石川県庁の職員を目指している方へ。
石川県庁の公務員採用試験では、例年集団討論(グループディスカッション) が実施されています。
この記事では、石川県庁の試験を受ける方のために、集団討論で実際に出題された課題を紹介しています。
また、簡単な考察もしていますので、試験対策として活用してください。
【この記事を書いた人】
・政令市の消防士と行政職、町役場を経験
・公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
・YouTube ⇒ ハチサン公務員
★目次
- 石川県庁の集団討論について
- 令和3年度の例題(4題)
- 令和元年度の例題(3題)
- まとめ
1.石川県庁の集団討論について
♦実施区分と時期
石川県庁の集団討論は、大卒程度の行政職区分の試験で実施されています。
他の採用区分では実施されていません。
そして、実施されるのは1次試験合格者を対象とした2次試験です。
令和5年度は7月下旬から8月上旬にかけて実施されました。
そして、最終合格者は1次試験と2次試験の総合得点で決定します。
♦集団討論の配点
集団討論の配点は400点となっており、個別面接の800点と比べてしまうと、低いと感じる人もいるかもしれません。
しかし、1,500点満点中400点という配点は、実は、他の県庁採用試験と比べると高めの配点です。
- 1次試験:300点
- 教養試験:100点
- 専門試験:120点
- 論文試験:80点
- 適性検査:ー
- 2次試験:1200点
- 個別面接:800点
- 集団討論:400点
- 合計:1,500点
教養試験の点数の4倍の価値があります。
よって石川県では集団討論が重要視されていると言えます。
2.令和3年度の例題(4題)
令和3年度の集団討論で出題された課題4つと考察です。
♦課題1
人口の社会減対策について
■課題1の考察
人口の減少は、自然減と社会減の2つに分けることができます。
自然減とは、死亡数と出生数の差によって生じた人口減少数のことで、社会減とは、引っ越しなどによる転出者と転入者の差によって生じた減少数のことです。
つまりこの課題では、転出者を減らし転入者を増やす対策を考えなければいけません。
この意味を知らずに、自然減の対策について討論したらアウトです。
ちなみに、石川県庁の「住民基本台帳人口のデータ」によると、石川県も毎年人口は減少しており、減少幅も令和5年度を除き漸増しています。
◎石川県の人口
- R5.4:111万1,483人(6,922人減)
- R4.4:111万8,405人(10,229人減)
- R3.4:112万8,634人(7,320人減)
- R2.4:113万5,954人(6,228人減)
- R1.4:114万2,182人(4,807人減)
- H30.4:114万6,989人(4,212人減)
- H29.4:115万1,201人
ただ、石川県の2022年の人口減少率は、全都道府県のうち29番目で、他の県と比べると緩やかな減少です。
「石川県で暮らしたい」と思われるような対策が必要です。
♦課題2
男性の子育てへの参加促進について
■課題2の考察
総務省の「育児休業の取得率の状況」によると令和元年度の石川県庁の育児休業取得率は6.9%でこれは11番目に高い数字となっています。
- 1 位:鳥取県庁(26.1%)
- 2 位:岐阜県庁(13.0%)
- 11位:石川県庁(6.9%)
- 46位:福井県庁(1.7%)
- 47位:愛媛県庁(1.5%)
ちなみに政令指定都市である、千葉市の男性の育児休業取得率は92.3%で、かなり高いです。
また、内閣府の「男性の家事・育児参加時間」によると、日本人男性の1日当たりの育児時間の平均は39分で、7か国中最下位です。
- ノルウェー :73分
- スウェーデン:67分
- イギリス :60分
- ドイツ :59分
- アメリカ :48分
- フランス :40分
- 日本 :39分
日本人は労働時間が長く、育休の取得率も低いということも、育児参加時間が低いことに影響しているかもしれません。
そして、石川県の取り組みを1つ紹介します。
石川県では「石川県パパ子育て応援企業認定制度」を実施しています。
これは、石川県内にある企業のうち、石川県の設定している、育児支援の基準をクリアしている企業について、子育て応援企業として認定する制度です。
企業のイメージアップや離職率の防止に繋がり、男性の子育てを支援する企業を、増やす目的の制度だと言えます。
♦課題3
文化の継承・発展と新たな文化の創造に向けた取組について
■課題3の考察
石川県の伝統的な文化と言えば、着物の加賀友禅や輪島塗、九谷焼、能登半島の能登キリコ祭り・あばれ祭りなどが挙げられますね。
文化をうまく継承していくには、次の世代が文化に触れる機会を増やすこと、そして、若者に向けたPRが重要ではないでしょうか。
義務教育の段階で、学校の授業を通して、石川文化の魅力をきちんと伝えていく必要があります。
ただ、堅苦しい紹介だけでは、魅力は十分に伝わらないかもしれません。
今はSNSやYouTubeなど、若者をターゲットにしたPR方法もたくさんあるので、伝える手段も時代に合わせて、柔軟に対応していくべきです。
石川の文化に興味を持つ若者が増えれば、若者の発想力で自ずと、継承だけでなく発展もしていくでしょう。
新しい文化については、日本全体で見れば、漫画やアニメ、ゲームやコスプレなどのポップカルチャーが浸透してきました。
新しい文化を創造するには、全く新しいことを石川で始めるのか、それとも既存のモノを石川県で浸透させ、石川の文化とするのか2つのパターンが考えられますね。
♦課題4
高齢者が安心して暮らせる社会づくりについて
■課題4の考察
参考までに、内閣府の「高齢社会白書」によると石川県の令和4年の高齢化率は30.3%で、全国では16番目に低い数値でした。
- 1位:沖縄県(22.2%)
- 2位:東京都(23.1%)
- 16位:石川県(29.6%)
- 46位:高知県(35.2%)
- 47位:秋田県(37.2%)
高齢者が安心して暮らせる社会とは、幅が広い課題ですね。
犯罪に巻き込まれない、災害から守られる、交通事故に遭わない、金銭的に困らない、働くことができる、いつまでも健康でいられる、買い物など移動が容易、医療・介護を十分に受けることができる、などいろんな視点で考えることができます。
たとえば、日々多くの高齢者が健康的な体で生活することができれば、それは安心して暮らせる社会につながります。
健康的な体を維持することができれば、医療費は安く済みますし、働くことができるので、不健康な人よりも金銭的な余裕は確実に生まれますよね。
医療費の減少、所得の増加は自治体にも好影響を及ぼします。
健康のために、高齢者が日常的に運動を行うよう、自治体の働きかけが必要です。
たとえば、仮にですが軽スポーツであるグラウンドゴルフの大会等を、定期的に開催したり、高齢者向けのスポーツテストを実施したりするとどうでしょうか。
娯楽として、また成績や記録の向上を目標に、高齢者の運動意欲が高まるかもしれません。
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3.令和元年度の例題(3題)
令和元年度の課題3つです。
①競争力のある産業づくりについて
②介護・福祉サービスの安定的な提供について
③人の交流が盛んな地域づくりについて
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4.まとめ
石川県庁の集団討論は、配点が高いのでしっかり対策を取っておきましょう。
できれば集団討論の前に、誰かと事前練習をやっておいた方がいいです。
ぶっつけ本番はなかなか実力が発揮できません。
面接ばかりに気を取られて、集団討論を疎かにしないように。
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