当者などは除く)。
ケースワーカーと聞くと「何か資格が必要なの?」と思うかもしれませんが、ケースワーカーになるためには特に必要なものはありません。
誰でも生活保護課に配属される可能性はあり、ケースワーカーになります。
ちなみに児童相談所で働く職員もケースワーカーと呼ばれたりします。
2.生活保護課の仕事
ケースワーカーの仕事を簡単に説明すると、自分が担当する生保護受給者への日々の生活支援です。
♦生活保護受給者の生活を支える
生活保護課では、主に以下のような業務を行います。
- 生活保護費の支給
- 健康状態の確認
- 就労支援
- 介護支援
- 子どもの進学状況の確認
- 生活の悩み相談 etc
相手の生活全般に携わります。
また、安定の目途が立った受給者の生活保護廃止や、逆に新たに生活に困窮した人の生活保護開始も、ケースワーカーの仕事です。
生活保護の申請があった場合は、様々な調査を行い、会議を行ったうえで生活保護を適用するか判定します。
■いい仕事じゃん
これだけを見ると、「なんだ、人の役に立てて魅力のある仕事じゃないか!」と思うかもしれませんね。
まあ市役所で生活保護課の仕事を紹介する場合はこういった表面だけの紹介です。
じゃあ、なんで生活保護課が大変と言われるのかは、たっぷり後述しています!
もちろん魅力もありますよ。
♦約90世帯を1人で受け持つ
ケースワーカーになると、職員それぞれが担当の保護世帯を受け持つことになります。
担当の分担方法は各福祉事務所で異なりますが、学校区ごとに分けるパターンが多いかもしれません。
- Aさん:①校区、②校区、③校区を担当
- Bさん:④校区、⑤校区、⑥校区を担当
というように。
ひとりのケースワーカーが担当する世帯はだいたい90世帯前後ですが、これは市役所などで違います。
受け持ちの世帯数が少ないほど負担は減り、自治体によっては70世帯ほどのところもあるようです。
もちろん、受け持ち世帯が少なくても問題が多い世帯を受け持つと大変ですけどね。
■100人以上の生活を支えている
私の場合は、多いときで140世帯ほど担当しており、かなり大変でした。
仮に受け持ち世帯が90で、世帯内の人数が平均2人とした場合、180人もの人々の生活を1人のケースワーカーが支えることになります。
責任の重い仕事と言えますね。
3.ツライ・大変なこと9つ
では、なぜ生活保護課が敬遠されやすいのでしょうか。
ここではその理由を、9つに分けて順に紹介します。
- 罵声を浴びせられる
- 電話対応に疲れる
- まれに危険なことも
- 人の死が間近にある
- 汚い・臭い場所に行くことも
- いろんな知識が要求される
- 判断が難しいことが多い
- 裁判沙汰になる場合も
- 事務処理ミスと隣り合わせ
♦① 罵声を浴びせられる
生活保護費というのは国民の税金から払われるものですよね。
そんな生活保護費を、好き勝手に使って生活されたらたまったもんじゃないです。
そのため、生活保護受給者はきちんとしたルールの基に生活しなければいけません。
■いろんな要望がくる
ルールを守ってもらうために、ケースワーカーは受給者に対し指導を行いますが、受給者はなるべく自由に生活したいもの。
その結果ケースワーカーの指導と生活保護受給者の要望がよくぶつかります。
「生活保護費を前借りさせろ」、「車を使わせろ」、「就活用のスーツ代を出せ」など毎日いろんな電話がかかってきます。
もちろん生活保護法で認められていないものは許可することができません。
■「お前は下衆だ」
そうなると電話越し、あるいは訪問先で暴言を吐かれます。
「お前は下衆の中の下衆だ」、「私に死ねというのか」、「あなたのせいで明日死んでるかもしれませんね」
これは私が実際に浴びたセリフです。
これだけ聞くと私が非道な職員のようですが、もちろん至ってまじめに業務をこなしていました。
精神的に障害を抱え、感情をコントロールできない人も多いため、窓口や電話越しに怒鳴られます。
♦② 電話対応に疲れる
