新潟県庁の公務員試験では、集団討論(グループディスカッション)が実施されます。

この記事では、実際に新潟県庁の集団討論で出題された、過去のテーマを紹介します。

令和2~4年度は、新型コロナウイルスの影響で集団討論が中止されたので、紹介するのは令和元年から平成28年度までの4年分です。

【この記事を書いた人】
政令市の消防士と行政職、町役場を経験
公務員試験は独学・予備校の両方を経験
YouTube ハチサン公務員

目次

  1. 試験の概要
  2. 令和元年度の課題(12題)
  3. 平成30年度の課題(11題)
  4. 平成29年度の課題(11題)
  5. 平成28年度の課題(12題)
  6. 面接対策
  7. まとめ

1.試験の概要

新潟県庁の集団討論は、大卒区分試験の第2次試験で実施されます。

最終合格者は2次試験の結果に基づき決定するため、1次試験の結果は反映されません。

配点(令和5年度)

  • 1次試験:200点
    • 教養試験:100点
    • 専門試験:100点
  • 2次試験:150点
    • 面接試験:130点
      • 集団討論
      • 個別面接
    • 論文試験:20点

面接試験130点のうち、集団討論の配点が何点かは不明です。

2.令和元年度の課題(12題)

一般行政・一般行政(病院)

課題

子育てしやすい環境づくりについて

◎メモ

逆に子育てしにくい環境とは?

例えばこんな感じです。

  • 育児のために休みがとりにくい会社
  • 自宅や職場の近所に保育園や幼稚園、託児所がない
  • 学費や医療費など子育てにお金がかかりすぎる
  • 勤め先の給料が低い
  • 子育ての悩みを気軽に相談できない
  • 子どもの面倒を見てくれる親・兄弟がいない
  • 犯罪など治安が悪い
  • 近所で交通事故が多い
  • 親の介護が大変
  • ママ友との付き合いが苦痛
  • 夫婦で家事分担が平等ではない
  • 子どもを連れて買い物しづらい
  • 小児科など病院が少ない

警察行政

課題

高齢ドライバーによる交通事故防止対策について

◎メモ

新潟県内の交通事故死者数のうち、約30%前後が高齢者の加害事故により亡くなっています。

【いきいきクラブチャレンジ1000】

新潟県の「いきいきクラブ・チャレンジ100」というおもしろい取り組みを1つ紹介します。

これは、新潟県内の65歳以上の方が、5人で1チームつくり、そのチームが100日間を無事故・無違反で過ごした場合、抽選でカタログギフト等の商品が貰えるというものです。

令和2年度は4,132チームが参加し、無事故・無違反達成率は99.4%と高い数字でした。

そのかいもあってか令和2年度は、高齢運転者による交通事故死者数が37%減少しています。

参加費500円という設定も絶妙ですね。

福祉行政

課題

福祉現場における働き方改革について

◎メモ

働き方改革とは、2019年4月に施行された働き方改革関連法に基づくもので、労働時間見直しによるワークライフバランスの実現、非正規雇用の処遇改善、生産性の向上などに取り組むものです。

福祉分野の仕事は、高齢者を抱きかかえるなど体力は必要ですし、排泄の処理や利用者からの暴言など、精神的にもきつい面があります。

また、24時間稼働している施設も多いため、長時間勤務も体への負担となります。

その割には低賃金のため、離職率は高く人材不足の業界です。

改善するには、たとえば以下のようなものが考えられます。

  • ロボットや機械の導入 ⇒ 体力面をサポート
  • 外国人登用 ⇒ 人材不足の緩和
  • 業務のIT化 ⇒ 業務の効率化で長時間労働の緩和
  • 過度なボランティア精神の是正 ⇒ サービス残業の解消

