これまで公務員の採用試験では、筆記試験で教養試験を実施する官公庁がほとんどでした。
しかしここ数年、教養試験よりも気軽に受験ができる「SPI」を試験に導入する自治体が増加しています。
ただ、SPIの対策をどうすればいいか迷っている人も多いはず。
そこで今回はSPIに特化した対策講座がある公務員予備校・資格スクール(以下公務員予備校)をまとめたので紹介します。
- 【この記事を書いた人】
- 政令市の消防士、町役場の行政職員、政令市の行政職員を経験
- 公務員試験は独学・予備校利用の両方で合格した経験あり
- YouTube ⇒「3回公務員」
★目次
- 増えつつあるSPI対策コース
- 公務員予備校3社の比較
- 3社のSPI対策の詳細
- おわりに
1.増えつつあるSPI対策コース

♦増加もまだ多くはない
これまではSPIを受験する場合、無勉で受験するか参考書を購入して独学で受験するかの2パターンが主流。
しかし、SPIを導入する自治体が増加したことにより、これまで教養試験や専門試験の対策のみを行っていた公務員予備校も、SPIに対応した対策講座をリリースするようになってきました。
そのため無勉と独学の2つだけだった選択肢に、新たに公務員予備校を利用するという選択肢が加わりました。
予備校の講座で対策を取れば高得点が期待できるため、無勉や独学では不安な人、他者と差を付けたい人は、選択肢の一つとなり得ます。
とは言っても、まだまだSPIの対策コースがある公務員予備校は少ないです。
♦調査した公務員予備校
そこで今回は、どの公務員予備校にSPIの対策コースがあるのか10校を調べました。
- EYE公務員試験予備校
- ユーキャン
- クレアール
- LEC東京リーガルマインド
- SMART合格講座
- 資格スクール大栄
- アガルート
- スタディング
- 資格の大原
- 伊藤塾
ピックアップするのはSPIに特化したコースがある公務員予備校。
教養試験の対策コースの一部分としてSPIの対策が含まれているものは除きます。
SPIしか受けないのに教養試験の勉強をしても無駄なので。
そして、SPIに特化したコースが設置されているのは10校中以下の3校です。
- クレアール
- SMART合格講座
- 資格スクール大栄
それほど多くないですが順に紹介します。
2.公務員予備校3社の比較

3社の学習スタイルと料金について比較します。
講座の内容や料金などは日々変動するので参考程度に見てください。
♦通学 or 通信
講座は校舎に通学して学ぶ「通学講座」と自宅や図書館など好きな場所で学習できる「通信講座」があります。

3校とも通信講座はありますが、通学講座を設けているのは大栄のみです。
実際に通学して学びたいなら大栄の一択となります。
また、大栄は提携校を含めると全国に123の校舎があるため、地方の公務員志望者でも通学することが可能です。
クレアールは東京に校舎が1校ありますが、教室で講義は行っていません。
♦料金比較
各予備校、各コースの料金比較です。

公務員の教養試験講座の料金と比べると、SPI対策講座の料金の方が全体的に安い傾向です。
最も安いのはクレアールの「SPI対策講座」で約1.0万円ですが、SMART合格講座の対策講座はセール価格になっていることが多く、実質約8千円でSPI講座を受講することが可能です。
3.3社のSPI対策の詳細

♦①クレアール

- SPI対策講座:約1万円
- SPI対策バリューパック(大卒程度):約5.5万円
- SPI対策バリューパック(社会人経験者):約6.0万円
クレアールでは2022年に新しくSPI対策講座を開講しました。
基本は全24回、約1万円の「SPI対策講座」。
テキスト教材とWeb解説動画でを使って学習を進めていきます。
各講義の受講時間は60~90分程度。
受講内容の例は以下のとおり。
- 非言語1
- 1回:割合
- 3回:金銭のやり取り
- 8回:場合の数
- 10回:確率
- 非言語2
- 11回:集合と要素数
- 13回:関数とグラフ
- 17回:数量的推論
- 20回:長文読み取り計算
- 言語
- 21回:文法的な問題
- 24回:長文読解
各回、ロン毛の林信廣講師が解説をしてくれます。
画面に大きく映し出された問題に、タッチペンで書き込みを加えながら解説をしてくれるので分かりやすい。
そして、「SPI対策バリューパック」はこれに加え以下の内容を学習することができます。
- バリューパック(大卒程度)
- 数学の基礎:10回
- 小論文:4回
- 面接対策:16回
- バリューパック(社会人経験者)
- 数学の基礎:10回
- 小論文:4回
- 経験者論文:2回
- 経験者面接:2回
いずれの講座も5回まで問題の解き方について質問が可能です。
【講座の詳細 / 資料請求】
⇒ クレアールの公式ホームページ
♦②SMART合格講座

- SPI対策講座:約1.3万円(セール時約8千円)
SMART合格講座のSPI対策講座は1単元約5~15分の動画を視聴しながら学習を進めていきます。
収録されている動画は合計約10時間で3年間視聴が可能。
視聴はパソコンからでもスマホからでもできます。
学習項目の例は以下のとおり。
- 非言語分野
- 6章:料金の割引
- 12章:場合の数②
- 18章:推論②(勝敗)
- 24章:図表などの読み取り
- 30章:旅人算
- 36章:文章題・平均算
- 言語分野
- 1章:熟語の成り立ち
- 2章:同義語・反義語
- 3章:敬語
- 6章:文章整序
大きな画面に差し棒を使って解説をするスタイル。
講師の方の声は聞き取りやすかったです。
動画を視聴する際は、画面の下部にテキストも表示されるので映像とテキストの両方で学習することができます。
ほかには以下のような機能が備わっています。
- 学習済みの単元にチェックマーク
- 学習時間の記録
- 分からない単元は復習チェックで管理
- 動画視聴スピード変更可能
- 音声ダウンロードでオフライン学習
- メモ機能
結構いろんな機能が備わってますね。
【講座の詳細 / 申し込み】
⇒ SMART合格講座 公式ホームページ
♦③資格スクール大栄

- SPI3対策講座:約3.8万円
- 共通SPI総合対策コース:約15.0万円
2つのコースは共に1講義が約90分。
SPI対策講座は受講回数が14回、共通SPI総合対策コースは31回となっています。
また、共通SPI総合対策コースの方は面接対策なども含まれているため、約15万円と高額です。
現在募集を停止している可能性があるので、気になる方は確認が必要。
唯一、通学と通信の講座がある予備校ですが、生講義なのかオンデマンド講義なのか不明なので合わせて確認してみるといいかも。
【講座の詳細 / 資料請求】
⇒ 大栄の公式ホームページ
【関連記事】まだどんな公務員になりたいか決まっていない方はこちら
⇒【公務員なろうかな】おすすめ職種・職業を9個の動機別に紹介
4.おわりに

各予備校のSPI対策に特化したコースを紹介しました。
基礎学力に自信がない。
頭は良いけど解き方をすっかり忘れた。
そんな人は予備校の活用を考えてみましょう。
SPIだけを対策したいのであれば基本のコースを、その先の面接対策も学びたいのであればバリューパックや総合対策の方を検討してみてください。
♦各予備校公式ホームページ
クレアールと大栄は無料の資料請求が可能ですが、SMART合格講座は資料請求ができないので、そのまま申し込みになります。