今回は43の県庁及び、東京都庁・北海道庁・大阪府庁・京都府庁の行政職員の初任給を1位から47位までランキングにして紹介していきます。
また、入庁して1年目と2年目の年収についても、都道府県庁ごとにまとめています。
全体の平均年収についてはよく見かけますが、若手の年収についてはあまり目にすることがないですよね。
この記事を見ると入庁後1年目・2年目の給料のイメージができると思うので、ぜひ参考にしてください。
また、ここで紹介する初任給は令和5年度の各自治体の受験案内に記載されている金額をまとめたものです。
初任給は毎年見直されますので参考程度に見てください。
【この記事を書いた人】
・政令市の消防士と行政職、町役場を経験
・公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
・YouTube ⇒ ハチサン公務員
★目次
- 地方別の初任給
- 平均データ
- 地方別の平均初任給
- 学歴別の平均初任給
- 生活のイメージ
- 一人暮らしはできる?
- 手取りについて
- 地域手当とは?
- 大卒初任給ランキング
- 大卒1年目と2年目の年収
- 1年目の年収
- 2年目の年収
- まとめ
1.地方別の初任給
まずは、各都道府県庁の初任給を地方別に紹介します。
大学卒区分と高校卒区分の行政職(事務職)の初任給額を記載しています。
もちろん短大や専門卒で高卒区分に採用されたり、大学院卒で大卒区分に採用されたり、職務経験があったりすれば学歴加算や職歴加算がつきます。
記載しているのは基本的に地域手当を含んだ額です。
♦①北海道・東北地方の初任給
宮城県庁の初任給が圧倒的に高い。
♦②関東地方の初任給
東京都庁は高卒でも18万円台。
♦③中部地方の初任給
愛知県庁と静岡県庁の2トップ。
♦④近畿地方の初任給
唯一すべての県庁・府庁の大卒初任給が20万円台。
♦⑤中国・四国地方の初任給
広島県庁だけ圧倒的に高い。
♦⑥九州・沖縄地方の初任給
過半数の大卒初任給が18万円台。
2.平均データ
♦地方別の平均初任給
■大卒程度
- 北海道・東北:191,308円
- 関東 :208,015円
- 中部 :197,456円
- 近畿 :207,310円
- 中国・四国 :193,652円
- 九州・沖縄 :189,363円
■高卒程度
- 北海道・東北:158,704円
- 関東 :171,937円
- 中部 :163,767円
- 近畿 :171,814円
- 中国・四国 :160,371円
- 九州・沖縄 :157,575円
最も初任給が高い地方は大卒程度、高卒程度ともに関東地方でした。
やはり東京に近い都道府県庁の初任給は高い傾向です。
一方、北海道・東北や九州・沖縄のように東京から離れている地域の初任給は低くなる傾向。
♦学歴別の平均初任給
学歴別にみる平均初任給は以下のとおりです。
- 大学卒:197,475円
- 高校卒:163,724円
大卒者と高卒者の初任給の差額は平均すると33,751円。
つまり初任給だけで年間約40万円の開きがあることになります。
ちなみに数年前の調査では大卒と高卒の初任給の差額が月35,051円だったので少し差が縮まりました。
3.生活のイメージ
♦一人暮らしはできる?