総合土木(一般方式 新方式)・交通工学

課題

安心・安全なまちづくりの推進について

◎メモ

安心・安全なまちとは、一般的に災害に強いまち・犯罪に強いまちと言われます。

【災害】

新潟県内で発生した主な災害です。

  • 2016年12月:糸魚川大規模火災
  • 2011年7月:新潟・福島豪雨
  • 2011年3月:長野県北部地震
  • 2007年7月:新潟中越沖地震

新潟県は地盤が弱いため、地滑りなど土砂災害が他の地域に比べ多い傾向です。

そのほか降雪が多い地域では、雪災害も発生します。

【犯罪】

新潟県警によると、令和2年の新潟県内の刑法犯認知件数は8,561件でした。

内訳は以下のとおりです(新潟県:新潟県内における刑法犯認知件数)。

  1. 窃盗犯:5,601件
  2. その他の刑法犯罪:1,479件
  3. 粗暴犯:789件
  4. 知能犯:540件
  5. 風俗犯:92件
  6. 凶悪犯:60件

圧倒的に窃盗犯(自転車盗、侵入盗、万引きなど)が多いことが分かります。

これらのことを踏まえ、災害と犯罪に強いまちにするため、ハード面・ソフト面から考えていきましょう。

林業

課題

Uターン就職促進に向けた取組について

◎メモ

Uターン就職することによるメリット・デメリットは以下のようなことが考えられます。

  • メリット
    ・地元に貢献ができる
    ・都会に比べ通勤がきつくない
    ・身近に親・友人がいる
    ・都会に比べ生活費が抑えられる
  • デメリット
    ・仕事の選択肢が少ない
    ・都会に比べ給料が低い
    ・生活の利便性が下がる
    ・引っ越し費用が掛かる

上記のようなことを念頭に、取り組みを考えてみましょう。

【新潟県が行っている取組】

県外の大学生等が、新潟県内で就職活動を行う際にかかる交通費や、宿泊費の半額を助成するという補助制度を設けています。

また、県外から県内に転職を希望する30歳未満の方で、条件に該当する人に対して、奨学金返済の支援を行っています。

そのほか、東京圏から新潟県へ移住した場合、単身だと最大60万円、2人以上世帯だと最大100万円を支給。

さらに、U・Iターンを検討している人に向けて「にいがた暮らし」というWebサイトで情報を発信しています。

農業

課題

「農」のある暮らしを求める都市からの移住について

◎メモ

各自治体では、移住者や新規就農者に対して、支援を行っているところが多いです。

新潟県も、新潟で新しく就農したい方に向けて、Webサイト「にいがた農業ナビ」にて情報を発信しています。

ただ、安易に会社で働くの嫌だから、田舎暮らしに憧れていたからという理由で、移住と新規就農すると理想と現実のギャップに苦労するかもしれません。

新潟県に移住してきた新規就農者が定住すれば、人口は増えるし農業も活性化するので嬉しいですが、支援した後に、数年で都会に戻ってしまったらお互い悲しいですよね。

そうならないためにも、移住や新規就農を検討している人には、魅力を伝えると同時に、大変さやデメリットなどについても積極的に情報提供をして行くべきだと思います。

水産

課題

海洋プラスチック問題への取組について

◎メモ

海洋プラスチック問題とは、海に捨てられたプラスチックごみや、川から流れついたプラスチックごみが海上に浮遊し、生態系へ様々な悪影響を及ぼしているものです。

海洋プラスチックには、ペットボトル、ビニール袋、ポリタンク、洗剤容器、漁具、バケツ、ハンガーなどいろんなものがあります。

海洋プラスチックが増えると、海洋生物が網に絡まったり誤飲して死んでしまう危険性が高まります。

また、漁獲量の減少で漁業に影響が出てしまいますし、海上や海岸の景観を損ねるため、観光業にも打撃を与えます。

海洋プラスチックごみを出さないように、資源の3R(リデュース、リユース、リサイクル)を心掛けたり、マイバックを持参することは個人でも簡単にできます。

企業も、お菓子などは個包装ではなく大袋で販売したり、テイクアウト用の再利用可能な器を販売するなど、新しいプラスチックごみを増やさない取り組みを考えていく必要があります。

