ほとんどの警察官採用試験では体力試験が実施されています。

今回は警察官の体力試験で実施される、各種目のクリア基準や合格者の平均記録、得点基準の参考値などを紹介します。

後半には、各警察本部で体力試験の実施方法を解説している、動画を紹介しているので今後の参考にしていください。

ここで紹介するのは男性の体力基準なので、女性の基準については以下の記事をご覧ください。

【関連記事】⇒【女性警察官の体力試験】得点基準や平均記録などをお伝えします

目次

  1. 体力試験について
  2. 各種目の基準一覧
  3. 得点基準と合格者の平均点
  4. 公式動画で実施方法を紹介
  5. おわりに

1.体力試験について

まず47全ての警察本部が、体力試験の合格基準を公表しているわけではありません。

すべての警察本部を調べたので、受験案内などに体力試験の基準を表記している警察本部については、この記事で網羅していると思います。

各警察本部によって実施する種目数は異なり、5種目中2種目が基準以下であれば不合格、4種目中1つでも基準以下であれば不合格など、評価方法も違います。

また、体力試験は点数化するところと、点数化はせずに基準をクリアできるかどうかだけを見るところの、2パターンが存在。

ちなにみ全47都道府県警の体力試験の種目と配点については以下の記事で紹介しています。

【関連記事】⇒【警察官体力試験の内容と配点】志望の警察本部を簡単チェック

そして今回、体力試験の基準を記載しているのはこちらの11種目です。

  1. 20mシャトルラン
  2. 立ち幅跳び
  3. 上体起こし
  4. 握力
  5. 反復横跳び
  6. 腕立て伏せ
  7. 垂直跳び
  8. スクワット
  9. 長座体前屈
  10. バーピーテスト
  11. 時間往復走

注意を払って記載していますが、志望先のデータについては必ずご自身でも確認してください。

2.各種目の基準一覧

受験案内などの表記を参考に記載しています。

①:20mシャトルラン 

日本人男性の20~24歳の平均値は75.0回です。(スポーツ庁:令和2年度体力・運動能力調査結果)

  • 青森 :折り返し回数24回以上
  • 岩手 :上限75回/最低基準43回
  • 福島 :67回以上
  • 茨城 :43回
  • 新潟 :32回以上
  • 富山 :32回以上
  • 石川 :50回以上
  • 福井 :18回以上
  • 山梨 :18回以上
  • 長野 :例 32~49回:8点(20点満点)
  • 岐阜 :35回以上
  • 愛知 :32回以上
  • 京都 :67回
  • 兵庫 :50回以上
  • 和歌山:32回
  • 岡山 :43回以上
  • 山口 :43回以上
  • 愛媛 :65回以上
  • 長崎 :65回以上
  • 宮崎 :例 95回以上:5点 / 45~53回:1点
  • 鹿児島:44回以上
  • 沖縄 :60回

②:立ち幅跳び 

日本人男性の20~24歳の平均値は230.71㎝です。(スポーツ庁:令和2年度体力・運動能力調査結果)

  • 青森 :180㎝以上
  • 茨城 :195㎝
  • 新潟 :例 195㎝:5点 / 161㎝:0点(10点満点)
  • 福井 :162㎝以上
  • 山梨 :162㎝以上
  • 長野 :例 162~194㎝:8点(20点満点)
  • 岐阜 :200㎝以上
  • 静岡 :158㎝以下不合格
  • 愛知 :180㎝以上
  • 和歌山:195㎝
  • 徳島 :180㎝以上
  • 高知 :180㎝以上
  • 福岡 :225㎝以上
  • 佐賀 :204㎝以上
  • 大分 :205㎝以上
  • 宮崎 :例 260㎝以上:5点 / 200~222㎝:1点

③:上体起こし 

日本人男性の20~24歳の平均値は28.25回です。(スポーツ庁:令和2年度体力・運動能力調査結果)

基本的に30秒間計測。

  • 青森 :15回以上
  • 岩手 :上限32回/最低基準18回
  • 宮城 :標準20回/最低基準16回
  • 福島 :18回以上
  • 茨城 :21回
  • 神奈川:25回
  • 富山 :18回以上
  • 石川 :20回以上
  • 山梨 :12回以上
  • 長野 :例 17~22回:8点(20点満点)
  • 岐阜 :15回以上
  • 静岡 :21回以下不合格
  • 愛知 :18回以上
  • 京都 :24回
  • 大阪 :17回以上
  • 岡山 :21回以上
  • 徳島 :20回以上
  • 愛媛 :25回以上
  • 高知 :23回以上
  • 佐賀 :14回以上
  • 長崎 :25回以上
  • 大分 :20回以上
  • 宮崎 :例 33回以上:5点 / 20~23回:1点
  • 沖縄 :25回以上

④:握力 

日本人男性の20~24歳の平均値は45.56kgです。(スポーツ庁:令和2年度体力・運動能力調査結果)

