警察官に興味がある方で、何歳まで採用試験を受けられるのか、気になる人は多いはず。
そこで今回は、全47都道府県警の採用試験の年齢制限(参考に令和5年度)について紹介します。
高卒区分と大卒区分の両方を取り上げています。
30代でも受験可能!
【この記事を書いた人】
・政令市の消防士と行政職、町役場を経験
・公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
・YouTube ⇒ ハチサン公務員
★目次
- 現状
- 高卒区分も年齢の上限が高い
- 年齢制限一覧
- 年齢制限が高いところ/低いところ
- 30代で受験しても受かるのか
- 紹介
- おわりに
1.現状
♦受験者減少
警察官は給料が高く、身分が安定しており人気の職業です。
ただ、近年は少子高齢化などにより警察官採用試験の受験者が減少しています。
そのため受験のすそ野を広げる目的で、ここ最近、受験できる年齢の上限は緩くなってきています。
これは警察官採用試験に限らず、公務員試験全般に共通して言えることです。
年齢で受験を諦めた人でも、逆転で受験可能になった人は多いです。
♦30代半ばまで
そして気になる現状ですが、警察官を目指せるのは36歳までです。
これよりも年齢制限を低めに設定している警察本部も今後、35歳程度まで上限を引き上げるところは増えてくると思います。
ただ現状ではMAXが36歳なので、30代後半の人が普通に受験できるようになるのは、まだ先の話かもしれません。
そのため40歳、40代の受験はまだまだ現実的ではないです。
というか40代で警察学校はなかなかハードかもしれませんね。
サイバー犯罪捜査官などの採用区分では、50代で受験可能だったりもしますが、それ相応の経歴や技能が求められるので普通の採用区分とはまた違います。
2.高卒区分も年齢の上限が高い
♦大卒区分と違いがない
警察官の採用試験は主に、警察官A区分(大卒程度区分)と警察官B区分(高卒程度区分)に分かれています。
多くの公務員試験では、高卒区分か大卒区分かで年齢制限が異なる場合が多いです。
例えば、高卒区分は24歳まで、大卒区分は30歳まで受験可能というように。
ただ警察官採用試験では、こういった差異をつけている警察本部の方が少なく、多くは大卒程度と高卒程度で年齢制限に違いがありません。
もしくはその差が小さいです。
これは警察官採用試験の特徴で、高卒程度区分でも30代まで受けられる警察本部がほとんどです。
♦消防士と比べても上限高め
同じ公安系公務員の消防士と比べても、警察官の年齢制限は高いため、消防士の年齢制限に引っかかった人が警察官志望に切り替えるという選択肢もあります。
参考までに消防士の年齢制限
- 東京消防庁
- 大卒程度:29歳
- 高卒程度:21歳
- 横浜市消防局
- 大卒程度:30歳
- 高卒程度:21歳
- 名古屋市消防局
- 大卒程度:30歳
- 高卒程度:21歳
- 大阪市消防局
- 大卒程度:27歳
- 高卒程度:21歳
- 福岡市消防局
- 大卒程度:29歳
- 高卒程度:24歳
消防士は、大卒程度で30歳前後、高卒程度だと20代前半と、上限は厳しめです。
ただ、消防士の採用試験も年齢の上限が徐々に上がってきています。
3.年齢制限一覧
ここで紹介する年齢のデータは令和5年度の受験案内に基づくものです。
一般採用の警察官区分の年齢のみ紹介しており、警察事務やサイバー区分などその他の採用区分は対象外です。
今後、上限が引き上げられる可能性もあるので、受験しようと決めた方は、最新の情報を必ず確認してください。
♦北海道・東北
宮城県警は令和3年度に年齢上限を33歳から35歳に引き上げました。
年齢に関する要件変更は12年ぶり。
♦関東
関東では、千葉県警のみ高卒区分と大卒区分の年齢制限は異なります。
茨城県警の年齢上限が令和3年度以降に33歳から35歳へ引き上げられました。
♦中部
中部地方の過半数は35歳まで受験可能です。
福井県警が一番厳しいですね。
新潟県警の年齢制限が引き上げられたのは令和2年度。
♦近畿
近畿地方では、すべて高卒区分と大卒区分の年齢制限が同じです。
兵庫県警の年齢制限は少し分かりづらいかも。
※兵庫県警は36歳になる年度の10月2日以降に生まれた人(4年制大学を受験年度の3月までに卒業見込みの人は、35歳まで)
♦中国・四国
徳島県警の年齢制限が30歳から一気に36歳まで引き上げられました。
9県警のうち、35歳まで受けられるのは鳥取県警と徳島県警のみ。
※島根県警の大卒区分の10月採用は34歳
