公務員に興味があるけど既卒だし受かるかな?
そう心配する方は多いのではないでしょうか。
この記事では
- 公務員試験に落ちて学校を卒業してしまう人
- 学校は卒業したけど就職が決まらずこれから公務員を目指す人
- 民間に就職したけど公務員に転職しようか考えている人
このような人に向けて、「既卒でも公務員試験に受かるのか」いやむしろ「既卒でも公務員試験に受かります」ということを私の実体験も交え、説明していきます。
【この記事を書いた人】
・政令市の消防士と行政職、町役場を経験
・公務員試験は独学・予備校の両方を経験
・YouTube ⇒ ハチサン公務員
★目次
- 既卒で受かる人はたくさんいる
- 既卒なら民間より公務員という選択
- 既卒が受験する際にするべきこと
- 何歳でも受けられる?社会人経験枠
- 既卒が受かるには通学?通信?独学?
1.既卒で受かる人はたくさんいる
♦私も既卒で合格
まず私の簡単な紹介。
■3回公務員を経験
私はこれまでに政令指定都市の消防士、町役場の事務職員、政令指定都市の事務職員と3つの官公庁で公務員として働いた経験があります。
もちろん、3つとも正規の職員採用試験に合格しています。
私も初めて公務員試験を受ける際は試験に合格できるか不安でした。
それは私自身、既卒で公務員試験の勉強をしていたからです。
ネットを見ると「既卒は不利」や「落ちたら悲惨」など不安を煽るようなことばかり書いてありました。
ただ不安を抱きながらも、まじめに試験勉強に取り組んだおかげで、無事内定を貰うことができました。
ネットの情報に踊らされず、試験に向けてきちんと準備をすれば、職歴あり・職歴なしに関わらず、既卒でも普通に受かることができます。
■既卒、短期職歴、高齢受験の全てを経験
既卒以外に、短期職歴や高齢受験であっても、適切な対策を取れば公務員試験に受かることは可能です。
3つの公務員を経験したとお伝えしましたが、どの試験に受かったときも、上記のようなハンデがありました。
- 1回目 既卒職歴なしで合格
- 2回目 短期職歴で合格
- 3回目 高齢受験で合格
これでも普通に受かります。
挑戦しないと、受かるものも受かりません。
♦同期や職場の人間も既卒だらけ
■私の同期は既卒が多かった
各採用試験に既卒で受かったのは、なにも私一人ではありません。
私には、消防、町役場、政令指定都市にそれぞれ同期がいますが、全て既卒の同期がいます。
割合でいうと以下のような感じです。
- 消防士の大卒の同期:7~8割が既卒
- 町役場の大卒の同期:約8割が既卒
- 政令市の大卒の同期:たぶん半数近く既卒
政令市の市役所の同期は人数が多いため、きちんと把握していませんが、体感的には半数近くは既卒かなと感じました。
■予備校も先輩も
また、私は公務員予備校の通学講座を受講していましたが、そこにいた人達は、現役大学生よりもむしろ既卒の方が多かったです。
そして、多くの既卒者が試験に合格していました。
そして実際に、消防署、町役場、政令指定都市で働いてきましたが、どの職場でも、先輩、後輩ともに既卒で入庁した人はたくさんいました。
30代の同期も普通にいます。
2.既卒なら民間より公務員という選択
既卒だからと公務員を諦めるのではなく「既卒だからこそ公務員試験を受験する」という考え方もありです。
なぜなら既卒の場合、公務員よりも民間企業(年収が公務員と同程度の企業)に採用される方が難しいからです。
♦既卒で年収700万企業へ就職はなかなか難しい
既卒でも、小さい企業や無名の企業に採用されることは、比較的簡単かもしれません。
しかし、新卒でも内定ゲットが難しいある程度大きい民間企業から、既卒者が内定をもらうことは大変です。
それに見合う優れた経歴や、高いコミュニケーション能力が求められます。
東京特別区(区役所職員)の平均年収は約700万円。
同程度の民間企業を既卒で受ける場合、それ相応のポテンシャルが必要です。
