公務員を目指している方はどの職種を目指していますか。
国家公務員?県庁職員?市役所職員?警察官?消防士?
今回話す内容は、どの公務員試験を受けるにしても、合格するには「情報収集」が死ぬほど大切だということです。
情報があると圧倒的に試験に有利になります。
ちなみに私は凡人ですが、情報収集に力を入れたことで、複数回公務員試験に合格しています。
【この記事を書いた人】
・政令市の消防士と行政職、町役場を経験
・公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
・YouTube ⇒ ハチサン公務員
★目次
- 待つだけでは情報は来ない
- 試験倍率という大事な情報を確認する
- 日程の情報を仕入れ可能性を広げる
- 情報により無駄な勉強を省く
- 体力自慢じゃなくても消防士・警察官になれる
- 面接が苦手なら情報量でカバーする
- おわりに
1.待つだけでは情報は来ない
♦公務員試験のキホン
公務員になるには、地方自治体や国がそれぞれ実施する公務員試験に合格しなければなりません。
市役所職員なら市、消防士なら市や消防組合、警察官なら都道府県警、国家公務員なら人事院などが試験を実施します。
試験方法は各実施機関によって様々ですが、オーソドックスなものは1次で筆記試験、2次で人物試験(面接など)が課されます。
そして、試験に合格した者は内定をもらったのち、各官公庁(市役所、県庁、省庁など)から採用。
これが基本的な流れですが、これはあくまで基本です。
♦志望先によって試験内容は違う
受験先が国か地方かで試験内容は違いますし、地方でも市区町村だけで1,741の自治体があります。
それぞれの官公庁が試験を行うため、全ての内容が同じ試験というものは一つもありません。
そのため受験生は、各志望先の試験情報を入手することが重要になってきます。
しかし、各実施機関があなたに試験情報をわざわざお届けすることはないです。
試験情報は、受験者自身が動いて入手しなければなりません。
2.試験倍率という大事な情報を確認する
♦玉砕は避ける
まずは試験倍率を調べ、無理のない志望先を探します。
自分のスペックにあまり自信がない人が、過去の倍率を気にせず、地元だからという理由だけで試験を受けるのはやめた方がいいです。
近年、公務員試験の採用倍率は低下傾向で、だいたい5~7倍程度が平均的な倍率になっています。
しかし、採用数が少ない市町村の試験では、倍率が30倍を超えることも珍しくありません。
そんな試験を自信がない人が受験しても勝ち目はなし。
玉砕です。
自分が合格に向けて一生懸命努力して、可能性がある範囲の倍率で志望先を考える必要があります。
もちろん倍率が全てではありませんが、指標の一つになります。
♦倍率が同じでも難易度は全然違う
また、違う自治体の試験の最終的な倍率が同じだったとしても、その難易度は人によって違います。
下の表は秋田県庁行政A(事務職)の平成30年度の採用倍率と、静岡県庁行政Ⅱ(事務職)の平成30年度の採用倍率です。
共に1次で筆記試験、2次で人物試験(面接など)が実施され、最終倍率は同じ7.0倍です。
■平成30年度:秋田県庁:行政A(事務職)
■平成30年度:静岡県庁:行政Ⅱ(事務職)
しかし、静岡県庁と秋田県庁の1次倍率と2次倍率を見比べてみてください。
秋田県庁の筆記試験の倍率は4倍と高く、4人に1人しか受かりません。
逆に人物試験の倍率は1.5倍と低く、受験者58人中39人が合格しており、落ちている人の方が少ないです。
今度は静岡県庁行政Ⅱの倍率を見てください。
筆記試験の倍率は2.7倍で、秋田県庁に比べ明らかに低いことが分かります。
一方で、人物試験は2倍を超えており、筆記試験に合格しても、半分以上の人が人物試験で落とされています。
♦筆記が得意か面接が得意か
