町役場職員の仕事にはどういったイメージを持っていますか?

まず公務員に対して「残業が少なく、土日祝日が休みで仕事も楽そう」そう思っている人が多いのではないでしょうか。

特に町役場職員に対しては「田舎の町で、ゆっくりのほほんと仕事をしている」このようなイメージを持っている人も多いかもしれません。

今回は、その辺実際にはどうなのか、私の経験も踏まえお伝えします。

【この記事を書いた人】
政令市の消防士、政令市・町役場の行政職員を経験
公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
YouTube ⇒「3回公務員」

目次

  1. いろんな自治体がある
  2. 町のランキング
  3. 基本的に楽ではない
  4. みんな同じではない
  5. 楽な部署はどこか
  6. 年次有給休暇(有給)の取得日数は?
  7. まとめ

1.いろんな自治体がある

結論からいうと「町役場の仕事が忙しいかどうかは自治体や部署、担当の業務による」というのが答えです。

それだけだとよく分からないと思うので、この記事で詳しく説明します。

全国には1,700を超える自治体がある

たまにインターネットも見ると「公務員はこうです!」「市役所職員は○○です!」など、なんでも断言している書き込みを見かけることがあります。

しかし、民間企業が様々あるように、自治体も北は北海道の稚内市から、南は沖縄県の竹富町まで現在1,718の市町村があり、その実態は様々です。

例えば、民間といってもIT業界と金融業界では働き方が全く異なりますし、同じ金融業界でもメガバンクと地方銀行では営業スタイルが異なりますよね。

公務員も同じです。

特に私は、これまで3つの公務員を経験しており、その経験からも、職場によって雰囲気や働き方などは全然違うということを体感しています。

町は約740あり、それぞれ違う

町役場についても同じで、日本には現在約740もの町が設置されており、町によって様子は違います。

例えば、愛知県の東郷町は、人口約44,000人と町にしては多く、人口密度は2,443人/㎢で、政令指定都市の札幌市や京都市などよりも密度は高いです。

2020年9月には、町内に新たに商業施設の「ららぽーと愛知東郷」がオープンしており、小規模な市よりも間違いなく勢いのある町です。

私が以前勤めていた町役場も、同じように勢いがある町でした。

一方で群馬県の神流町のように、人口が2,000人未満で、3年間で人口が10%以上減少している町もあります。

このように、規模や状況が全然違う町役場の仕事について、ひとくくりに説明することは難しいです。

今回はどちらかというと、発展している大きめな町役場目線で説明します。

2.町のランキング

参考に、740ある町の中で自治体データの上位と下位の町を紹介します。

人口

  • トップ3
    1. 府中町:51,022人(広島県)
    2. 東浦町:49,153人(愛知県)
    3. 寒川町:48,542人(神奈川県)
  • ワースト3
    1. 早川町:959人(山梨県)
    2. 笠置町:1,146人(京都府)
    3. 七ケ宿町:1,248人(宮城県)

府中町の人口は、町ながら5万人超え。

町と言っても市よりも勢いのある自治体も多いです。

一方で推計人口が5万人以下の市は300近く。

多くの市で人口が減少しています。

人口密度

  • トップ3
    1. 志免町:5,322人/㎢(福岡県)
    2. 大治町:4,935人/㎢(愛知県)
    3. 府中町:4,901人/㎢(広島県)
  • ワースト3
    1. 幌加内町:2人/㎢(北海道)
    2. 中川町:3人/㎢(北海道)
    3. 早川町:3人/㎢(山梨県)

5,000人/㎢を超える志免町の人口密度は、福岡市以上です。

町も侮れません。

一方北海道にある町には人口がスカスカのところもちらほら。

日本全体の人口密度は338人/㎢。

人口増加率(2015~2020)

  • トップ3
    1. 与那国町:11.13%(沖縄県)
    2. 久山町:9.40%(福岡県)
    3. 新宮町:8.92%(福岡県)
  • ワースト3
    1. 大豊町:-20.16%(高知県)
    2. 神流町:-18.21%(群馬県)
    3. 上関町:-17.51%(山口県)

与那国町の人口増加は、2016年に、陸上自衛隊の駐屯地が新設されたことによるものと思われます。

人口減少時代の中、久山町や新宮町など福岡は人口が増えている自治体が多いです。

一方、全国には人口減少に歯止めが利かない壊滅的な自治体も散在。

ワースト1の大豊町は、現在人口減少が大きな問題となっています。

3.基本的に楽ではない

町の発展と共に忙しくなる

町役場、特に発展している町役場の仕事は、全体的に楽ではありません。

田舎ののほほんとしているイメージよりも、市役所に近い雰囲気です。

町の人口が増加していけば、その分業務量も増えていきますが、職員数を簡単に増やすことはできません。

人件費にかける予算や、条例により職員定数が決まっていたりするので、柔軟に職員を増員することは難しいです。

そのため人口が増加していけば、町の発展とは裏腹に、職員の業務量は増える傾向です。

私が勤めていた町も、人口増加と発展が続いており、役場では残業している職員が多くいました。

駆り出される若手職員

祭りに駆り出される

発展はしていても、町役場というのは大きな市役所と違いマンパワーが足りないことがあります。

例えば、私が勤めていた町で大きな祭りなどを開催するときは、若手職員が全員、運営や片づけに駆り出されます。

これが大きな市役所であれば、祭りを担当する課の職員のみで行う、もしくは他部署から何人か応援職員を出してもらい、運営のみ手伝ってもらうという形が多いかもしれません。

