『速攻の時事』の評価は?買うタイミングについても解説します

公務員試験の時事対策本を検討するときに『速攻の時事』をよく見かけますよね。

でも実際中身はどうなの?

使って公務員試験に合格できるの?

そんな疑問があると思いますが、結論から言うと、時事対策は『速攻の時事』を選べば間違いないです。

今回はそれについて深掘りします。

【この記事を書いた人】
政令市の消防士と行政職、町役場を経験
公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
YouTube ハチサン公務員

目次

  1. 時事対策は必須
  2. 速攻の時事とは
  3. 速攻の時事の良いところ
  4. 気になる点
  5. 購入するタイミング
  6. そのほかの問題集
  7. まとめ

1.時事対策は必須

まず、前提に時事対策の勉強をすることは必須です。

なぜなら、時事問題の対策をすることで、その知識は以下のような科目にも活かすことができるからです。

  • 社会科学
  • 人文科学
  • 自然科学
  • 専門試験
  • 小論文
  • 集団討論など

全方位的な知識の底上げにつながる 

教養試験や専門試験で

公務員試験では、経済や政治、地理、ときには化学など、時事以外の科目でも、最近の動向に絡めた問題が頻繁に出題されます。

特に社会科学(政治・経済・社会)では近年の社会情勢・経済情勢について問われる場合も多く、時事を勉強すると、社会科学の点数は稼ぎやすくなります。

ほかにも、専門試験の財政学では一般会計について、国際関係では国際情勢、政治学では近年の法改正などが出題されたりします。

時事対策で学ぶ知識は至る所で活用できるんです。

論文や集団討論でも

また、時事対策で「少子化対策」や「働き方改革」、「外国人労働者」について学べば、論文試験の際もその知識を活用して、中身のある文章を書くことが可能です。

数値なども覚えておくと説得力が増します。

さらに、集団討論がある受験先では、時事で学んだ知識や数値を基に発言することで、説得力のある意見を述べることができます。

このように時事問題の対策を行うことは、公務員試験全般の知識の底上げに繋がります。

2.速攻の時事とは

時事対策の定番 

『公務員試験 速攻の時事』

『公務員試験 速攻の時事』

『速攻の時事』とは実務教育出版が出版している、公務員試験の時事対策に特化した参考書です。

約140ページのボリュームで、国家公務員、地方公務員、行政職、警察、消防、どの試験にも対応した内容です。

かわいらしい独特の絵が特徴的で、毎年新しいバージョンが年度ごとに出版されています。

また、『速攻の時事』には『速攻の時事 トレーニング編』という参考書兼問題集も別に発売されています(後ほど紹介)。

私自身もこれで合格 

私はこれまでに、政令市の消防士、町役場職員、政令市の市役所職員として働いた経験があり、3つの時期に公務員試験を経験しました。

その全てで私は『速攻の時事』にお世話になり、内定を貰っています。

1度だけでなく何度も『速攻の時事』利用して合格。

ほかの時事対策本は使っていません。

そのため、ここで述べることもある程度の説得力はあると思います。

3.速攻の時事の良いところ

ここでは『速攻の時事』の良い点や、優れている点を7点順番に紹介します。

  1. 絶大なる人気と実績
  2. 守備範囲が広い
  3. 政府発行の白書を基にした情報
  4. 構成がシンプル
  5. 章末でアウトプットできる
  6. 値段がお手頃
  7. ブックカバーがなく使いやすい

① 絶大なる人気と実績 

歴史と実績

まず『速攻の時事』は、時事問題の参考書ではボス的存在です。

20年以上前からずっと発売されており、おそらく一番売れています。

これまでのシリーズ累計発行部数は200万部。

もの凄い数ですよね。

毎年、数万部単位で売れています。

多くの受験生が愛用

最も公務員試験の受験生が利用している参考書が『速攻の時事』なので、速攻の時事と同様の問題が出題されれば、多くの受験生は正しい答えを解答できます。

逆も然りで、速攻の時事に載っていない問題は多くの人が間違うかもしれません。

そのため、あえて他の参考書で冒険する必要はないかなと思います。

私は予備校の公務員講座を受講した経験もありますが、そこでも『速攻の時事』が利用されていました。

② 守備範囲が広い 

時事問題と言えば最近の政治・経済をイメージしやすいですが、公務員試験の時事では様々なジャンルが出題されます。

例えば、令和元年度の警視庁の教養試験ではピクトグラムについて、国家一般職ではドローンなどの科学技術について出題されました。

『速攻の時事』では、こういった分野の問題にも対応できるようにあらゆるジャンルが網羅されています。

年度によって多少変わるかもしれませんが、だいたい以下のようなジャンルが収録されています。

  1. 日本政治
  2. 国際政治
  3. 日本経済
  4. 経済政策
  5. 財政
  6. 世界経済
  7. 厚生
  8. 労働
  9. 文部科学
  10. 環境
  11. 司法警察
  12. 社会問題

約12章×約10テーマで、全部でおよそ120のテーマの知識を習得することが可能です。

③ 政府発行の白書を基にした情報 

公務員試験の時事問題では、失業率が〇〇%、国民医療費約〇〇兆円など、数値を問われることもよくあります。

そのデータは官公庁が発行している白書などから引用されていることが多いです。

さすがに受験生が、白書の中身を全て把握することは厳しいです。

『速攻の時事』は、こういった日本の中央省庁が発行している、様々な白書を分析・研究して、大事なところをまとめています。

多くの白書のデータが分析されているため、同じく白書のデータが引用される公務員試験に有効なのは言うまでもありません。

④ 構成がシンプル 

約12章×10の約120テーマが掲載されているとお伝えしましたが、各テーマはそれぞれ何ページにもまたがって書かれているのではなく、1、2ページごとに区切られてられており使いやすいです。