このデータは分かりやすく平成30年度のデータをピックアップしていますが、秋田県庁行政Aの試験は、平成28年度から令和2年度までの5年間ずっと同じ傾向です。
また、静岡県庁行政Ⅱも平成30年度を除く平成28年度~令和2年度の4年間、ずっと筆記試験の倍率より人物試験の倍率の方が高くなっています。
この場合、同じ採用倍率でも、「筆記が得意だけどコミュ障気味の人」は秋田県庁、逆に「筆記が苦手だけど面接には自信がある人」は静岡県庁を受けた方が、採用の確率はグンと上がります。
このように過去の試験情報を調べると、志望先の傾向が分かるんです。
あなたの地元周辺の自治体でも傾向は違うので、是非調べてみてください。
【関連記事】
⇒ どこが低い?【九州・沖縄】県庁行政職(事務)採用倍率一覧
3.日程の情報を仕入れ可能性を広げる
♦複数受験が一般的
様々な公務員試験の日程を把握しておくことで、採用のチャンスは広がります。
公務員試験では本命1つに絞るのではなく、複数の試験を受けることが一般的です。
本命だけに絞り一発試験で失敗すれば、また1年後の試験まで待たなければいけません。
なので、絶対そこでしか働きたくないという場合を除いて、他の官公庁の試験日を調べて、第二・第三志望先を決めることは、公務員を目指す上でほぼ必須です。
♦意外と多いチャンス
例えば、試験日程をきちんと調べると、こういうことが分かります。
大卒の人で、5月になって兵庫県警を目指そう思った人がいるとします。
しかし、残念ながら5月の時点で、兵庫県警の試験の申し込みは既に終了。
ですがよく調べてみると、兵庫県警は年に3回試験が行われていることが分かります。
次に行われるのは9月、そこに勉強が間に合わなければ、最後翌年の1月に試験が実施されます。
さらに他の都道府県警の試験日程を調べると、1月の違う週に警視庁3回目の試験も実施されることが分かりました。
9月と1月で兵庫県警にチャレンジし、第二志望として1月の警視庁も受けておけば、採用の可能性は高まります。
さらに、警察の採用試験には共同試験という独特な試験方法もあるので、それを利用すればさらに警察官になれる可能性は上がります。
♦そこで働きたいのが前提
日程把握の重要性は、警察官試験に限ったことではありません。
もちろん志望先は倍率と日程だけで決めるものではなく、自分がやりたいこと、働きたい場所であることが前提です。
興味もない・行きたくもないところに合格しても意味ないですよね。
【関連記事】
⇒【47都道府県警掲載】警察官採用試験の日程一覧!採用案内も再確認
4.情報により無駄な勉強を省く
♦出題の配分が違う
筆記試験においても、情報を入手することで効率の良い勉強が可能です。
例えば、どの公務員試験でも課される教養試験(基礎能力試験)では、15科目前後が問題として出題されますが、各官公庁によって出題傾向は違います。
それは同じ国家公務員試験の中でも違います。
令和元年度の国家一般職採用試験では、出題科目の1つである「資料解釈」が40問中3問出題されました。
一方、令和元年度の裁判所職員採用試験では「資料解釈」が40問中1問しか出題されていません。
こういった情報を何も知らず、裁判所職員志望の人が、国家一般職志望の人と同じ配分で、1問しか出題されない「資料解釈」の勉強に時間を割くのは効率が悪いです。
♦出題の傾向が違う
さらには1つの科目の中でも、出題されやすいテーマとされにくいテーマが試験種類によって違います。
例えば、教養試験の1つの科目である「判断推理」。
判断推理では「暗号」という問題がときどきに出題されます(問題の内容は割愛します)。
この暗号問題の出題傾向を調べると、東京特別区の採用試験では10年で8回出題されていますが、東京都庁の採用試験では10年間で1回も出題されていません。
この情報を知っておけば、都庁志望の人は「暗号」問題を勉強するという無駄なことをせずに済みます。
5.体力自慢じゃなくても消防士・警察官になれる