  • 青森 :41㎏以上
  • 宮城 :標準42㎏/最低基準35㎏
  • 福島 :42㎏以上
  • 茨城 :37㎏
  • 神奈川:基準非公開
  • 福井 :37㎏以上
  • 山梨 :37㎏以上
  • 長野 :例 39~42㎏:8点(20点満点)
  • 岐阜 :35㎏以上
  • 静岡 :32㎏以下不合格
  • 愛知 :32㎏以上
  • 京都 :32㎏
  • 大阪 :平均35㎏以上(両手とも30㎏以上)
  • 岡山 :37㎏以上
  • 徳島 :37㎏以上
  • 愛媛 :45㎏以上
  • 福岡 :45㎏以上
  • 宮崎 :例 62㎏以上:5点 / 35~49㎏:1点

⑤:反復横跳び 

日本人男性の20~24歳の平均値は55.64回です。(スポーツ庁:令和2年度体力・運動能力調査結果)

ほとんどところで20秒間計測。

  • 岩手:上限54回/最低基準41回
  • 宮城:標準42回/最低基準36回
  • 福島:39回以上
  • 茨城:45回
  • 新潟:例 41回:5点 / 32回以下:0点(10点満点)
  • 富山:41回以上
  • 石川:43回以上
  • 山梨:31回以上
  • 長野:例 39~43回:8点(20点満点)
  • 岐阜:35回以上
  • 静岡:39回以下不合格
  • 愛知:41回以上
  • 京都:45回
  • 大阪:38回以上
  • 岡山:45回以上
  • 山口:45回以上
  • 徳島:36回以上
  • 愛媛:50回以上
  • 高知:43回以上
  • 福岡:50回以上
  • 長崎:50回以上
  • 宮崎:例 60回以上:5点 / 40~48回:1点
  • 沖縄:50回以上

⑥:腕立て伏せ 

2秒に1回ペースで実施するところが多いです。

普通の腕立て伏せと、足を台に置いて行うパターンがあります。

  • 岩手 :上限28回/最低基準17回
  • 宮城 :標準23回/最低基準14回
  • 茨城 :14回
  • 神奈川:25回
  • 新潟 :例 15回:5点 / 10回以下:0点(10点満点)
  • 富山 :15回以上
  • 石川 :18回以上
  • 山梨 :10回以上
  • 岐阜 :10回
  • 静岡 :19回以下不合格
  • 愛知 :12回以上
  • 京都 :10回
  • 大阪 :10回以上
  • 和歌山:24回
  • 徳島 :30回以上
  • 愛媛 :30回以上
  • 高知 :20回以上
  • 福岡 :30回以上
  • 佐賀 :9回以上
  • 長崎 :30回以上
  • 大分 :25回以上
  • 宮崎 :例 44回以上:5点 / 20~31回:1点
  • 鹿児島:9回以上
  • 沖縄 :30回

⑦:垂直跳び 

垂直跳びは文部科学省の新スポーツテストに種目にないので、正式な平均値は分かりませんが、調べたところ、20代前半の記録は約60㎝程度です。

  • 宮城:標準53㎝/最低基準45㎝
  • 福島:45㎝以上

⑧:スクワット 

平均値は不明です。

ただ、バーベルなど担がなければ20回くらいは簡単にできると思います。

  • 神奈川:20回

⑨:長座体前屈 

日本人男性の20~24歳の平均値は46.26㎝です。(スポーツ庁:令和2年度体力・運動能力調査結果)

  • 山梨:27㎝以上
  • 福岡:45㎝以上

⑩:バーピーテスト 

これも一般男性の平均値は不明です。

  • 大阪:2分間できること
  • 福岡:25回

⑪:時間往復走 

公益財団法人日本スポーツ協会のデータによると、12歳男子の平均値は40.5mです。

  • 和歌山:42m(15秒間)
  • 佐賀 :35m以上(15秒間)
  • 大分 :40m以上(15秒間)
  • 鹿児島:35m以上(15秒間)

3.得点基準と合格者の平均点

いくつかの警察本部では、回数ごとの得点や合格者の平均点を公表しているので、参考までに紹介します。

得点基準 

香川県警、宮崎県警、熊本県警が各回数ごとの点数を公表しています。

香川県警

反復=反復横跳び、シャ=20mシャトルラン、腕立=腕立て伏せ、上体=上体起こし

宮崎県警

腕立=腕立て伏せ、上体=上体起こし、反復=反復横跳び、立幅=立ち幅跳び、シャ=20mシャトルラン

熊本県警

合格者の平均点 

北海道警では、試験合格者の体力試験の平均、そして合格者の最高記録と最低記録を紹介しています。

受験者全員の記録ではなく、合格者の記録というのが非常に参考になりますね。

腕立て伏せ0回でも合格している人がいるようです。

北海道警:令和2年度体力試験合格者平均値

種目 合格者平均 合格者最高 合格者最低
握力(右) 44.9kg 67kg 29kg
握力(左) 42.7kg 70kg 23kg
腕立て伏せ 36.6回 50回 0回
バーピーテスト 29.9回 30回 20回
反復横跳び 49.1回 86回 14回
上体起こし 23.6回 35回 13回