高校新卒者の1年目は初任給はだいたい16~17万円程度なので、これに各種手当が加わったとしても一人暮らしはなかなか大変。
高卒1年目で一人暮らしをして急な出費が重なるときついです。
そのため1年目の高卒者は実家暮らしか職員住宅で暮らしている人が多いです。
大卒区分になると、初任給は19~20万円程度になり、これに手当も加わるため1年目から贅沢しなければ普通に一人暮らしは可能。
ちなみに短大・専門卒の場合の初任給は18万円前後。
♦手取りについて
実際に貰える毎月の給料は、初任給(基本給)に各種手当(住居手当など)を含めた総支給額から、税金等を控除した金額です。
実際に手元に支給される金額のことを、一般的に手取りと呼びますが、人それぞれ控除される金額がバラバラなので、手取り額も人によって違います。
手取り額のざっくりとした金額は、総支給額の75~85%程度といわれています。
総支給額ごとの手取りの目安は以下のとおり。
- 総支給26万 手取り19.5~22.1万
- 総支給25万 手取り18.8~21.3万
- 総支給24万 手取り18.0~20.4万
- 総支給23万 手取り17.3~19.6万
- 総支給22万 手取り16.5~18.7万
- 総支給21万 手取り15.8~17.9万
- 総支給20万 手取り15.0~17.0万
- 総支給19万 手取り14.3~16.2万
- 総支給18万 手取り13.5~15.3万
- 総支給17万 手取り12.8~14.5万
都市部の都道府県庁の大卒区分であれば1年目から手取り20万円もらえる可能性もあります。
♦地域手当とは?
■物価を踏まえた手当
毎月支給される手当の中に地域手当というものがあります。
総務省「給与・定員等の調査結果等」の用語解説によると、地域手当とは以下のとおり。
“地域の民間賃金水準を公務員給与に適切に反映するため、平成18年度より、これまでの調整手当に代えて、物価等も踏まえつつ、主に民間賃金の高い地域に勤務する職員に支給される手当です。”
日々の生活にかかる費用は住む地域の物価によって異なりますよね。
民間の給料も都市部と田舎では違います。
■生活費の差を補う
たとえば、東京都と秋田県の平均的な給料や家賃などは全然違うはず。
生活コストがかかる都市部に、田舎と同じ給料で暮らすとことは難しいです。
そういった各地域の生活費の差を、補うために支給されるのが地域手当です。
例えば、本来の初任給が19万円の県庁で、地域手当が5%の場合、9,500円の地域手当が支給されます。
この場合、初任給19万円+地域手当9,500円で19万9,500円が支給されることになります。
■32の都道府県庁で地域手当を支給
令和4年4月1日時点において、32の都道府県庁で地域手当が支給されており、残りの15県庁は支給率0%です。
加算の割合については国の基準に基づいて、都道府県ごとに決定します。
中には国の基準より高い、もしくは低い割合で地域手当を支給している自治体もあります。
支給率が高い都道府県庁は以下の5つ。
- 東京都 :19.62%
- 神奈川県:12.00%
- 大阪府 :11.80%
- 千葉県 :9.20%
- 愛知県 :8.50%
地域手当を支給している自治体では5%が平均的な支給率です。
【関連記事】
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4.大卒初任給ランキング
初任給額1位から47位までの順位は以下のとおり。
- 東京都 :225,400円
- 神奈川県:214,000円
- 愛知県 :212,900円
- 大阪府 :212,700円
- 京都府 :212,400円
- 埼玉県 :210,800円
- 兵庫県 :210,000円
- 千葉県 :209,336円
- 広島県 :206,300円
- 滋賀県 :206,076円
- 奈良県 :205,310円
- 福岡県 :204,000円
- 三重県 :203,400円
- 茨城県 :203,202円
- 静岡県 :202,500円
- 宮城県 :201,162円
- 和歌山県:201,285円
- 長野県 :199,100円
- 栃木県 :198,409円
- 山梨県 :198,400円
- 岡山県 :196,900円
- 福島県 :196,100円
- 岐阜県 :195,300円
- 徳島県 :194,958円
- 群馬県 :194,955円
- 福井県 :194,400円
- 山口県 :192,800円
- 愛媛県 :192,677円
- 大分県 :192,000円
- 青森県 :191,700円
- 新潟県 :191,700円