町役場の場合、関係ない部署の若手職員全員が運営のみならず片づけも行います。

もちろん祭りが行われるのは平日ではありません。

消防団で駆り出される

町役場は自前で消防本部を設置していないことも多いです。

火災が発生した場合、町を管轄している消防組合とは別に、役場職員が消防団として平日・休みに関わらず出動します。

他にも、町の消防団員の行事(出初式やポンプ操法大会など)があれば準備・運営・片づけなど若手職員が駆り出されます。

これももちろん休みの日です。

このように発展している町では、業務量が増えると同時に、町の行事などへも度々参加する必要があります。

このような町役場の職員(特に若手職員)は、通常業務以外にもしなければいけない仕事が多く、楽とは言えないかもしれません。

4.みんな同じではない

部署ごとに忙しさが違う

同じ町役場の職員でも、部署によって忙しさは様々。

部署によっては、ほとんどの人が定時後すぐに帰れるところもあります。

逆に、毎日21時過ぎまで残業しており、時には日付が変わるまで残っている部署もあります。

町役場職員が日付が変わるまで残業しているイメージはあまりないと思いますが、私も経験しました。

また、普段はあまり忙しくない部署でも、時期によってはかなり忙しくなる部署もあります。

例えば防災課は、梅雨や台風の時期、地震発生時など災害の際は徹夜での勤務も頻繁にあります。

他にも、勤務時間中にあまり住民と関わることがなく黙々と仕事をこなす部署と、みなさんがイメージするような窓口対応がメインの部署など働き方も様々。

さらに係・班で忙しさが違う

町役場の組織は「課」単位で部署が分かれており、さらにその下に「係もしくは班」という単位で業務が分けられています。

例えば総務課であれば以下のような感じ。

  • 総務課
    ・人事係:職員の人事・厚生に関する業務
    ・法制係:条例の改廃・選挙に関する事務etc

同じ課であっても課内で業務内容が全く違うため、忙しさも課内でバラバラ。

さらにいうと、係の中でも一人ひとり仕事内容が違うため、個人によっても忙しさというものが変ってきます。

全体的に忙しい部署でも、担当する仕事によっては、その人だけ割と早く帰れるということもあります。

【関連記事】町役場の職員として働くメリット・デメリットはこちら
⇒【ここが嫌!】町役場の公務員として働くメリット・デメリット

5.楽な部署はどこか

残業が少ない部署、多い部署は本当に各町役場で全然違います。

私が勤めていた町役場に関しては、忙しくない部署を答えることはできますが、それが他の町役場にあてはるかというと、むしろ真逆な場合も。

ネット上にはいくつか、「町役場の楽な部署」などを紹介をしているサイトがあります。

しかし、いろんなサイトごとに忙しくないと紹介されている部署が違いますし、私がいた役場とも合致しません。

これはホントに自治体によって違います。

一方で、違う役場でも同じような傾向の部署もあります。

町役場について書かれているサイトは「そういう自治体もあるんだな」と参考程度に見るといいかもしれません。

6.年次有給休暇(有給)の取得日数は?

民間とそこまで差はない

総務省のデータによると、民間企業に勤めている労働者の令和元年における、年次有給休暇の平均取得日数は年間で10.1日です。

一方、市町村職員(市と村の職員も含める)の年次有給休暇の平均取得日数は、年間で11.0日です。

ほんの少しだけ市町村職員の方が多いですがほとんど同じですね。

市町村職員が民間に比べ、特段たくさん有給を取っていることはありません。

また、これはあくまで平均の数字です。

町役場によっては、年間平均15日以上取得していところもあれば、5日以下のところもあります。

有給の取得率が気になる方は、気になる自治体名で「○○町 人事行政の運営等の状況」と検索すると、町役場のホームページから、平均取得率が分かるかもしれません。

有給取得率

ちなみに各公務員の有給取得率は以下のとおりです。

  • 民間企業  :10.1日
  • 国     :14.9日
  • 都道府県  :12.3日
  • 政令指定都市:14.0日
  • 市区町村  :11.0日

引用:総務省「令和元年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」

公務員も民間も、少しずつ有給休暇の取得率は上昇しています。

【関連記事】町役場の面接試験について気になる方はこちら
⇒市町村(町役場・村役場)の採用面接試験で実際にあった質問40連発

7.まとめ

町役場職員の仕事について解説しました。

自治体や部署によっては忙しくないところもあります。

しかし今の時代、町役場に入庁して定年までずっと楽な部署で働き続けることは難しいです。

定期的に人事異動があるので、だいたいの人は忙しい部署、忙しくない部署の両方を経験するはずです。

町役場の仕事をトータル的にみると、世間一般の平均と同じような忙しさなのかもしれません。

町役場・村役場試験の参考書籍

「市役所試験 早わかりブック」

⇒ 市役所試験 早わかりブック

目次

  • 市町村職員ここがイイ!
  • 早わかりガイド
  • 教養・専門試験の攻略法
  • 過去問の徹底研究
  • 実力判定&学習法アドバイス
  • 別冊過去問模試

市町村職員試験の概要が書かれています。

試験までの流れや、試験科目の出題数、過去の出題傾向など役に立つ情報がたくさん。

さらに別冊で過去問模試が付いているので、実力を確認するとき非常に使えます。