環境

課題

資源を大切にする循環型社会の実現に向けた取組について

◎メモ

循環型社会の実現には3Rが欠かせません。

  • リデュース:減らす
  • リユース:再使用
  • リサイクル:再生利用

3Rを意識することで、資源の消費は減少します。

少し古いデータですが、新潟県内のごみの量は毎年少しずつ減少しています。

画像引用:新潟県

最近は購入するのではなく、レンタルやシェアリングを活用する人も増えてきています。

例えば、カーシェアリングや洋服のレンタルなどが有名ですね。

電気

課題

再生可能エネルギーの活用について

◎メモ

再生可能エネルギーは枯渇することがなく、二酸化炭素を排出しない(少ない)、環境破壊の少ないエネルギーです。

以下のようなものがあります。

水力発電、風力発電、地熱発電、太陽光発電、バイオマスなど

活用事例を1つ紹介。

新潟県村上市の株式会社開成では、食品廃棄物から発生するメタンガスを利用した発電設備を設置しています。

発電した電力は電力会社に売電し、併せて発生したバイオマス熱は栽培ハウスの暖房へ利用し、メタン発酵の際に生じた消化液は、液肥としてのうちに散布しています。

農林水産省:農山漁村における再生可能エネルギーの取組事例

また、新潟県では、再生可能エネルギー設備を導入する事業所に対して、補助金を支給しています。

補助額は設置にかかる費用の1/3・1/4以内で限度額は800万円です。

保健師・薬剤師(行政)

課題

健康寿命延伸に向けた取組について

◎メモ

健康寿命とは、ただの寿命ではなく、医療や介護に日常的に依存せずに健康的に生きられる寿命のことです。

新潟県によると、平成28年の新潟県民の男女の平均寿命と健康寿命は以下のとおりです。

  • 男性
    平均寿命:80.89歳
    健康寿命:72.45歳
  • 女性
    平均寿命:87.38歳
    健康寿命:75.44歳

⇒ 健康にいがた21(第3次)【概要版】

平均して女性では約12年、男性では約8年間、健康ではない状態で生活しなければなりません。

健康寿命が延びることで、本人及び家族の日常的な負担は減りますし、自治体が負担する医療費・介護費も減少するので、社会全体に大きなメリットをもたらします。

健康的な食事、適度な運動、十分な睡眠、心の充実、酒・たばこの節制、こういったことを達成できるような取り組み・支援が必要です。

管理栄養士(行政)

課題

健康立県を実現するために、管理栄養士に求められる役割について

◎メモ

新潟県は、食生活、運動、デンタルケア、たばこ、早期発見・早期受診の5つをテーマに、健康寿命を延ばして「健康立県」を目指しています。

これら5つのテーマで、管理栄養士がアプローチする分野はもちろん食生活です。

ひとりひとりの食生活を改善していくには、「食育」を通じて、正しい知識を身に付けてもらう必要があります。

だた、新潟県民は食育に興味がある人が決して多くありません。

食育に関心がある人の割合は、全国平均76.2%に対して、新潟県民は55.6%と低い数字です。

新潟県による「第3次新潟県食育推進計画」では食育に関するこのようなデータがまとめられています。

これは新潟県の健康対策課が作成したもので、管理栄養士が配属される部署のひとつです。

おそらくこの資料の作成にも、管理栄養士が携わっています。

是非参考に。

少年警察補導員・科学捜査(電気)

課題

子どもをネット犯罪から守るための取組について

◎メモ

子どもが巻き込まれるネット犯罪は以下のようなものです。

  • インターネットのサイトを閲覧し架空請求された
  • インターネットを通じて児童売春の当事者になった
  • 裸の画像などを送ってしまい流出
  • 掲示板やSNS上で誹謗中傷
  • 氏名・住所など個人情報が特定され嫌がらせを受ける

ネットリテラシーが高ければ未然に防げるものも多いです。

スマホは中学生や高校生から利用する人が多いですが、小学生のころから、ネット犯罪の危険性など情報教育に力を入れることで、早いうちにリテラシーを高めることができます。

【関連記事】
⇒【公務員試験の集団討論を攻略するコツ】流れや取るべき行動を解説!

