教養試験、科目多すぎ。
警察官を目指している方、教養試験の科目の多さに圧倒されますよね。
「試験までに全科目を勉強する時間なんてない!」っていう人もいるかもしれません。
そこで今回は、警察官採用試験の捨て科目と、必ず押さえるべき科目を紹介していきます。
ここで紹介する試験は、警視庁と、5月型(最も試験を実施する道府県警が多い)の採用試験です。
【この記事を書いた人】
・政令市の消防士と行政職、町役場を経験
・公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
・YouTube ⇒ ハチサン公務員
★目次
- 捨て科目を作るべきか?
- 紹介方法
- 警視庁採用試験
- 5月型警察採用試験
- 警視庁と5月型を併願する場合
- 紹介
- まとめ
1.捨て科目を作るべきか?
♦捨て科目は必ずしも作る必要はない
まず最初にお伝えすることは、警察官採用試験の場合、捨て科目を作らずに合格することも可能ということです。
警察官採用試験では約20科目が出題されるため、全てを網羅することはかなり大変です。
ただ、県庁や国家一般職など、その他の公務員試験に比べると勉強すべき科目数は少ないです。
これらの試験では、教養試験に併せて専門試験も実施されるため、勉強する科目の数は30近くに上ります。
30科目もあれば、捨て科目は当然作らざるを得なくなります。
そう考えると、20科目は何とかなる数字であり、勉強時間を十分確保できそうなら、必ずしも警察官採用試験で捨て科目を作る必要はありません。
♦勉強時間が限られた人に有効
ただ、仕事や部活、学業が忙しく、勉強時間がそんなに確保できない人は多いです。
試験勉強を開始したのが遅かった人も、十分な勉強期間あるとは言えません。
そのような人たちにとっては、捨て科目を作る戦略が有効です。
なぜなら、少ない勉強時間で20科目全てを制覇しようとすると、すべての知識が薄くなり、どの科目でも点数が取れないという最悪のパターンも考えられるからです。
そうならないためには、捨て科目を作り、残りの科目で密度の高い学習していくことが有効となります。
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2.紹介方法
♦警視庁・5月型・文系・理系
捨て科目を選ぶポイントは、志望先の出題数と科目ごとの難易度、この2つです。
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警視庁採用試験、5月型警察採用試験、それぞれこの2つのポイントを基に、捨てる科目・押さえるべき科目をまとめています。
警視庁以外の多くの道府県警は、この5月型に該当します。
科目の難易度は文系出身か理系出身かによって多少変わるので、捨て科目については、文系出身者と理系出身者の2つに分けて紹介。
- 警視庁採用試験
- 文系出身者
- 理系出身者
- 5月型警察採用試験
- 文系出身者
- 理系出身者
- 警視庁と5月型を併願する場合
- 文系出身者
- 理系出身者
♦第一候補群と第二候補群
捨て科目として最初に検討すべき科目を第一候補群としています。
まずはこちらから1つ、もしくは複数を捨て科目として選定しましょう。
それでもさらに、捨て科目を作る必要がある場合や、第一候補群の科目はどうしても勉強したい場合などは、第二候補群から捨て科目を選んでください。
押さえるべき科目については、文系・理系は関係なく同じです。
必ず押さえましょう。
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⇒公務員試験の捨て科目とは?その意味や戦略の立て方をゼロから解説
3.警視庁採用試験
♦3-1必ず押さえるべき科目(文系・理系両方)
- 判断推理
- 文章理解(現代文)
- 数的推理
警視庁の教養試験は50点満点ですが、この3科目だけで4割の点数を占めています。
特に判断推理は、9問出題されるため一番重点的に勉強しましょう。
♦3-2文系出身者
■出題内訳&難易度(令和5年度参考)
■捨て科目・第一候補群
- 物理
- 化学
警視庁では、この2科目はそれぞれ1問ずつしか出題されません。
さらに計算問題も出題される可能性があり、文系出身者にとっては難易度が高いので、捨て科目筆頭です。
■捨て科目・第二候補群
- 思想・倫理
- 生物
- 地学
暗記中心で難易度はそれほど高くないですが、すべて1問しか出題されません。
第一候補の次に捨て科目として検討すべき科目です。
♦3-3理系出身者
■出題内訳&難易度(令和5年度参考)
■捨て科目・第一候補群
- 思想・倫理
- 生物
- 地学
- 物理
- 化学
全て1問しか出題されません。
ただ、自然科学系を中心に理系出身者にとっては難易度が低いため、点数は取りやすいです。
■捨て科目・第二候補群
- 地理
- 日本史
- 世界史
理系出身者にとっては難易度は高めですが、それぞれ2問出題されるのであまり捨ててほしくない科目です。
もしも第一候補から捨て科目を作らないのであれば、こちらから選びましょう。
4.5月型警察採用試験
♦4-1必ず押さえるべき科目(文系・理系両方)
- 判断推理
- 数的推理
- 文章理解(英語)
- 政治・法律
この4科目だけで24点分なので、この4科目は必ず押さえておきましょう。
警視庁の試験と違う点は、文章理解の出題数が、現代文より英文の方が多いという点です。
警視庁では2問しか出題されない英文ですが、5月型の警察採用試験では5問も出題される重要科目です。
♦4-2文系出身者
■出題内訳&難易度(令和4年度参考)
■捨て科目・第一候補群
- 数学
- 物理
それぞれ1問しか出題されず、この2つは計算問題も多く、文系出身者が苦手とする科目でもあります。
