消防士に興味があるけど身長が低い。
女性で細いし体重が軽い。
今回はこんな悩みを持っている方に向けた記事です。
主要な消防本部の採用試験における、身長制限や体重制限をまとめたので是非参考にしてください。
【この記事を書いた人】
・政令市の消防士と行政職、町役場を経験
・公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
・YouTube ⇒ ハチサン公務員
★目次
- 身体検査について
- 身長・体重要件一覧
- 明記なし=全員OKではない
- 低身長でも可能性はある
- 低身長でやっていけるのか
- まとめ
1.身体検査について
♦身長・体重は必ず測定
消防士を目指す場合、採用試験時に必ず身体検査が実施されます。
身体検査は試験会場で実施するパターンと、病院などの医療機関で各自検査して書類を提出するパターンの2つ。
検査は複数の項目がありますが、その1つが身長と体重の測定。
消防士になると、当然業務で重い資器材を運んだり、大柄の患者を搬送したりと体を使います。
つまり、こういった業務を行うことができる最低限の体格が必要なので、それを把握するために検査をしていると考えられます。
♦身体要件は募集要項を確認
現在、全国には約720の消防本部がありますが、採用条件は統一されたものではなく、各消防本部によって違います。
身体に関する要件も各消防本部で若干異なります。
したがって消防士を目指すと決めたら、まずは志望先の募集要項を確認することが必要です。
募集要項は年度で変更される場合もあるので、受験するときは最新のものをチェックしてください。
2.身長・体重要件一覧
今回調査したのは、全国の消防本部の中でも規模が大きい主要な消防本部40か所です。
主に令和5年度の受験案内・募集要項から、身長・体重に関する要件を抜粋しています。
ちなみに、下記の表記にある「概ね(おおむね)」には「およそ」、「だいたい」という意味があります。
♦北海道・東北地方
- 札幌市消防局
- 明記なし
- とかち広域消防局
- 明記なし
- 青森地域広域事務組合消防本部
- 男:概ね160㎝以上/概ね50kg以上
- 女:概ね155㎝以上/概ね45kg以上
- 盛岡地区広域消防組合消防本部
- 男:概ね160㎝以上/概ね50kg以上
- 女:概ね155㎝以上/概ね45kg以上
- 仙台市消防局
- 明記なし
♦関東地方
- さいたま市消防局
- 明記なし
- 埼玉西部消防局
- 明記なし
- 埼玉東部消防組合消防局
- 明記なし
- 川口市消防局
- 明記なし
- 千葉市消防局
- 明記なし
- 船橋市消防局
- 明記なし
- 市川市消防局
- 明記なし
- 松戸市消防局
- 明記なし
- 東京消防庁
- 明記なし
- 横浜市消防局
- 明記なし
- 川崎市消防局
- 明記なし
- 相模原市消防局
- 明記なし
♦中部地方
- 新潟市消防局
- 明記なし
- 静岡市消防局
- 明記なし
- 浜松市消防局
- 明記なし
- 駿東伊豆消防本部
- 明記なし
- 岐阜市消防本部
- 男:概ね160㎝以上/概ね50kg以上
- 女:概ね155㎝以上/概ね45kg以上
- 名古屋市消防局
- 明記なし
- 豊田市消防局
- 明記なし
♦近畿地方
- 京都市消防局
- 明記なし
- 大阪市消防局
- 明記なし
- 堺市消防局
- 明記なし
- 枚方寝屋川消防組合消防本部
- 明記なし
- 東大阪市消防局
- 明記なし
- 神戸市消防局
- 明記なし
- 姫路市消防局
- 明記なし
- 奈良県広域消防組合消防本部
- 明記なし
♦中国・四国地方
- 岡山市消防局
- 明記なし
- 広島市消防局
- 明記なし
- 福山地区消防組合消防局
- 明記なし
♦九州・沖縄地方
- 福岡市消防局
- 明記なし
- 北九州市消防局
- 明記なし
- 熊本市消防局
- 明記なし
- 大分市消防局
- 明記なし
- 鹿児島市消防局
- 明記なし
※令和4年度情報:川口市消防局、埼玉西部消防局