「今から会いに来い」、「今月の生活保護費少なくない?」、「私は県庁の偉い人と知り合いなんだけどね(けん制)」
受給者からいろんな電話がかかってきます。
■業務に支障をきたすことも
精神的な障害を抱えている受給者からは、妄想に近い電話がかかってくることもあります。
「旦那が他の女と遊んでいる」、「私を狙っている」
ゾーンに入ると1日10回以上電話を掛けてくる人もいます。
すべての電話を丁寧に最後まで聞いていると、いくら時間が合っても足りません。
♦③ まれに危険なことも
生活保護受給者から要望があっても、できないものはできないと断りますし、不正を見つけた場合は生活保護費を返還してもらいます。
また、生活保護の申請者に対しても、会議の結果該当しないと判断すれば却下します。
こういったことからケースワーカーは、生活保護受給者などから恨みを買うこともしばしば。
実際以下のような事件も起きています。
⇒ 読売新聞『「生活保護」担当課にナイフ男「上を呼べ」、職員がさすまたで立ち向う』
■元暴力団の受給者も
私が勤めていた福祉事務所では、もしものために護身用のさすまたや、防犯ブザーが設置されていました。
また、女性のケースワーカーが危険な目に遭わないように、家庭訪問する際に警察OBの方が同行する場合もあります。
生活保護受給者の中には、元暴力団組員や体に墨が入っている人もいます。
ただ、危険な目に遭うことはごく稀で、私は一度も危ないと感じたことはありませんでした。
♦④ 人の死が間近にある
自分の担当していた方がお亡くなりになることがよくあります。
受給者は、高齢者や病気を抱えている人も多いため、1年で複数人の方が亡くなります。
最近までお話ししていた人が、急に亡くなったりすることも。
身寄りが全くいなかった人の遺骨は、ケースワーカーが代わりに納骨堂に持って行きます。
私が福祉事務所にいたときには、立て続けに受給者が亡くなり、一時、福祉事務所で3つの骨壺を保管していたこともありました。
♦⑤ 汚い・臭い場所に行くことも
ケースワーカーは受給者の生活状況を把握するために、定期的に家庭訪問を行います。
様々な世帯を訪問するため、中には部屋が片付いていないゴミ屋敷や、何とも言えないニオイを放つ家もあります。
生ごみが放置されていたり、ゴキブリがそこら中にいることも。
そういう家を訪問する際は、予備の靴下を用意しておくといいかもしれません。
♦⑥ いろんな知識が要求される
ケースワーカーは生活保護受給者の生活全般に関わるため、知っておくべきことがたくさんあります。
まず公務員なのでもちろん法律、生活保護法を理解する必要があります。
そして、受給者は高齢者が多く、介護サービスを利用するため、介護関連の制度を把握しておかなければいけません。
そのほかにも以下のような知識が必要です。
- 受給者の病状を把握するために病気に関する知識
- 医療費を支給するため医療制度の知識
- 障害者福祉に関する知識
- 児童手当など子どもに関する制度
- 税金の免除や課税状況を把握するための税関係の知識
つまり、ほかの部署が専門とする制度を全方位的にかじっておく必要があります。
ぶっちゃけ全部把握するのは不可能なので、私はよく福祉課など他部署に分からないことは相談していました。
なので、受給者からよく即答できないような質問をされ、頭を悩ませることもありました。
♦⑦ 判断が難しいことが多い
もしも受給者から「これはもらえますか?」、「あれをやってくれませんか」などの問い合わせがあった場合や、何らかの決定を下す場合、生活保護法などの法律に基づいて行います。
ただ、公務員の方なら分かると思いますが、法律って読んでも「つまりどっちなんだよ!」みたいな曖昧な表現がありますよね。
また、「Aとは書いてあるけどBとは書いてないから、Bはオッケーじゃね?」的な悩ましい書き方をしている条文も多いです。
生活保護業務でもそういった判断が難しい場面によく出くわします。
■ケースバイケース