3.平成30年度の課題(11題)

  • 一般行政・一般行政(病院)
    子どもたちの安全を守るための取組について
  • 警察行政・少年警察補導員
    少年の健全育成における地域の役割について
  • 福祉行政
    子どものネット依存への対応について
  • 総合土木(一般方式、新方式)
    想定を超える自然災害から、住民の命を守る方策について
  • 林業
    林業を担う後継者の育成について
  • 農業
    生産性の高い農業の実現について
  • 水産・管理栄養士(行政)
    新潟の食を通じた地域づくりについて
  • 建築
    IT技術を使った業務改善について
  • 環境
    人と野生動物の共存について
  • 電気・科学捜査(電気)
    働きやすい職場環境について
  • 保健師・薬剤師(行政)
    子どもの貧困対策について

【関連記事】
⇒ 公務員試験の集団討論【青森・岩手・宮城県庁】実際の出題テーマ

4.平成29年度の課題(11題)

  • 一般行政A
    新潟空港の利用者数を増やすための取組について
  • 一般行政B
    広い県土を活用した定住・交流人口の拡大策について
  • 警察行政
    高齢者による交通事故を減少させるための取組について
  • 福祉行政
    子どもの貧困対策について
  • 総合土木
    人口減少を背景とした社会資本整備のあり方について
  • 林業
    林業における若い担い手を確保するための取組について
  • 農業
    新潟県の農産物の輸出を促進するための取組について
  • 水産・建築・機械
    過労死を防止するための対策について
  • 電気
    防災情報の分かりやすい伝え方について
  • 環境
    地球温暖化問題に対する新潟県としての取組について
  • 保健師薬剤師(行政)
    災害時要援護者の個人情報の取扱いについて

5.平成28年度の課題(12題)

  • 一般行政A
    介護や保育サービスの担い手確保について
  • 一般行政B
    SNS の活用とトラブル防止について
  • 警察行政
    公共交通機関でのマナーについて
  • 福祉行政
    自殺を防ぐためには
  • 総合土木
    公共事業と環境保全について
  • 林業
    県産材の活用について
  • 農業
    若者に魅力ある農業について
  • 水産
    食品ロスの削減について
  • 建築・電気
    環境に配慮した公共施設について
  • 環境
    環境教育の推進について
  • 保健師・薬剤師(行政)
    在宅医療の推進について
  • 科学捜査(生物)
    働きやすい職場環境について

6.面接対策

集団討論の練習と同時に進めておきたいのが面接対策。

面接試験が不安な方は公務員予備校が実施している面接対策講座の受講を考えてみてください。

面接試験前に模擬面接は必ず受けておきたいところ。

例えばアガルートでは、「筆記試験対策+面接対策」だけでなく「面接対策のみ」の講座を実施しています。

通信なのでどこからでもオンラインで模擬面接が受講可能。

面接慣れをしておきましょう。

【関連記事】
⇒ アガルートの公務員講座の面接対策ってどう?詳しくまとめてみた

【講座の詳細 / 申し込み】
⇒ アガルートの公式ホームページ

7.まとめ

新潟県の集団討論における、実際の課題について紹介しました。

新潟県庁では、職種に関わりのある内容が出題される傾向ですが、必ずそうとも限りません。

特に一般行政の場合は幅広いです。

公務員試験でよく出題されるテーマの知識は、最低限入れておきましょう。

試験頑張ってください。