県庁、市役所、町役場、警察、消防などの公務員を目指す方で、そこの自治体に縁もゆかりもない場合、本当に受かるのか不安ですよね。

結論としては地元以外の自治体でも普通に受かるわけですが、詳しくは私の実体験などを含めて説明します。

【この記事を書いた人】
政令市の消防士と行政職、町役場を経験
公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
YouTube ハチサン公務員

目次

  1. 縁もゆかりもない人でもたくさん受かっている
    • 実際の職場
    • 自治体の公表データ
  2. 採用人数が少ないときは注意
    • 大きい自治体ではよくある
    • 逆に受かりやすいことも
    • 採用予定が1,2人は勝負しない
  3. 採用後に注意すべきこと
    • モチベーションの維持
    • 試験対策で好きになることもある
    • 方言と土地勘
  4. まとめ

志望する自治体との関係性は以下のような5段階に分けることができます。

段階1や2の場合は、ほとんど不安になることはないでしょう。

住んだことがあれば、その自治体を志望しても何ら不思議ではありません。

  1. 生まれ育った自治体
  2. 住んでいた自治体
    • 学生の頃に住んでいた自治体
    • 就職に伴い住んでいる自治体
  3. 訪れることが多い自治体
    • 勤務先のある自治体
    • 住んでいる地域の隣の自治体
  4. 複数回行ったことのある自治体
    • 親戚や恋人・婚約者などが住んでいる自治体
  5. ほぼ関わりのない自治体
    • 旅行で1回行ったことのある自治体
    • 行ったことすらない自治体

一方、そこに住んだこともない段階3~5に該当する人(特に段階4,5)は採用されるかどうか気になるはずです。

今回はここらへんの人に向けた話です。

1.縁もゆかりもない人でもたくさん受かっている

実際の職場

私はこれまでに3つ公務員として働いた経験がありますが、いずれの官公庁でも、縁もゆかりもないけど採用されている同期や職員の方がいました。

政令指定都市の消防士だった頃の同期は、約半数が他県や他市町村出身者でした。

逆に同期の中には、地元以外の消防本部で働いていたけれど、地元に帰るために受験し直した人もいました。

そして、町役場職員の頃の同期については、意外にも7割以上が他市町村の出身でした。

私の同期には「婚約中の彼氏の地元が近いのでこの自治体を受験した」と面接で答え、採用された人もいます。

その逆パターンで、「奥さんの地元に戻るため」という理由で、奥さんの地元である町役場を受験して、採用された男性職員もいました。

自治体の公表データ

出身地を気にする受験者は多いことから、採用試験合格者の出身地域を紹介している自治体もあります。

合格者が縁もゆかりもないことまでは分かりませんが、地元じゃなくても受かるということは、これを読むと分かります。

川崎市役所(神奈川県)

川崎市では新規採用者の出身地の割合を公表しています。

川崎市HPより(令和3年度採用職員)

約70%が川崎市以外の出身者です。

その中でも約20%の新規採用者は関東以外の出身者が占めています。

仙台市役所(宮城県)

仙台市役所の令和元年度大卒事務職における、合格者の出身地(出身高校をもとに算出)は以下のような内訳です。

仙台市40人、宮城県(仙台市を除く)19人、青森県1人、岩手県3人、秋田県1人、山形県11人、福島県2人、東北地方以外13人、合計90人。

◎市単位の割合
  • 仙台市内出身:44.4%
  • 仙台市外出身:55.6%
◎県単位の割合
  • 宮城県内出身:65.6%
  • 宮城県外出身:34.4%
◎地方単位の割合
  • 東北地方内出身:85.6%
  • 東北地方外出身:14.4%

もちろん仙台市出身者が一番多いですが、東北以外の出身者でもちゃんと採用されています。

浜松市役所(静岡県)