情報の大切さは、消防士や警察官の試験で実施される体力試験でも同じです。
私の場合、事前に体力試験の情報を仕入れ、闇雲に筋トレをおこなうのではなく、本番と同じような練習を行っていました。
その結果、高校・大学で部活に入っていませんでしたが、政令指定都市消防局と東京消防庁の試験に合格することができました。
自治体によって、実施される体力試験の科目や評価方法はさまざま。
さらには同じ種目でも、試験のやり方は変わってきます。
例えば腕立て伏せの場合、普通に平面で腕を曲げるパターンがあれば、足を台に乗せて負荷を掛けた状態で腕を曲げるパターンもあります。
事前に情報を仕入れ対策を練っておけば、特段体力自慢ではない人でも勝機はあり。
【関連記事】
⇒ 消防士の体力試験の種目一覧!主要な21消防本部をまとめました
6.面接が苦手なら情報量でカバーする
♦情報のおかげで合格
個人面接、集団面接、集団討論などの人物試験でも情報が力を発揮します。
私が過去にある公務員の1次試験に合格し、2次試験を受けたときのこと。
その当時、私は公務員学校の講座を受講していたため、その受験先の過去の2次試験情報を学校から入手していました。
さらに、同じ講座で知り合った友人から、「私の大学にその受験先の2次試験の記録がある」との話を聞き、その友人から記録を入手。
これらの情報には、受験案内には書かれていない、2次試験の流れについて書かれていたため、それを基に対策を行いました。
実際に受験した2次試験は、仕入れた情報どおりの試験内容だったため、私は面接試験が苦手でしたが、無事に内定をゲット。
これは完全に情報のおかげです。
♦当然基本的な情報も調べておく
また、上記のように出題の形式を知っておくことも大事ですが、面接に臨むにあたって、志望先の仕事内容や、自治体の特徴なども自分できちんと調べておくことが大事です。
志望先の基本的な情報を知らないと、面接や集団討論で薄っぺらい回答しかできなくなります。
その他にも、国家公務員試験の官庁訪問や、特別区の区面接など、情報量が合否を左右する試験は多いです。
7.おわりに
♦余談。。。
少しだけ話はズレますが、私が経験したある自治体の面接試験での話。
■受験のライバルが教えてくれた
試験前の控室で少しだけ仲良くなった受験生がいました。
彼は私の直前に面接試験を終え「こんな質問されたよ」と親切にも、ライバルである私に、質問内容を教えてくれました。
入室するまでの約1分間で、念のためその質問に対する答えを爆速で考える自分。
そのまま面接に臨むと私にも彼と全く同じ質問が来たので、直前に考えていた答えをスムーズに答えることができました。
その結果、私は試験に見事合格しましたが、残念ながら、教えてくれた受験生は不合格。
■低スペックほど情報収集を
少し話がそれましたが、それだけ事前に情報を持っておくと有利にことが運ぶよ、ということを伝えたかったです。
私みたいにスペックが低いと思った人ほど、情報収集は怠らないようにしましょう。
高スペックな人が試験情報を手に入れれば、鬼に金棒です。
♦情報収集先
情報の収集先としては以下のようなところが考えられます。
- 公務員予備校・資格スクール
- 公務員試験情報サイト
- SNS
- 参考書・問題集・情報誌などの書籍
- 大学
- 官公庁のHPや発行している資料
- 志望先に直接確認
私の場合はほとんど利用しました。
♦各公務員予備校を徹底比較!
【クレアール、アガルート、スタディング、EYE、伊藤塾、大原、大栄、LEC、ヒューマンアカデミー、フォーサイト、ユーキャン、SMART合格講座、東京アカデミー、TAC、東大公務員試験予備校、喜治塾、実務教育出版、公務員のライト】
公務員を目指す場合どの予備校を選べばいいか迷いますよね。
以下の記事では、複数の予備校の料金や特徴を分かりやすく比較しているので、予備校選びの参考にしてください。