たとえば現状では、生活保護受給者が車を所有することは認められていません。
車を所有するためには維持費がかかるし、生活保護を受けずに車を所有していない人もいますので。
ただ、絶対に認められないわけではなく、いくつかの要件に当てはまる場合は所有が認められます。
ただ車に限らず、この「いくつかの要件」というものが単純であればいいのですが、要件にはいろんなパターンがあるので即座に○×で判定できないことは多々あります。
■返答は慎重に
「整骨院に行った場合医療扶助は出るか」、「病院に行くときの交通費は出るか」、「アパートへの引っ越し代は出るか」
法解釈の仕方によっては100%断言できない事もあるため、受給者からの問い合わせは慎重に行う必要があります。
お金に関する問い合わせや要望は多く、相手もシビアなため、軽率の返答はトラブルのもとです。
♦⑧ 裁判沙汰になる場合も
上記のことにも関連しますが、ケースワーカーは時に訴えられることもあります。
生活保護を廃止にしたことや、保護の申請を却下したこと、保護費が支給されなかったことなど理由は様々ですが、そう珍しい事ではありません。
私がいた福祉事務所にも、弁護士や議会議員を引き連れて話に来る人はいました。
同僚でも訴えられそうになった人がいて、裁判対応の準備を進めていましたが、なんとか裁判は免れていました。
■仕事が増える元
どっちが正しい・正しくないは別として、裁判になること自体で仕事が爆増しますから絶対嫌ですよね。
訴えられなくても、担当の生活保護受給者から、市役所の広聴課などに抗議の文書や電話が入ると、その対応でまた仕事は増えてしまいます。
抗議の内容が本当に反省すべき事であればしっかり謝罪すべきですが、理不尽な抗議は多いです。
♦⑨ 事務処理ミスと隣り合わせ
基本的に受給者に支給する生活保護費は、世帯ごとに定められた最低生活費と収入の差額が支給されます。
ただ、この計算が世帯の状況によっては複雑な場合があり、さらに計算システムの操作ミスがあれば、生活保護費の過支給や過少支給に繋がります。
■個人情報にも注意
また、個人情報も多く扱っているため、ちょっとのミスが情報漏洩に直結することも。
たとえば、受給者が住むアパートに直接書類を持って行き、不在だったのでポストに投函した。
しかし間違えて隣のポストに投函し、隣人に生活保護を受けていることがバレた。
こんな凡ミスだってあり得ます。
4.ちょっと残念なこと3つ
生活保護課の職員として働き、残念だな~と思うこともいくつかあるので紹介します。
- 得た知識が異動先で役に立たないことも
- たくさん嘘をつかれる
- 休日は管轄地域に何となく行きづらい
♦① 得た知識が異動先で役に立たないことも
ケースワーカーとして数年働いた後は、次の部署に異動になりますが、生活保護課で学んだ知識は次の異動先で活かされない場合も多いです。
ケースワーカーの業務は福祉に関連することなので、もしも次の配属先が福祉関連であれば、十分活かすことができます。
しかし、その他の部署に配属された場合は、おそらくゼロからまた仕事を覚えなければいけません。
特に新規採用職員で採用された方。
■支出負担行為?なにそれ
大抵のケースワーカーは「支出負担行為」「支出命令」などの業務を行いませんし(小さい市役所ならあるかも)、契約事務なども経験しません。
もしかしたら、普通の職員であれば誰でもできることが、ケースワーカー上がりだから分からない、なんてこともあるかもしれません。
生活保護課でも経理担当などになれば、話は別ですが。
♦② たくさん嘘をつかれる
たくさんの世帯を担当していると、嘘をつく受給者にもたくさん出会います。
- 「働いていません」→ 不正就労していた
- 「車に乗っていません」→ 車を所有していた
- 「年金貰っていません」→ 実は貰っていた
- 「外出していました」→ 居留守を使っていた
このようなウソはたくさんつかれます。
信じて行っていた事務処理も嘘のせいでパーになり、仕事が激増することも。
若干人間不信になるかも?