説明が何ページにもまたがっていると、区切りがなく読み続けるのが苦しいですもんね。

重要なところは太文字で、テーマの最後には要約した文が記載されており、無駄がない印象です。

約120のテーマに小分けされているため、時間がない人はその中で出題可能性が高いテーマのみを学習していく、という使い方も可能です。

出題可能性は★~★★★までランク付けされているので、★3つの問題のみを解いていくという使い方もできますね。

⑤ 章末でアウトプットできる 

『速攻の時事』はどちらかというと、問題集というより読んでインプットする参考書タイプの書籍です。

ただ、全くアウトプットすることができないという訳ではありません。

各章末に穴埋めチェックのコーナーがあるので、そこで簡単ですが、インプットした知識を再確認することができます。

問題がない分、このアウトプットできるページは、知識を習得するうえでありがたいです。

9割インプットですが1割がアウトプットといった感じ。

⑥ 値段がお手頃 

公務員試験の参考書は、たとえば『新スーパー過去問ゼミ』が約2,000円、『過去問解きまくり』が約2,000円、『過去問500』が約3,000円など、まあまあ値段が張ります。

2,000円の参考書を10冊買えばそれだけで2万円もかかります。

一方、『速攻の時事』の金額は1,320円です。

他の参考書に比べかなり手を出しやすい価格帯。

ちなみに少し前までは1,000円+税というさらに安い金額でした。

⑦ ブックカバーがなく使いやすい 

問題集や参考書を使っていると、「ブックカバーが地味に邪魔になる」ってことありませんか?

私は邪魔くさかったので、参考書のカバーはいちいち外して使っていました。

一方『速攻の時事』では初めからカバーが付いていません。

なのでブックカバーが滑ったり、外れてしまったり余計な心配がなく、ノンストレスで勉強することができます。

そもそも参考書って使い込んでなんぼのものなので、きれいにしておく必要あるんですかね?

【関連記事】
⇒ 【資料解釈のオススメ参考書・問題集】6冊を厳選して徹底比較

4.気になる点

『速攻の時事』の評価は総じて高いですが、気になる点も少し。

疲れる 

1つは、少し文章が長く読むことが疲れる点。

公務員試験は過去問を解いて知識を身に付けていくことが主流。

なので問題が少なく、読み進めて学習する『速攻の時事』は若干疲れるかもしれません。

似たような文言や数値が出てくるので覚えるのも大変です。

ただ、約120テーマに分かれているので、小分けして学習していくといいかも。

そもそも選択肢が少ない 

また、公務員試験では時事対策本の種類が豊富ではなく、『速攻の時事』の地位を脅かす、対抗できるような参考書は少ないです。

そのため、そもそも参考書選びの選択肢は少ないです。

数ある参考書の中から選ばれるというより、結果的に『速攻の時事』が選ばれるということもあるかもしれません。

それでも良本には変わりないですが。

ただ、昔に比べると徐々に時事対策本も増えてきています。

【関連記事】論文試験の参考書を知りたい方はこちら
⇒【公務員試験の論文】オススメの参考書は?17冊を徹底比較』

5.購入するタイミング

公務員試験では、過去に出題された問題と類似する問題が度々出題されるため、過去問を解いて知識を深めていくことがスタンダードな勉強法です。

しかし科目の性質上、時事問題だけは違います。

名前の通り時事的な問題が出題されるため、過去問を解くのではなく、新しく出版された参考書の、新しい情報を知識として取り入れる必要があります。

そのため、『速攻の時事』についても最新版で学習を進めていくことが大切。

最新版の出版日は? 

では、『速攻の時事』はいつ最新版が出版されるのか気になりますよね。

これまでの出版日は以下のとおり。

  • 令和6年度版:令和6年2月2日
  • 令和5年度版:令和5年2月8日
  • 令和4年度版:令和4年2月9日
  • 令和3年度版:令和3年2月5日
  • 令和2年度版:令和2年2月5日
  • 平成31年度版:平成31年2月6日

例年、2月の上旬に最新版が出版されています。

したがって、この日以降に最新版を購入し、学習を進めることをオススメします。

たとえば、令和6年度の試験(令和6年4月~令和7年1月頃まで)を受ける人は、令和6年2月に発売された令和6年度バージョンを購入してください。

それより以前のバージョンを使っていた人は、最新版で学習し直しましょう。

【関連記事】
⇒ 新スーパー過去問ゼミ7はいつ発売する?詳しい発売時期を紹介

6.そのほかの問題集

基本的に、時事試験対策は『速攻の時事』で十分ですが、時間に余裕がある方や、さらに知識を定着させたい方には『速攻の時事 実践トレーニング編』を紹介します。

『速攻の時事 実戦トレーニング編』

⇒ 公務員試験 速攻の時事 実戦トレーニング編

⇒ 公務員試験 速攻の時事 実戦トレーニング編

『速攻の時事』と同じ章立てになっており親和性があります。

本の中でも、『速攻の時事』と併用することをオススメしているようです。

こちらは章ごとに4~7問の予想問題が収録されているので、アウトプットを重視する人にはいいかもしれません。

本のボリュームは『速攻の時事』と同じく140ページ程度。

【関連記事】
⇒『速攻の時事』どっちもやる?トレーニング編必要?【実体験】

7.まとめ

『速攻の時事』について紹介してきました。

たまに、時事問題を無勉で試験に挑む人がいますが、受かりたいなら必ず対策を取るべきです。

個人的には時事問題の勉強って、頭は使わなくていいし、公務員試験に関係なく世の中の常識を知ることができて好きでした。

数的推理などで頭を使った後に勉強すると、気分転換になりますよ。