4.公式動画で実施方法を紹介

以下の11の県警では、YouTube内の動画で体力試験の実施方法を紹介しています。

①宮城県警
②福島県警
③茨城県警
④神奈川県警
⑤愛知県警
⑥岡山県警
⑦徳島県警
⑧愛媛県警
⑨福岡県警
⑩佐賀県警
⑪鹿児島県警

これ以外の警察本部を志望される方にとっても参考になるはずです。

動画は基本的にどれもシュール。

また以下の4つの県警では、動画ではありませんが画像や文で実施要領を簡単に説明しています。

静岡県警、広島県警、高知県警、大分県警

①:宮城県警 

紹介種目】
・反復横跳び
・握力
・腕立て伏せ
・垂直跳び
・上体起こし

実践している人の雰囲気が何となくいい感じ。

オープニングとエンディングがなんともシュール。

【宮城県警公式YouTube
⇒『体力検査の紹介【宮城県警察採用試験対策】』

②:福島県警 

【紹介種目】
・反復横跳び
・垂直跳び
・握力
・上体起こし
・20mシャトルラン

シンプルにまじめに紹介しており、ダメなパターンも例示されています。

最後の動画の終わり方が少し古めかしい。

【福島県警公式YouTube
⇒『福島県警察官採用試験 体力検査対策』

③:茨城県警 

【紹介種目
・腕立て伏せ

腕立て伏せの方法のみ紹介しています。

男女それぞれ20秒と短い動画です。

④:神奈川県警 

【紹介種目
・腕立て伏せ
・腹筋
・スクワット
・握力

ナレーションのクセが強いです。

ピーガルくん、振り込まセンジャー、トラセンジャーの3人で実演しています。

⑤:愛知県警 

【紹介種目
・腕立て伏せ
・握力
・立ち幅跳び
・上体起こし
・反復横跳び
・20mシャトルラン

愛知県警のマスコット「コノハけいぶ」が実践してくれています。

着ぐるみを着ての実演、お疲れ様です。

【愛知県警公式YouTube
⇒『コノハけいぶが体力検査やってみた♪』

⑥:岡山県警 

【紹介種目
・反復横跳び
・上体起こし
・握力
・20mシャトルラン

採用係の職員さんが登場します。

試験実施方法だけでなく、コツやトレーニング方法も教えてくれます。

⑦:徳島県警 

【紹介種目
・腕立て伏せ
・上体起こし
・反復横跳び
・立ち幅跳び
・握力

警察学校の初任科生が実演しています。

少し緊張しているかも。

【徳島県警公式YouTube
⇒『警察学校で体力検査を展示してみた!!』

⑧:愛媛県警 

【紹介種目
・握力
・腕立て伏せ
・反復横跳び
・上体起こし
20mシャトルラン

生意気な部下(表記あり)が上司を撮影しています。

上司の心の声が面白い。

オープニングのキャラクターが気持ち悪い。

⑨:福岡県警 

【紹介種目
・バーピーテスト

バーピーのみですがシンプルに説明しています。

唯一バーピーの実践方法を紹介している動画なので、福岡県警以外にもバーピーテストが実施される警察本部を受験する人には、参考になると思います。

フォームがめちゃくちゃキレイです。

【福岡県警公式YouTube
⇒『バーピーテストの実施要領』

⑩:佐賀県警 

【紹介種目
・腕立て伏せ
・上体起こし
・立ち幅跳び
・時間往復走

動画前半は採用試験全般の説明をしています。

3分15秒あたりから体力試験の説明、4分ごろから種目のごとの実践動画です。

着ぐるみ2体が実践しています。

【佐賀県警公式YouTube
⇒『R3佐賀県警 職員採用試験案内』

⑪:鹿児島県警 

【紹介種目
・腕立て伏せ
・20mシャトルラン
・時間往復走

2分40秒あたりから体力検査の改正点、5分ごろから種目の実演です。

「薩摩剣士隼人」と「つんつん」が登場しています。

方言丸出しです。

【鹿児島県警公式YouTube
⇒『鹿児島県警察採用試験の体力検査解説!~鹿児島県警察×薩摩剣士隼人~』

その他の県警 

  • 静岡県警:ホームページで各種目を詳しく説明しています
  • 広島県警:受験案内で各種目の説明をしています
  • 高知県警:試験案内で腕立て伏せについて記載されています
  • 大分県警:写真を使って説明しています

5.おわりに

体力試験の基準や実施方法などを紹介しました。

警察官の体力基準はそれほど高くないので、体力に不安がある人でも、しっかり体力トレーニングを積めば合格できます。

今回紹介した基準と動画を参考に、体力作り頑張ってください。

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