令和2年度採用試験で採用された職員54人のうち、浜松市が出身でも住んでいた場所でもない人は54人中10人でした。

  • 浜松市出身もしくは居住者:81.5%
  • 浜松市出身でも居住でもない:18.5%

出身でもなく、住んでもいない人が約2割います。

東京消防庁

東京消防庁では、消防学校の学生にアンケート行い、その結果を紹介しています。

合格者の約半数が関東以外の出身者だというアンケート結果が。

東京消防庁の管轄から遠く離れた九州出身者でも、関東出身者の次に多く採用されています。

関東出身者が51%であることから、地元東京出身者はさらに少ない割合だということが分かります。

私も縁もゆかりもない状況で東京消防庁を受験しましたが、内定を貰うことができました。

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2.採用数が少ないときは注意

大きい自治体ではよくある

特に、採用数が多い組織や都市部の自治体では、縁もゆかりもなくても受かりやすいです。

採用数が多いと合格する可能性も上がるため、採用数に比例して受験者が増えます。

その中には、もちろん縁もゆかりもない受験生が含まれています。

また、都市部であれば公務員試験に限らず、仕事を求めていろんな地域から人が集まってきますよね。

そういった地域では、縁もゆかりもない受験生も毎年多く受験するため、特に珍しい事ではありません。

面接官もそういった受験生に慣れているので、なぜ受験したのか、必要以上に問い詰められことは少ないです。

大きい組織ほど採用人事は開放的な傾向です。

逆に受かりやすいことも

大きな組織や都市部の自治体でなくても、試験に受かることは可能です。

面接試験で「なぜ縁もゆかりもないうちの自治体を受験したのか」こういう質問がくることは容易に想像できます。

ここらへんをしっかり準備しておけば、ほかの受験生と比べて不利になるなんてことはありません。

飛んでくる質問が予想しやすいため、かえって面接試験の対策が練りやすいです。

縁もゆかりもないから落ちたということは、単なる言い訳とも言えます。

むしろ、自治体ではいろんなバックボーンを持った人材を確保するため、縁もゆかりもない珍しい経歴がプラスの方向に働く可能性もあります。

地元の受験生より印象に残る

縁もゆかりもない自治体の採用試験を受ける人の大半は、倍率が低いから、試験日程が被らないから、本命に落ちたから、都会だからなど大した理由ではありません。

その自治体にかける熱い思いのある受験者はわずかです。

ただそのわずかな受験者は、「縁もゆかりもないにも関わらず熱い思いがある個性的なキャラ」になるため、平凡な地元の受験生よりも目立ちますし、受かる可能性が高いです。

他の受験者もそういうキャラになるよう意識すれば、合格する可能性は上昇。

縁もゆかりもないということは、一見不利に見えますが、それだけで地元の受験者より目立つことができます。

それを活かせずに落ちる人は、おそらく地元でも落ちます。

採用予定が1,2人は勝負しない

ただひとつだけ気を付けてほしい場合があります。

それは、田舎の規模が小さい町役場・村役場・消防本部の採用試験で、その年の採用人数が1,2人などかなり少ない時です。

近年の公務員試験では、純度100%のコネ採用というものはほとんどないと言えますが、地元の有力者による簡単な口利きなどで、受験者の面接試験が有利なることはゼロではありません。

ただでさえ少ない採用枠争いで、課金プレイヤーに登場されたら、無課金プレイヤーはさらに厳しい戦いを強いられます。

ただ、小さい自治体であっても、例年地元以外の出身者が過半数を占めるところもあります。

ほとんどの採用試験では、縁もゆかりもなくても内定を勝ち取ることは可能ですが、例外として小さな自治体で採用数が少ないときだけは、受けるかどうか熟慮する必要あり。

【関連記事】
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3.採用後に注意すべきこと

モチベーションの維持

愛着が湧きづらい

縁もゆかりもない自治体の職員になったとして、注意すべき点はモチベーションの維持です。

自分の生まれ育った地元の場合、消防士なら地元を火災から守りたい、警察官なら地元を犯罪から守りたい、市役所職員なら地元をより良いまちにしたい、こういう思いが少なからずあるかもしれません。

ただ、縁もゆかりもない自治体で働くのであれば、そこまでの使命感が生まれにくいです。

どの仕事においても働くということは大変で、毎日楽しく働いている人はまれです。

自治体の職員になり仕事をしていると、理不尽な自治会長からのお叱りや住民から苦情の電話もあります。

そうすると、「縁もゆかりもない土地で地域のために頑張っているのに、報われないな」とモチベーションが下がってしまうこともあります。

第一志望ではなかった自治体の場合はなおさらです。

のちのち地元を受け直すのもあり

縁もゆかりもない自治体の中でも、全く興味のない自治体ではなく、なるべく好きな地域や興味のある自治体を受ける方がモチベーションは維持しやすいです。

それでも働く中で、モチベーションを維持できないようであれば、あとから地元の採用試験を受け直すという選択肢もあり。

その場合、公務員経験者になるわけですし、地元に帰るという大義名分があるので、より内定は勝ち取りやすいです。

地元自治体へ転職する際は経歴が面接でプラス材料に。

試験対策で好きになることもある

ただ、面接試験を受ける際、事前にその自治体について調べると思いますが、その段階で好きになることもあります。

いろいろ勉強していくうちに、その地域について詳しくなり、知識が増えていくと自ずと自治体に魅力を感じるようになります。

徹底的にその自治体について調べていくと、知識的にも感情的にも面接試験対策でプラスになります。

知るということは大事。

方言と土地勘

また、地元から遠く離れた自治体や、都市部から田舎の自治体で働く場合は、方言や地理が分からず最初は確実に苦戦します。

特に、窓口ではなく電話で会話をしたり、若者ではなく高齢者と会話するときは、言っている意味が分からず、相手をイライラさせてしまうことがあるかもしれません。

逆に東京近郊で働く場合は強めの方言は少ないので問題なし。

地理については市役所の職員、消防士、警察官に関わらず、地域の交通事情や基本的な地名を知っていないと、場所を尋ねられた時に案内ができません。

ただこういったことは、働いていくうちに自然と覚えていくので、最初だけの辛抱です。

4.まとめ

縁もゆかりもない自治体であっても、十分採用試験に合格することはできます。

もちろんそのためには自治体についてしっかり研究することが必要です。

不利だと思うことを有利と捉え、地元の人間に打ち勝ちましょう。

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