公務員試験で時事対策の参考書と言えば『速攻の時事』

しかし、速攻の時事には『速攻の時事』と『速攻の時事 実戦トレーニング編』の2種類が販売されています。

そのため両方買うべきか、1冊で大丈夫なのか、どっちを買うべきか悩んでいる人は非常に多いはず。

結論から言うと『速攻の時事』1冊で大丈夫というのが私の見解ですが、詳しく解説します。

【この記事を書いた人】
政令市の消防士と行政職、町役場を経験
公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
YouTube ハチサン公務員

目次

  1. 速攻の時事とトレーニング編の違い
  2. 出版社の見解
  3. 速攻の時事だけで大丈夫な理由
  4. 私自身、単体と併用の両方を経験
  5. 紹介
  6. おわりに

1.速攻の時事とトレーニング編の違い

まず前提に、公務員試験の時事対策本選びで迷っている人は、基本的に『速攻の時事』を購入しておけば間違いないです。

20年以上も前から毎年出版され続けており、累計発行部数は180万部を超える時事参考書のボス的存在です。

多くの受験生が時事対策に活用しており、内容ももちろん優れている良本。

それ踏まえ、速攻の時事とトレーニング編の中身の違いについて説明します。

速攻の時事 

インプットがメイン

『速攻の時事』はインプット中心で、主に参考書的な役割です。

約12前後の章×10前後のテーマで、合計約120のテーマに区切られています。

ページ数は約170ページ。

それぞれに、出題可能性及び、どこが問われやすいのかが載っており、各テーマは1~2ページ程度でまとめられています。

おそらくこれ以上情報を詰め込み過ぎると、重要な部分がどこなのかはっきりしなくなるので、情報量は適度だと思います。

アウトプットは少なめ

また、速攻の時事はアウトプットできる量は限られていますが、ゼロではありません。

各章末に「出る文穴埋めチェック」が用意されており、章ごとに10問ずつ穴埋めで知識の再確認をすることができます。

ただ実際の問題のように五肢択一の問題などはありません。

あくまでインプットメインです。

割合でいうとインプット9割アウトプット1割のような感じ。

トレーニング編 

トレーニング編は、アウトプットも多くできる参考書兼問題集的な役割です。

全体のページ数は約140ページ。

速攻の時事と同じく12章に分かれており、章はすべて速攻の時事に対応していて同じです。

予想問題を収録

トレーニング編が速攻の時事と大きく異なる点は、各章に予想問題が4~7問程度収録されていること。

これによりアウトプットすることが可能になっています。

科目の性質上、載っている問題は過去問ではなく予想問題です。

時事問題なんで過去問を解いても意味ないですよね。

インプットの量は減る

予想問題でページを割いているため、インプット的なページは速攻の時事に比べ少ないです。

例えば速攻の時事では、日本政治という章は14ページ使い解説されていますが、トレーニング編では8ページにまとめられています。

インプットの中身としては、過去問研究というページが1ページあり、各章の出題傾向が示されています(実際の出題数の表示ではない)。

そして、残りは「暗記お助け」というページ。

単語帳のようなページで、各章に関する用語について解説されています。

全体の割合でいうと、トレーニング編はインプットページ6割アウトプットページ4割といった感じ。

2.出版社の見解

何と書かれている? 

出版社はどういう狙いで速攻の時事とトレーニング編の2冊を出版しているのか。

速攻の時事を見てみると、このように書いてあります。

“この『公務員試験 速攻の時事』の知識確認のために、『公務員試験 速攻の時事 実戦トレーニング編』も出版されている。本署と併せて利用し、知識の定着と実戦力アップを図ってほしい”

そして、トレーニング編にもこう書いてあります。

“内容も『速攻の時事』を持っていることを前提に書かれている。2冊を並行して利用し、時事に関する知識の定着を図ってほしい”

つまり、速攻の時事で学んだ知識をトレーニング編を使って定着させる、という構造になっています。

1冊だけなら速攻の時事 

このようにトレーニング編は、速攻の時事を購入していることを前提に作られている本です。

トレーニング編のみでは、情報量は若干少なくなります。

そのため買うなら以下のようにいずれかのパターンがおすすめ。

  • 速攻の時事のみ
  • 速攻の時事+トレーニング編

トレーニング編を単体で使用するという選択肢はないと言えます。

【関連記事】
⇒「過去問500シリーズ」地方上級と市役所上級の違いを解説!