3.明記なし=全員OKではない
♦業務に支障をきたす身長は×
調査した結果、多くの消防本部では身長・体重について具体的な要件を明記していませんでした。
かつては、身長と体重の要件を明記している消防本部は多くありましたが、それも減少傾向です。
東京消防庁も令和5年度の試験より身長制限を記載しなくなりました。
だからといって、身長が何cmでも消防士になれるようになった、ということではないと思います。
極端な話ですが、身長が150㎝しかない男性の場合、体格に合う装備品が揃わない可能性もあり、業務に支障をきたすかもしれませんし、採用されないことも考えられます。
合理的な理由による制限なら仕方ないかもしれません。
♦最低限の体格は必要
身長と体重を明記していない消防本部の募集要項を見ると、その代わり以下のような条件がよく記載されています。
- 身体に職務遂行上支障がないこと
- 身体健全であり、消防職員として消防業務の遂行に支障がない身体を有する人etc
これらからは「消防業務を遂行できるための最低限の体格は欲しい」といった意味を読み取ることができます。
ただし、具体的な数字が明記されていないので、どのくらいの身長と体重が必要かは不明です。
【関連記事】
⇒ 消防士の試験に合格するためにはいつから予備校に入るべき!?
4.低身長でも可能性はある
♦目安は男性160㎝
そこで参考となるのが、身体要件の数値を明記している消防本部の募集要項です。
今回の調査では3つの消防本部が数値を明記していますが、いずれも同じ要件です。
- 男:概ね160㎝以上/概ね50kg以上
- 女:概ね155㎝以上/概ね45kg以上
「身長・体重で制限するなんて差別的!」というよりも、むしろ基準を示しているため良心的な消防本部だといえます。
当然この数字を上回っていれば何の問題もありません。
♦160㎝未満=アウトではない
そして、「おおむね」という表現があることから、多少この数字を下回っていたとしても心配はないでしょう。
男性なら身長159㎝で即アウトになることはないはず。
あとは、他の試験結果との兼ね合いですね。
例えば男性で身長が157㎝しかなかったとしても、筆記試験、体力試験、面接内容などが優れていれば総合的に判断して、採用される可能性はあります。
【関連記事】消防士の採用倍率についてはこちら
⇒ 消防士の採用倍率はどのくらい?【東京消防庁・政令指定都市消防局】
5.低身長でやっていけるのか
♦パワーと体力があれば大丈夫
身長が160㎝前半や150㎝後半の人が無事に消防士として採用されたとして、現場でやっていけるのか気になりますよね。
結論としては十分やっていけます。
まず、消防士の現場では、主に消火、救助、救急の業務を行っています。
救急隊になった場合、担架が入れないところで患者をおんぶしたり、ストレッチャーの上げ下げをしたりする時に少し苦労するかもしれません。
ただ、これらの業務はパワーがあれば低身長でもカバーできますし、女性でも活躍している救急隊員は多いです。
♦逆に低身長が活きる場面も
また、消火や救助でもパワーと体力さえあれば問題はないです。
消防士は体一つで作業を行う訳ではありません。
はしごやロープ、カラビナなどいろんな資器材があるのでそれを活用すれば、低身長だからといってできないことはないです。
むしろ体が小さい方がスムーズに活動できる場合もあります。
例えば建物が倒壊した現場で捜索する場合、大柄な隊員よりも小柄な隊員の方が断然中に入っていきやすいです。
空気呼吸器を背負って屋内進入する場合も同様です。
6.おわりに
身長・体重要件について説明しました。
どうしても気になる方は直接自治体に問い合わせてみてください。
ちなみに私の消防学校の同期には身長が低い仲間が複数いました。
同じ所属にも身長が低い同期がいましたが、彼は頭がキレて身体能力も高い優秀な消防士でした。
採用されてしまえば、身長は気にする必要なしです。
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