公務員試験、特に専門試験も実施されるところでは、勉強する科目が多すぎて吐き気がしますよね。

そんな膨大な科目の中から、今回は政治学についてまとめています。

政治学の難易度や各試験での出題数、勉強方法などを解説していきます。

【この記事を書いた人】
政令市の消防士と行政職、町役場を経験
公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
YouTube ハチサン公務員

目次

  1. 政治学はこんな科目
    ・教養科目の政治とは違う
    ・難易度
    ・実際の問題
  2. 出題数と重要度
    ・試験別の出題数一覧 
    ・重要度は低いが親和性が高い 
  3. 勉強法と頻出分野
    ・ぼんやりと覚えない
    ・頻出分野
  4. まとめ

1.政治学はこんな科目

教養科目の政治とは違う

教養試験の政治は広く浅い

公務員試験の政治学は専門試験で出題されます。

教養試験で出題される「政治」と似ていますが、内容は少し違います。

教養試験の「政治」で出される問題は広く浅いです。

憲法や選挙制度、国際関係などまさに広く政治に関係があることが出題されます。

政治学はより深い

一方、専門科目の政治学は、政治「学」なので、学問的な考察も含み、より深いです。

選挙制度については、日本、アメリカなどに限らず、イタリアが出題される場合もありますし、政治思想や学説、それを唱えた学者の名前なども問われます。

ただ、両方とも政治について問われる科目なので、教養試験の「政治」で出題される問題と同じような問題が「政治学」で出題されることもあります。

「政治」は学生時代に勉強したことがある人も多いため、政治学はほかの専門科目と比べると割と学習しやすい科目です。

難易度

政治学は他の専門科目と比べると難易度は低いです。

マクロ経済学やミクロ経済学のような計算問題はほとんどありません。

まれに、議員議席の配分方法(サンラゲ方式・ドント方式)で簡単な計算があるくらい。

また、民法や刑法のような難解な法解釈も少ないです。

深く悩むような問題は少なく典型的な暗記科目です。

暗記さえすれば点数は取れます。

【関連記事】
⇒公務員試験【専門科目の難易度】21科目の難易度を格付け比較

実際の問題

参考に、東京特別区の専門試験で、実際に出題された問題を紹介し。

この例題の内容はよく問われます。

ちなみに、これは割とやさしめな問題。

【問題】政治権力に関する記述として、妥当なのはどれか。

  1. アレントは、アメリカの権力的地位にある者の構成とその変化を分析し、第二次世界大戦後、軍幹部、大企業経営者、政治幹部の三者に権力が集中する傾向が進み、三者が結びつきを強め、パワー・エリートを形成しているとした。
  2. メリアムは、権力を、それを行使する者と行使される者との間の関係おいてとらえ、「さもなければBがしなかったような事柄をBに行わせる場合、その度合いに応じてAはBに対して権力をもつ」と定義した。
  3. ダールは、権力は自由を可能ならしめる公的空間を支え、自由を抑圧する暴力とは対極に立つものであり、「銃口から生まれるのは暴力であり、決して権力ではない」と主張した。
  4. ミルズは、人間は社会における種々の価値を所有もしくは追及しており、ある人間が他の人間のもつ価値に対して、これを剥奪する能力を有するとき、そこに権力関係が成立するとした。
  5. パーソンズは、権力が他者を支配し、権力者の自己利益の実現にだけ使われるものではなく、権力には社会的利益に奉仕する側面もあることを強調し、政治権力を「目標達成のために社会的資源を動員する能力」と定義した。

正解⑤

2.出題数と重要度

試験別の出題数一覧

各公務員試験での出題数と重要度をまとめています。

試験種類 出題数 重要度
地方上級(全国型) 2問 / 40問 ※1 C+
地方上級(関東型) 2問 / 40問 ※2 C
地方上級(中部・北陸型) 2問 / 40問 ※3 C
特別区 5問 / 40問 ※4 B
市役所(A日程) 2問 / 40問 C+
市役所(B・C日程)必須Type 2問 / 40問 C+
市役所(B・C日程)選択Type 2,3問 / 30問 ※5 C+
国家総合職(政治国際区分) 10問 / 40問 ※6 A
国家一般職 5問 / 40問 ※7 B
財務専門官 3問 / 40問 ※8 C+
国税専門官 3問 / 40問 ※9 C+
国家総合職(法律区分) 出題なし
国家総合職(経済区分) 出題なし
法務省専門職 出題なし
労働基準監督官A 出題なし
食品衛生監視員 専門択一なし
皇宮護衛官 専門択一なし
航空管制官 専門択一なし
東京都 専門択一なし

※1:選択方式の自治体もあり
※2:全50問から40問を選択して解答
※3:全50もしくは60問から40問を選択して解答
※4:全55問から40問を選択して解答
※5:全50問から6科目30問を選択して解答。政治学と行政学が合わせて1科目扱い。政治学からは2,3問程度出題されている。自治体によって多少異なる
※6:全55問から40問を選択して解答。政治学10問は必須
※7:全80問から8科目40問を選択して解答
※8:全76問のうち28問が必須、2科目12問を選択して解答。政治学・社会学・が合わせて1科目(6問)扱い。政治学は3問出題
※9:全70問のうち16問が必須、4科目24問を選択して解答。政治学・社会学・社会事情が合わせて1科目(6問)扱い。政治学は3問出題。