♦九州・沖縄
鹿児島県警は36歳まで受験可能。
一方、全国で最も高卒区分の年齢制限が厳しいのは、熊本県警の27歳です。
4.年齢制限が高いところ/低いところ
年齢制限の全国平均は、33.4歳(大卒区分33.6歳、高卒区分33.2歳)となりました。
ほとんどの警察本部は30歳を超えても受験することが可能です。
そして、35歳でも受験できる警察本部は以下の18の警察本部
- 北海道・東北
- 岩手県警、宮城県警、秋田県警、山形県警
- 関東
- 茨城県警、埼玉県警、警視庁、神奈川県警
- 中部
- 新潟県警、富山県警、長野県警、岐阜県警、静岡県警
- 近畿
- 三重県警、滋賀県警、京都府警、兵庫県警
- 中国・四国
- 鳥取県警、徳島県警
- 九州
- 宮崎県警、鹿児島県警
中部地方は割と多いですね。
そして、西日本より東日本の都道府県警が多い印象。
一方、20代までしか受験できないのは以下の3つの県警のみ
- 熊本県警:高卒区分 27歳
- 沖縄県警:高卒・大卒区分 29歳
唯一沖縄県警のみ大卒も高卒も20代までしか受けることができません。
年齢制限を超えている人は近県や警視庁などを受験することを検討してみてください。
ただ、大学を卒業していなくても大卒区分で受験できる警察本部は多いので確認を。
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⇒ 警察官の給料は? 初任給や手取り、ボーナスなどまとめ
5.30代で受験しても受かるのか
年齢制限内であれば、もちろん30代でも合格することは可能です。
♦筆記試験の勉強は大変
ただ、現役の大学生や20代前半の受験者と比べると、勉強のブランクが長いため、筆記試験で苦戦する可能性は高いです。
筆記試験のメインとなる教養試験は試験科目が多く、出題範囲も広いです。
例えば警視庁では以下のような科目が出題されます。
政治、経済、社会、日本史、世界史、地理、思想・文芸、国語、物理、化学、生物、地学、英文、現代文、数的推理、判断推理、資料解釈
年度によって多少出題科目は変わりますが、だいたいこんな感じです。
30代で数的推理などの勉強は結構ツラい。
■並の体力があれば十分
また、体力試験もあるので最低限の基礎体力は必要。
ただ、警察官の体力試験はそこまで基準が高くないので、あまり心配はいりません。
警察官採用試験は消防士ほど体力に厳しくないです。
三重県警は体力試験を撤廃したくらい。
【関連記事】
⇒【警察官の体力試験】合格基準や種目のやり方をまとめてみた!
♦面接試験も対策を
そして一番重要なのは面接試験。
つい筆記試験対策だけに目が行きがちですが、最も配点が高いのは個人面接です。
なので本気で警察官を目指すのであれば、筆記試験並に面接対策にも注力してください。
できれば模擬面接も受けておきたいところ。
「30代である程度会話もできるし、ぶっつけ本番でいいや」と思っているとやられます。
「なぜ前職を辞めたのか」、「無職の期間は何をしていたのか」など深く聞かれると思うので、事前に想定問答をしっかり行うこと。
30代でも試験に受かっている人は普通にいるので、年齢だけで諦めないでくださいね。
6.紹介
♦SNSで注目のオンライン予備校
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⇒【公務員のライト】の公務員講座ってどう?評判や特徴を解説!
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費用をかけずに合格できたらコスパは最高ですね。
♦参考になる書籍
タイトルのとおり、警察官試験の概要が書かれているので採用試験ついて詳しく知りたい方にオススメです。
また、筆記試験の出題傾向も載っているので勉強中も活躍します。
★目次
- 警察官になるには? 早わかりガイド
- どんなところが出る? 教養試験の攻略法
- PART3 キミは解けるか? 過去問の徹底研究
- これで受かる? 実力判定&学習法アドバイス
- 付録 国語試験
毎年発行されているので最新版をチェックしてみてください。
7.おわりに
警察官採用試験の年齢制限について解説しました。
受験可能と分かれば、早めに試験対策に取り掛かりましょう。
公務員試験は、公務員予備校へ通ったり、通信講座を利用すると合格の可能性は上がります。
ただ、独学でも十分合格は可能です。
時間やお金など、自分の状況に合った勉強スタイルで合格を勝ち取りましょう。
警察官になれば将来安泰です。