♦公務員の方が受かりやすい
一方、公務員試験は、新卒か既卒かは全く関係のない筆記試験でふるいに掛けられます。
そのため既卒でも大いにチャンスがあります。
筆記試験を突破すれば、平均倍率1.5~3倍程度の人物試験(面接や集団討論)がありますが、大手民間企業の面接倍率に比べればかなり低いです。
つまり、既卒の方でも筆記試験を突破すれば、十分に内定をもらえる可能性があります。
最近は公務員の採用倍率が下がっているので、公務員になる難易度も下がってきています。
3.既卒が受験する際にするべきこと
♦年齢制限に注意する
■官公庁によりさまざま
既卒でも合格は十分可能ですが、一つ注意する点があります。
それは公務員試験には受験の年齢制限があることです。
近年、全国的に公務員試験の年齢制限は引き上げられていますが、国家公務員・地方公務員共に年齢制限は30歳前後の官公庁が多いです。
中には24歳までとケチ臭い官公庁もあります。
■受験の年齢制限の例
以下は一例です。
- 地方公務員
・北海道(一般行政A):30歳
・宮城県(行政) :35歳
・東京都(事務Ⅰ類B):29歳
・仙台市(事務) :35歳
・特別区(事務) :31歳
・福岡市(行政事務) :29歳 - 公安系
・東京消防庁 :29歳
・横浜市消防局:30歳
・警視庁 :35歳
・愛知県警 :33歳 - 国家公務員
・国家総合職(大卒程度):30歳
・国家一般職(大卒程度):30歳
・国税専門官 :30歳
・財務専門官 :30歳
・労働基準監督官 :30歳
30代後半や40代でも受験できる官公庁はあります。
年齢制限は変更される可能性があるので、受験を検討する際は必ず自身で確認してください。
【関連記事】
⇒都道府県庁は何歳まで受けられる?年齢制限を一覧で紹介します
♦採用倍率を確認する
近年の公務員試験の採用倍率は、だいたい4~7倍程度が平均的です。
しかし試験によっては3倍を切ったり、逆に20倍を超えることもあります。
また、受験先によって筆記試験の倍率が高いのか、人物試験の倍率が高いのかも変わってきます。
どこを志望先にするかは自分のスペックと相談する必要あり。
以前に比べ、公務員試験の倍率は全体的に低下傾向なので、チャンスは十分あります。
【関連記事】
⇒【特別区の倍率13年分】難易度は?全職種の採用試験倍率と分析
⇒ 消防士の採用倍率はどのくらい?【東京消防庁・政令指定都市消防局】
♦複数の試験を受ける
■併願が一般的
公務員を目指すと決めたら、次はどこを受験するをか決めるわけですが、受験先を1つに絞る必要はありません。
「どうしてもここで働きたい!」、「ここ以外は嫌だ!」という考えがあれば別ですが、公務員試験では、複数併願することが一般的です。
闇雲にたくさん受けることはオススメしません。
ただ、本命と親和性のある官公庁も受験することで、受かる確率は上がります。
■複数回チャンスがある官公庁も
また、1年に複数回試験を実施するところもあります。
例えば、警視庁による大卒程度の警察官試験は、年に3回実施。
1回目で筆記試験に落ちても2回目に再チャレンジ、2回目に面接試験で落ちても3回目にチャレンジ、そして合格というパターンも可能です。
受験する回数を年に1回と決め打ちすると、ものすごいプレッシャーを感じますよね。
何回もチャンスがあると思うと、少しは気が楽になります。
4.何歳でも受けられる?社会人経験枠
これまで紹介した一般採用枠と別に、社会人経験枠という別の採用区分を設けている官公庁も多いです。
♦実は何歳でも目指せる公務員
社会人経験枠は、民間企業や他の官公庁などで、一定の勤務経験を有する者が受験をすることができます。
「民間企業等職務経験者」、「社会人経験者」など呼び方は様々です。
職務経験4年以上など、各自治体の受験資格をクリアすれば、20代から50代まで幅広い年齢の方が受験できます。
■年齢制限の例
- 神奈川県(社会人経験者(副主幹級)):59歳まで