3.速攻の時事だけで大丈夫な理由

内容が重複している 

では2冊まとめて買う必要があるのかと聞かれると、私は必ずしも買う必要はないという判断です。

速攻の時事とトレーニング編の内容は連動しています。

速攻の時事で細かく解説されたところを、トレーニング編の「暗記お助け」で切り抜き、予想問題を付け加えた感じ。

内容はほぼ同じため、トレーニング編を併用すると新しい知識を習得できるという訳ではありません。

速攻の時事で学んだ知識をより強固にするイメージ。

ゆえにコスパはイマイチかも 

時間と労力

もちろん、1冊を使って勉強するよりも、2冊どっちも使って学習した方が知識は定着するため、得点する可能性は高まると思います。

ただ、公務員試験は時事問題だけでなく、ほかの科目も大量に勉強しなければいけませんよね。

2冊勉強して得られる学習効果とそれに充てる時間のバランス。

これを考えると速攻の時事2冊使いは、コスパが悪い印象です。

そのほかの選択肢

それよりも、速攻の時事のみを読み込む、もしくはほかの科目の勉強に時間を充てるといった選択をした方がいいかもしれません。

また、速攻の時事も読み込み、さらに時事問題の得点力を上げたい場合は、ほかの時事系の参考書を買うという選択肢も。

速攻の時事と内容が重なる部分は知識の定着に、重ならない部分は新たな知識の習得に繋がるので、より守備範囲は広くなります。

多くの受験生が1冊使い 

前提として、速攻の時事とトレーニング編がそれぞれ何部ずつ売れているのか正確に把握していないので、体感での話です。

私のこれまでの経験から言うと、2冊使いの人よりも、速攻の時事1冊で学習している受験者の方が多いと感じます。

これをどう捉えるかは人それぞれですが、多くの人が1冊で勉強している所を、あえて2冊で勉強する必要はないかなと。

「周りが1冊だけで勉強しているなら、自分は2冊分勉強して差を付けてやる!」

という考え方もできますが、1冊使いの人は2冊勉強しない分、ほかの勉強に時間を充てているので。

4.私自身、単体と併用の両方を経験

私は、これまでに消防士、町役場の行政職員、政令指定都市の行政職員として働いた経験があります。

つまり3つの時期で公務員試験を経験しました。

3つの試験のみを受けたのではなく、3つの時期に様々な試験を受けています。

2回目以降は使わなかった 

その3回とも、私は時事対策で速攻の時事を使用。

そして、その中で1回だけトレーニング編を併用して学習した経験があります。

それは初めて公務員試験に挑んだ1回目の時です。

必要がないと判断

その時は併用して試験に合格しましたが、2回目以降はトレーニング編は使わずに、速攻の時事単体で学習しました。

なぜなら1回目で勉強した時に、トレーニング編は必ずしも必要ではないなと思ったからです。

やはり、時事以外にも勉強しなければいけない科目はたくさんあるので、その中で、時事の勉強に2冊分時間を費やすのはコスパが悪いと判断。

その分の勉強時間を他の科目に充てました。

モチベーションが上がらない

しかも、同じような内容なので勉強のモチベーションも上がりづらいというのもありました。

これ結構大きいです。

トレーニング編はなかなかやる気が出ません。

そのため、2回目3回目は速攻の時事1冊で学習を進めたわけですが、それでも内定を貰うことはできました。

【関連記事】
⇒『速攻の時事』の評価は?買うタイミングについても解説します

5.紹介

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費用をかけずに合格できたらコスパは最高ですね。

パンフレットは2023年度版なので参考程度に。

6.おわりに

速攻の時事と速攻の時事のトレーニング編の必要性について説明しました。

私の私見ですが、出版社自身、「必ずしもトレーニング編での学習は必要ではない」と考えている気がします。

なぜなら、わざわざ2冊に分けているから。

本当に必要であれば、より大事な部分を抽出して1冊にまとめればいいと思うので。

ただ、出版会社もボランティア団体ではないので、2冊で出した方が利益が上がるのかな。