コスパが悪いため、捨て科目第一候補です。
■捨て科目・第二候補群
- 地学
- 化学
地学は1問しか出題されませんが、暗記中心なので数学、物理よりは学習しやすい科目です。
化学は2問出題されますが、文系にとっては難易度が高くなるため捨て科目の候補です。
♦4-3理系出身者(令和4年度参考)
■出題内訳&難易度
■捨て科目・第一候補群
- 日本史
日本史は2問しか出題されず、なおかつ理系出身者はそれほど日本史を学習した経験が多くないため、基礎から勉強するにはコスパが悪いです。
最初に捨てることを検討すべき科目です。
■捨て科目・第二候補群
- 地学
- 数学
- 地学
この3科目はすべて1問しか出題されません。
ただ、自然科学系は理系出身者にとって難易度がそれほど高くありません。
もしも捨て科目を作る場合は、特に自分が苦手そうな科目を選びましょう。
5.警視庁と5月型を併願する場合
♦5-1併願時の考え方
■親和性を考える
これまで、各試験単独での捨て科目・押さえるべき科目を解説してきました。
ただ、警視庁を志望している人でも5月型の道府県警を第二志望にしていたり、逆に警視庁を第二志望にしている人もいるかもしれません。
その場合は、本命を中心に考えつつ、第二候補の出題数も考慮して捨て科目を選ぶと、より効果的に内定のチャンスを広げることができます。
例えば本命の試験で、同じ出題数で同じ難易度の捨て科目候補が2つあった場合、どっちを捨てようか悩みますよね。
本命だけで考えると迷いますが、このとき、第二志望の試験ではどちらが多く出題されるのか検討すれば、本命はもちろん、第二志望の試験でも得点する可能性を高めることができます。
したがって、併願する場合は、両方の出題数と難易度を比較検討することで、より最適な捨て科目戦略を取ることができます。
■どっちが第一志望か
紹介方法は以下のとおり。
- 文系出身者
・警視庁が第1志望の場合の捨て科目
・5月型警察第1志望の場合の捨て科目 - 理系出身者
・警視庁が第1志望の場合の捨て科目
・5月型警察第1志望の場合の捨て科目 - 押さえるべき科目(共通)
どちらが第一志望かで捨て科目の優先順位は若干異なります。
押さえるべき科目は文系でも理系でも同じです。
♦5-2文系出身者
■出題内訳&難易度
■警視庁が第一志望の場合(文系)
*捨て科目・第一候補群*
- 数学
- 物理
警視庁が本命であれば、数学は1問も出題されないので捨てて構いません。
物理は警視庁、5月型の両方で1問しか出題されず、難易度も高いので捨て科目有力です。
*捨て科目・第二候補群*
- 思想・倫理
- 地学
- 化学
思想・倫理、地学も両方の試験で1問ずつしか出題されませんが、難易度は低く、点が取れるかもしれないので第二候補群です。
化学は物理と同様に難易度が高く、警視庁でも1問しか出題されませんが、5月型の試験で2問出題されるので、物理よりも若干勉強する価値はあります。
■5月型警察第一志望の場合(文系)
*捨て科目・第一候補群*
- 国語
- 英語
- 思想・倫理
国語、英語、思想・倫理の3科目は5月型では出題されないので捨てます。
国語は警視庁で3問出題されますが、あくまで本命は5月型なので捨てて構いません。
*捨て科目・第二候補群*
- 数学
- 物理
数学は5月型で1問出題されるのみで、警視庁では1問も出ません。
なおかつ文系には難易度が高いので重要度は低くなります。
物理は警視庁・5月型それぞれ1問ずつ出題されますが、難易度が高くなるためこれも第二候補群です。
♦5-3理系系出身者
■出題内訳&難易度
■警視庁が第一志望の場合(理系)
*捨て科目・第一候補群*
- 数学
数学は本命の警視庁では1問も出題されません。
5月型でも1問しか出題されないので、すぐに捨て科目に選んで大丈夫です。
*捨て科目・第二候補群*
- 思想・倫理
- 地学
- 物理
思想・倫理は警視庁で1問のみ、5月型では出題がないので重要度は低いです。
地学、物理も1問ずつの出題。
難易度はどれも高くないので、その中でもより苦手な科目を捨て科目として検討しましょう。
■5月型警察第一志望の場合(理系)
*捨て科目・第一候補群*
- 国語
- 英語
- 思想・倫理
これらの科目は警視庁でそれぞれ数問出題されますが、5月型が本命であれば全く出題されていないので、捨て科目にして構いません。
思想・倫理は警視庁でも出題は1問のみ。
*捨て科目・第二候補群*
- 数学
- 地学
- 物理
物理と地学はそれぞれの試験で出題されるのは1問のみです。
さらに数学の場合は5月型で1問出題されるのみ。
♦5-4必ず押さえるべき科目(文系・理系両方)
併願する場合も単願で受験する場合も、必ず押さえるべき科目は同じです。
文系も理系も違いはありません。
■警視庁が第一志望の場合
おさらいです。
- 判断推理
- 文章理解(現代文)
- 政治・法律
- 数的推理
■5月型警察第一志望の場合
こちらも押さえるべき科目は同じです。
- 判断推理
- 文章理解(英語)
- 数的推理
- 政治・法律
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パンフレットは2023年度版なので参考程度に。
7.まとめ
警察官採用試験での捨てるべき科目と、押さえるべき科目を紹介しました。
ここで紹介した捨てるべき科目と押さえるべき科目は、あくまで参考程度にしてください。
受験者一人一人の、置かれている状況やスペックは千差万別です。
ここの情報を自分の頭に落とし込んで、自分なりに考えて行動してください。
また、試験科目の出題数はその年によって多少の違いはあるので、若干の誤差は生じるということを忘れないように。
警察官を目指して試験勉強頑張って!