- 埼玉県(民間企業等職務経験者) :59歳まで
- 千葉県(民間企業等職務経験者) :59歳まで
- 新潟市(民間企業等職務経験者) :59歳まで
- 神戸市(社会人) :36歳まで
- 広島市(職務経験者) :59歳まで
社会人経験採用試験は、試験対策の時間があまり取れない社会人に配慮して、筆記試験のボリュームが一般採用枠に比べ少ないです。
その代わり、面接試験など人物試験を重視する傾向です。
【関連記事】
⇒【公務員】社会人採用試験の倍率どのくらい?特別区・政令市の倍率一覧
♦あなたが受けられる採用枠は
■既卒で職歴がない
⇒ 一般採用枠のみ
例:24歳のフリーター
■既卒で一般採用の年齢制限超え、職務経験年数クリア
⇒ 社会人経験枠のみ
例:34歳で民間での社会人経験10年
■既卒で一般採用の年齢範囲内、職務経験年数クリア
⇒ 一般採用枠と社会人経験枠
例:28歳で民間での社会人経験5年
中には職歴を必要としない社会人経験枠もあります。
受験資格は各官公庁によって違いますので、それぞれ確認してください。
社会人経験枠は年齢制限が緩く筆記試験のハードルが低いため、どの官公庁でも毎年たくさんの人が受験しています。
しかし、社会人経験枠は一般採用枠よりも採用数がかなり少ないため、競争倍率はものすごく高くなります。
令和5年度の社会人枠の採用倍率の一例です。
- 仙台市(社会人経験者 事務):13.2倍
- 北九州市(行政Ⅱ) :14.3倍
- 熊本市(社会人経験者 事務):12.6倍
これはほんの一例、中には60倍を超えるところや、逆に10倍を切るところもあります。
社会人経験枠だと倍率は高くなる傾向ですが、既卒で受験する人の選択肢の一つになります。
5.既卒が受かるには通学?通信?独学?
どうやって試験勉強に取り組むか、これは多くの人が迷うところですね。
公務員試験の勉強方法は主に以下の3つに分けられます。
- 公務員予備校に通って講義を受講する通学講座
- Web動画や送られてくる教材で学ぶ通信講座
- 自分で参考書を選んで勉強する独学
♦お金と時間に余裕があれば通学
お金と時間があれば、公務員予備校や資格スクールの通学講座をオススメします。
通学して講座を受講すれば、講師に分からない問題を直接質問できますし、学校から試験情報の提供もあります。
公務員試験では、情報があるだけで他の受験生に差をつけることが可能です。
また、筆記試験のみならず面接や集団討論の対策をしてくれる学校も多いため、最終合格の可能性も高まります。
さらに、通学すると周囲にはたくさんのライバルがいることから、モチベーションアップに繋がりますし、高い受講料を払っているので、怠けることは少なくなります。
受講料は、公務員1年目の給料ですぐ返せるので、将来への投資をケチるのはもったいないです。
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⇒【予備校通っても公務員試験に落ちる人の特徴】主体的な独学者が強い
♦通信と独学でも合格可能
ただ、通信講座や独学では決して受からないわけではありません。
どちらも十分受かります。
お金が厳しい方や、社会人で通学が難しい方は独学か通信で戦いましょう。
私自身も、政令指定都市の事務職を受けたときは独学でした。
独学の場合は、通学講座や通信講座以上に試験情報の収集を主体的に取り組んでください。
♦各公務員予備校を徹底比較!
【クレアール、アガルート、スタディング、EYE、伊藤塾、大原、大栄、LEC、ヒューマンアカデミー、フォーサイト、ユーキャン、SMART合格講座、東京アカデミー、TAC、東大公務員試験予備校、喜治塾、実務教育出版、公務員のライト】
公務員を目指す場合どの予備校を選べばいいか迷いますよね。
以下の記事では、複数の予備校の料金や特徴を分かりやすく比較しているので、予備校選びの参考にしてください。