重要度は低いが親和性が高い

政治学は、国家総合職(政治・国際区分)を除いて、出題数がそこまで多くないため、それほど重要な科目ではありません。

だいたい出題されるのは2問程度ですし、5問出題される試験の場合でも、選択制なので必ず解く必要はないです。

そのため、時間に余裕がない人は捨てるという選択肢も可能です。

ただ、政治学は教養科目の「政治」以外にも、内容の重なる科目が多いため、政治学を学習することで他の教科のレベルアップにも繋がります。

たとえば、政治学で出てくるバンドワゴン効果やウェーバーの支配の分類は「経営学」、議会の制度などについては「憲法」、ミヘルスの寡頭制の鉄則や、イーストンの政治システムは「行政学」、マスコミの皮下注射モデルは「社会学」など複数の科目と重複しています。

また、政治学自体の難易度もそれほど高くないため、ほかの科目と併せて捨てずに学習するのもあり。

3.勉強法と頻出分野

ぼんやりと覚えない

勉強方法は、過去問を繰り返し解いていくことです。

1冊か2冊程度の過去問題集を反復して、知識を定着させます。

いろんな学者が、政治について自分の主張を述べているので、誰がどういう主張をしているのか、しっかり覚える必要があります。

公務員試験レベルの政治学では、主張の中身まで、完璧に理解する必要はありません。

政治学を理解するのが目的ではなく、ただ公務員試験に合格すればいいので、誰がどういう主張をしているかさえ覚えれば大丈夫です。

実際の問題では、学者の名前と主張を別の学者の名前と主張に入れ替えて出題したりします。

ぼんやりと覚えてしまうと、そこでやられます。

問題自体それほど難しくないので、解説のみの教科書などは特に必要ありません。

問題集

オススメは『新スーパー過去問ゼミ政治学』を使った学習です。

新スーパー過去問ゼミ 政治学

⇒『新スーパー過去問ゼミ 政治学』実務教育出版

各試験ごとに、頻出テーマを紹介しているので、効率よく学習することが可能です。

テーマごとに重要ポイントが2,3ページで解説されており、それぞれのテーマに5~10問程度の過去問が掲載されています。

合計すると約180問程度の過去問が掲載されており、1冊でかなりの知識を得られます。

最初は問題が全然解けないと思いますが、分からなければすぐに解説を見て大丈夫です。

解説を見ながら問題を繰り返し解いていくと、知識が定着していきます。

『専門試験 過去問500』

さらに知識の上乗せをしたい場合は、『過去問500』をオススメします。

⇒ 専門試験 過去問500 各シリーズ

専門科目の過去問が、全科目まとめて掲載されている分厚い問題集です。

地方上級、国家一般職など、各試験ごとのシリーズがあります。

  • 地方上級 ⇒ 「地方上級 専門試験」過去問500
  • 東京都・特別区 ⇒「東京都・特別区[1類] 教養・専門試験」 過去問500
  • 市役所上・中級 ⇒「市役所上・中級 教養・専門試験」過去問500
  • 国家総合職 ⇒「国家総合職 専門試験」過去問500
  • 国家一般職 ⇒「国家一般職[大卒] 専門試験」過去問500
  • 国家専門職 ⇒「国家専門職[大卒] 教養・専門試験」過去問500

1ページ(もしくは2ページ)に1問の問題&解説のみが記載されており、シンプルで使いやすい作りです。

全科目の知識の底上げができるので汎用性が高く、公務員試験の受験生にはお馴染みの1冊です。

頻出分野

新スーパー過去問ゼミなどを参考に、いくつかの試験の頻出分野をまとめています。

各試験によって頻出される分野は違います。

◎:よく出題される、〇:出題される、△:たまに出題される、×:ほとんどでない

国総=国家総合職
国般=国家一般職
国税=国税専門官
地全=地方上級(全国型)
特別=特別区
市C=市役所C日程

出題分野 国総 国般 国税 地上 特別 市C
政治学の基礎
政治の制度
政治の動態 ×
政治の意識/行動 × ×
政治の思想
政治の倫理
政治の歴史 × ×

参考に各分野の内容を簡単に紹介します。

  • 政治学の基礎
    • 政治の権力や民主主義が生まれてきた経緯など
    • ひとこと:エリートが世の中を動かしています
  • 政治の制度
    • 選挙や議会の制度について
    • ひとこと:国家一般職ではよく出ます
  • 政治の動態
    • 現実的な政治について、たとえばマスコミや圧力団体など
    • ひとこと:マスコミの影響力は大きいです
  • 政治の意識/行動
    • 政治への興味関心や、選挙の投票行動について
    • ひとこと:共和党支持者と民主党支持者は属性が違いますね
  • 政治の思想
    • ロックの市民政府二論、ベンサムの功利主義など政治への思想
    • ひとこと:古くはプラトンから、20世紀の思想まで
  • 政治の倫理
    • 政治的多元論や政治システム論など政治に関する理論
    • ひとこと:国家総合職と特別区では最頻出分野です
  • 政治の歴史
    • 日本及び、欧米の政治史について
    • ひとこと:マイナー分野でそれほど多くは出題されません

勉強時間が限られている人は、志望先の頻出分野を優先して解きましょう。

もしくは、ほとんど出題されない分野は、思い切って勉強しないというやり方もありです。

ただ、なんとなく全部勉強するのではなく、工夫して学習していきましょう。

【関連記事】
⇒【予備校通っても公務員試験に落ちる人の特徴】主体的な独学者が強い

4.まとめ

専門科目の政治学について説明しました。

全体的に出題数は多くないですが、学習しやすく親和性が高いため、勉強して損はありません。

政治学を勉強すると政治について考える機会が増え、個人的には好きな科目でした。

みなさん、試験勉強頑張ってください。

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