公務員試験にコネ採用はあるのか。リアルなコネ採用4パターン

公務員試験の勉強をしている方、これから始めようと思っている方、公務員試験はコネ採用があるのか気になるところですよね。

昔と違い、近年は公平な観点から公務員試験のコネ採用は減少していると言われています。

しかし、面接官も人間です。

人間も感情があるので、結論を言うと、今でもコネ採用が0とは言えない状況です。

【この記事を書いた人】
政令市の消防士と行政職、町役場を経験
公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
YouTube ハチサン公務員

目次

  1. コネ採用の効力はいつ発揮されるか
    • 面接試験での効力
    • 筆記試験での効力
  2. 直接的なコネ
  3. 感情的なコネ
  4. 周りのコネ採用は気にしない
    • 直接的なコネ採用はほとんどない
    • 採用人数が少ない自治体は注意が必要
    • 自分からコネを作る
  5. まとめ

1.コネ採用の効力はいつ発揮されるか

公務員試験には基本的に、面接試験と筆記試験があります。

コネのパワーはいつ発揮されるのでしょうか。

面接試験での効力 

基本的にコネ採用の威力が発揮されるのは、面接など明確に正誤で点数化ができない試験です。

そこで高めに点数をつけることで、採用順位を上げることができます。

明確な正誤がないので、本当は平凡な受験生でも、試験官が恣意的に「この受験生の返答は素晴らしかった。」「この人の経歴は加点すべきだ。」と判断すれば、得点は高くなります。

一方で、筆記試験は〇か×のみで点数が決まるので、私情を挟むことができません。

筆記試験での効力 

しかし、筆記試験でもコネ採用が100%ないという訳ではありません。

その代表的な例として、2017年、当時の山梨市の望月清賢市長が、公務員試験の一次筆記試験の結果を改ざんして逮捕されています。

これは、市長の知り合いであった受験生を有利にするように、筆記試験の結果を改ざんさせたものです。

つまり、筆記試験からコネを使うということは、文書改ざんという逮捕レベルのことをしているということです。

そのため、ほとんどの官公庁では筆記試験でコネは使われていないと思われます。

しかし山梨市長の逮捕で、筆記試験からのコネ採用が明るみになったので、0とは言えなくなりました。

2.直接的なコネ

コネ採用と言っても大きく分けて2パターン、細かく分けて4パターンあります。

  • 直接的なコネ
    • 人事が市長や議員から直接的な指示を受けるパターン
    • 人事が市長や議員などから直接的な指示はないが、間接的に依頼されるパターン
  • 感情的なコネ
    • 受験生の親など親族が受験先と関係があるパターン
    • 受験生自身が受験先とつながりがあるパターン

人事が市長や議員から直接的な指示を受けるパターン 

「受験生の○○くんを採用するように動いてくれ」など採用担当に直接的に指示するもの。

直接指示された側は立場的に断ることが難しい。

ただ、直接的なコネが明るみになれば指示した側はただでは済みません。

なので現在はほとんど行われていないと思われます。

ハイリスクローリターン。

人事が市長や議員から直接的な指示はないが、間接的に依頼されるパターン 

あるならこっちのパターンですね。

「議員:受験生の○○さんは私の知り合いなんだよね。まあ、よろしく頼むよ」や、「市長:○○くんは評判も良いし、私なら採用するんだけどなあ。」など直接的に「採用しなさい」とは言ってないが「何が言いたいか分かるよね?ちゃんと察して動いてね。」と間接的に依頼しているパターンです。

これがリアルなコネ採用ですよね。

採用担当は言われていることを察して、点数を高めに付ける可能性があります。

しかし市長や議員が直接指示をした事実は残りません。

3.感情的なコネ

コネ採用のコネとは英語のコネクション、つまり、「つながり」や「関係」を意味します。

受験生の親など親族が受験先と関係があるパターン 

これは、直接的なコネではありませんが、つながりや関係性といった点で考えれば、一種のコネと言えます。

例えば、受験生の親が受験先の官公庁の幹部であったり、受験生の親も受験先に勤めており、面接官と親しい仲だった場合です。

この場合、コネ採用の口添えをしていなくても面接官も人間ですので、点数を甘めに付ける可能性があります。

親が消防士なら消防の面接試験を合格する可能性は高い

私は消防士の経験もありますが、消防士を親に持つ受験生が筆記試験を突破した場合、ほとんど面接試験も合格しています。

消防士を親に持つ受験生が面接試験で落ちたことは聞いたことがありません。

親と同じ消防本部を受ける場合、面接試験まで行くことができればだいたい受かります。

消防士は仲間意識が強いです。

親と別の消防本部を受ける場合でも、自分の親が消防士だということを、話しの流れで面接官にアピールすれば、よほどのコミュ障じゃなければ合格する可能性は高いです。

受験生自身が受験先とつながりがあるパターン 

これは例えば、受験生自身が面接官と既に顔見知りの状況などです。

職員数が少ない小さな自治体で嘱託職員として働いていれば、本採用試験の面接を受けたとき、面接官と顔見知りになっている場合があります。

この場合、面接官は心情的に点数を高めに付ける可能性があります。

官公庁でアルバイトをすれば面接合格率アップ

上記のパターンの例を一つ挙げます。

私は町役場職員の経験もありますが、そこで働いた嘱託職員の男性が結果的にコネクションを上手く利用し、翌年の本採用試験に合格しました。

その男性は嘱託職員として役場に入り働いていました。

その間、1年でいろんな職員と仲良くなっており、顔見知りの職員も多くでき、翌年の本採用試験に見事合格。

直接的なコネはなかったとしても、嘱託職員として働いていた時に築いたコネクション(職員とのつながり、関係性)は面接試験でもプラスに働いたと言えます。

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⇒【ここが嫌!】町役場の公務員として働くメリット・デメリット

4.周りのコネ採用は気にしない

直接的なコネ採用はほとんどない 

コネ採用が0とは言えないとお伝えしましたが、直接的なコネ採用が横行している訳ではありません。

現在の公務員試験では、口添えする首長や議員自身にもリスクがあるため、コネで採用されている人は現実的には少ないです。

万が一直接的なコネ採用があったとしても、限りなく少数です。

ある程度の採用人数があれば、きちんと勉強して、きちんと面接対策をとることで正規のルートで普通に合格できます。

採用人数が少ない自治体は注意が必要 

「小さい自治体=コネがある」ということでは決してありません。

むしろコネ採用は少数です。

しかし、仮に採用人数が1名、若干名程度の小さな自治体でコネ採用があった場合、その時点で試合終了、もしくはコネなし受験生で残り1枠程度を争うこととなるので、厳しい戦いになります。

私なら、小さな自治体で採用人数が1名の場合、万が一のことも考え受験はしません。

また、自治体によって、地元出身者有利な自治体と、地元以外の受験生でも積極的に採用する自治体があるので、その点も気にする必要があります。

自分からコネを作る 

直接的なコネはあまりいい気はしませんが、感情的なコネは自分から点数を上げるように働きかけたものではないので、悪い事ではありません。

むしろ自分からコネクションを作っておくことは立派な試験対策と言えます。

例えば、官公庁でアルバイトしたり、官公庁が主催する催し物に参加したりすることは、コネクション作りとして有効な手段です。

面接で話すネタがあまりない人には、コネクション作りを勧めます。

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5.まとめ

いろんなパターンのコネについて紹介しました。

いい意味で公務員試験のためのコネクションを作ることは有効です。

そういった良いコネクション作りに取り組むことも有効な試験対策といえます。

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