♦③ 休日は管轄地域に何となく行きづらい
ケースワーカーになって分かったんですが、意外と生活保護を受給している人って多いです。
その辺にいます。
なので、スーパーやショッピングセンター、飲食店で見かけるなんてことも。
休みの日に出会うと何となくお互い気まずいですよね。
特に向こうが友人と一緒にいたりしたら、深い話もできないですし。
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5.生活保護課の良いところ5つ
マイナスなことばかりお伝えしましたが、生活保護課に配属されていい面もありますよ。
- 割とラフな服装で仕事ができる
- 外出しやすい
- 残業が少ない場合も
- 手当てがもらえる
- 職員の人間関係は割と良好
♦① 割とラフな服装で仕事ができる
これは各福祉事務所で多少違いますが、男女関わらず他の部署と比べると、スーツ着用率は低いです。
男性だと下はチノパン、上はポロシャツ、靴は革靴ではなくスニーカー、そんな感じ。
これは生活保護受給者や申請者に対して配慮しているためです。
■相手に配慮してラフな格好に
スーツで生活保護の相談を受けるより、ラフな格好の方が相手も緊張せずに話しやすいですよね。
また、頻繁にスーツで家庭訪問をすると近所の人から、「〇〇さんのとこ何かあったのかな?」と目立ってしまいます。
生活保護を受けている人は、あまり周囲には受給者であることを知られたくないもの。
そういったことに配慮しているので、結果的にラフな格好で働くことができます。
♦② 外出しやすい
役所内でずっと仕事をしていると、窓口対応をしたり電話に出たり、段々と息詰まってきますよね。
生活保護課の場合は、受給者宅に家庭訪問に行ったり、病院へ病状調査に行ったり、外出する機会が多いです。
ケースワーカーが受け持っている世帯はみんなバラバラなので、自分で好きにスケジュールを組み立てて、好きな時間に外出することができます。
外出する際は車やバイク、自転車や公共交通機関など様々です。
公用車で家庭訪問する場合は、受給者に配慮して、役所のマークが入っていない車を使用したりします。
♦③ 残業が少ない場合も
これも市役所や都道府県で異なりますが、生活保護課は比較的残業が少ないところが多いようです。
仕事内容自体はハードであっても、残業が少ないのはうれしいですね。
ただ、私のいた福祉事務所は、ほかの部署と比べても残業が多い方だったので、一概には言えません。
毎日残業、週6勤務が当たり前でした。
地方ほど残業は少ないのかな。
♦④ 手当てがもらえる
生活保護業務は、仕事の大変さから特殊勤務手当が付きます。
たとえば広島市の条例は以下のとおり。
”社会福祉の業務等に従事する職員の特殊勤務手当は、次に掲げる職員に対して支給する。
「生活保護を受けている者、身体障害者、知的障害者等の援護、育成又は更生の措置に関する業務その他の社会福祉に関する業務に従事する職員で市長の定めるもの」”
1日に数百円程度ですが、仮に250円で月に20日勤務したら5,000円が手当として付くわけです。
逆に言えば、役所もそれほど大変な業務と認めているわけですね。
♦⑤ 職員の人間関係は割と良好
これも一概には言えませんし、もちろん職員同士でギクシャクしているところもあると思いますが、割合的に言えば他の部署よりも人間関係が良いと感じます。
他の部署であれば、ひとりひとり担当する仕事内容は違いますが、ケースワーカーは担当世帯こそ違いますが、基本的な業務内容は皆同じです。
そのため、お互いで業務を助け合うことができますし、仕事がハードな分連帯感も生まれやすいです。
過去に問題になりましたが、小田原市では一致団結のためにオリジナルジャケットを作成していたくらいです。
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6.次の異動に役立つこと2つ
また、生活保護課を経験すると今後に役立つこともあります。
♦① 精神的にタフになる