- 富山県 :191,700円
- 鳥取県 :191,700円
- 香川県 :191,700円
- 熊本県 :191,700円
- 石川県 :191,100円
- 秋田県 :190,096円
- 高知県 :189,400円
- 山形県 :188,100円
- 岩手県 :186,800円
- 島根県 :186,437円
- 佐賀県 :185,900円
- 鹿児島県:185,700円
- 北海道 :185,200円
- 長崎県 :185,200円
- 宮崎県 :185,200円
- 沖縄県 :185,200円
大卒者の初任給1位はダントツで東京都庁でした。
上位はいずれも三大都市圏にある都道府県庁。
一方で、初任給が低い県庁は北海道および九州に多いことが分かります。
ただ、給料が高い地域ほど生活費も高くなるので、単純に初任給が低いからといって下位の県庁職員の生活レベルが低くなるわけではありません。
各地域の生活基準に応じた初任給が支給されています。
ちょうど真ん中の順位にあたるのは徳島県庁で、初任給は194,958円です。
5.大卒1年目と2年目の年収
ここでは初任給を基に、都道府県庁の大卒職員の1年目と2年目の年収を概算で算出しています。
♦ボーナスについて
公務員は毎年6月と12月の年2回に分けてボーナス(期末・勤勉手当)が支給されます。
年度や各自治体によってボーナスの支給率は異なりますが、令和5年度の国家公務員のボーナス支給率は以下のとおり。
- 夏季:基本給の2.16か月分
- 冬季:基本給の2.30か月分
つまり1年で、基本給の4.46か月分のボーナスが支給されたことに。
ここでの年収はこの4.46か月分のボーナス額を算定に含めます。
♦手当について
また、給料は基本給以外にも各種手当(時間外手当や住居手当など)が支給されます。
手当額は個人個人で全く違うため、今回は3パターンで年収を算出。
- 手当が支給されない場合の年収
- 手当が月に平均3万円支給される場合の年収
- 手当が月に平均6万円支給される場合の年収
地域手当とボーナスについては既に算定しているので、ここでの手当とは時間外手当や住居手当などです。
仕事が忙しく残業が多い部署で働いたり、1人暮らしで住居手当が支給されたりすれば、月にもらえる手当及び年収も高くなります。
一方で、残業なし・実家暮らし・実家が勤務先から近いなどの条件で働いている人は、その分出費が少ないので、当然支給される手当額も下がります。
♦1年目の年収
1年目の給料はかなり低くなります。
理由は以下の2つ。
- 4月から採用なので4~12月までの9か月分の収入になる
- 6月のボーナスが満額もらえない
1年目の場合は4月からの勤務になるので、夏季のボーナスは満額支給されません。
夏季のボーナスは満額の約3分の1程度です。
ボーナスは1年目の冬季分から満額支給されます。
上記2つの理由により、1年目の年収は250~350万円程度です。
■北海道・東北地方
■関東地方
■中部地方
■近畿地方
■中国・四国地方
■九州・沖縄地方
1年目の年収は民間・公務員関係なく低い傾向なので、特に心配する必要はありません。
民間企業の中にはボーナスを支給しないところもあるので、都道府県庁職員はボーナスがあるだけありがたいことです。
♦2年目の年収
2年目は1年目に比べると大幅に年収は増えます。
1年目と違い1月~12月まで12か月分の給料があり、ボーナスも夏季・冬季ともに満額で支給されます。
ここでは仮に、基本給が4千円アップした場合の2年目の年収を算出しています。
東京都庁の職員になると月に3万円程度の手当があれば、2年目で年収が400万円を超える可能性があります。
ただ多くの都道府県庁職員の場合、2年目の年収はまだ300万円台です。
逆に2年目以降はどんなに低くても300万円以下になることはありません。
■北海道・東北地方
■関東地方
■中部地方
■近畿地方
■中国・四国地方
■九州・沖縄地方
【関連記事】地方公務員にはどんな職種があるか知りたい方はこちら
⇒地方公務員にはどんな職種や種類がある?39の仕事を紹介
6.まとめ
都道府県庁職員の初任給や、1年目・2年目の年収などを紹介しました。
給料が低いと感じた人もいるかもしれません。
しかし、毎年ある程度給料は上がっていきますし、昇任しても給料は上がります。
公務員として普通に暮らしていけば、平均的な生活はできますので、そこまでお金の心配はいりません。
ただし公務員ですので、資産運用などをしなければ大金持ちにはなれません。
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