ケースワーカーになると上記のような大変なことを経験するため、メンタルは強くなります。
どこの役所でも比較的楽な部署と大変な部署がありますが、生活保護課はもちろん後者に入ります。
ここを経験すると、今後ほかの大変な部署に異動になった時でも、ある程度は耐えられるはず。
逆に今まで楽な部署しか経験してこなかった人は、慣れるまではシンドイかもしれません。
また、生活保護課の経歴があると「きつい経験も積んできたんだな」と部署移動のときに一定の評価はもらえます。
♦② 役所内のつながりが増える
生活保護課の職員数は、比較的役所内では多い方です。
そのため、顔見知りの職員は確実に増えます。
そういった人たちが関連部署に異動したら仕事の頼みごとがしやすいですし、もしも自分が異動となった場合、またばったり同じになることもあります。
また、直接知り合いではなかったとしても、生活保護課を経験した者同士であれば話は盛り上がることも多いです。
7.やりがいもある
きついことばかりではなく、もちろんやりがいを感じることもあります。
暴言を吐いたり、ウソついたりする人がいる一方で、まじめに生活している保護受給者もたくさんいます。
■嬉しいこともある
部活動費を支給している世帯から、「子どもが全国大会の選抜に選ばれました!」と嬉しそうに報告してくれたり。
精神的に障がいを抱え働くことが難しかった人が、少しずつ社会性を身に付け、働くことができるようになったり。
電話越しに受給者の相談を聞いていると「あなたの言葉を聞いたら元気になる」と言ってもらえたり。
何年も生活保護を受けていた人が、自立のため生活保護の廃止となり、「今までお世話になりました」と言われたときには、感慨深いものが。
■感謝もされる
受給者と向き合い、喜びを共有できると一生懸命働いてきた時間が報われます。
ケースワーカーは受給者から頼りにされる存在であるため、感謝されることも多いです。
家庭訪問したら、「これ持って行って」とジュースの差し入れをもらうこともあります(基本的に受け取りませんが)。
ただ、相手のためにと思って何でも引き受けると、業務の境目が曖昧になり「何でも屋さん」になってしまうので要注意。
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8.生活保護を取り扱ったマンガ・ドラマ
生活保護について楽しく知りたい方は、マンガやドラマを見ることをオススメします。
『健康で文化的な最低限度の生活』
こちらは柏木ハルコさん作の、生活保護にスポットを当てた人気マンガ「健康で文化的な最低限度の生活」です。
累計発行部数はなんと100万部を突破しています。
福祉事務所の生活課(生活保護課)に配属となった新人の義経えみるが、ケースワーカーとして成長していく姿がユーモアも交え描かれています。
現在も連載中で、2023年の8月に12巻が発売されました。
■ドラマは豪華キャスト
2018年には吉岡里帆さん主演でドラマにもなったため、知っている人もいるかもしれません。
今見るとドラマには以下のように結構有名な人が出てますね。
【吉岡里穂、井浦新、川栄李奈、山田裕貴、谷まりあ、内場勝則、田中圭、遠藤憲一、安達祐実、佐野岳、松本まりか、おばたのお兄さんetc】
ドラマで見たい人は『Amazonプライム・ビデオ』で視聴するのもあり。
9.まとめ
生活保護課のリアルについて紹介しました。
公務員志望の方、こういう内容を理解したうえで、面接の際に生活保護の話をしたら面接官も感心するかもしれませんよ。
生活保護業務を志望する受験者は少ないですが、私の先輩で面接の際に「生活保護の仕事に携わりたい」と話をして受かった人がいました。
新規採用職員の方、最初に楽な部署に行くよりも、ある程度大変な部署に配属された方が今後のためになりますよ。
生活保護課に異動になった現職の方、異動して数ヶ月、慣れるまでは大変かもしれませんが、「慣れたら居心地が良い」なんて方も結構います。
あと、受け持つ担当世帯の数や中身によって忙しさはかなり違います。