公務員予備校大手のTACとLEC。

どっちの公務員講座を選ぶか迷っている人は多いと思います。

そこで今回はTACとLECの公務員講座について徹底比較。

学習スタイルや料金、特徴などさまざまな部分を比較してTACとLECの違いを解説します。

【この記事を書いた人】
政令市の消防士と行政職、町役場を経験
公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
YouTube ハチサン公務員

目次

  1. 【TACとLEC】概要・歴史
  2. 【TACとLEC】学習スタイル
  3. 【TACとLEC】校舎分布
  4. 【TACとLEC】合格実績
  5. 【TACとLEC】対応試験
  6. 【TACとLEC】価格
  7. 【TACとLEC】論文対策
  8. 【TACとLEC】人物試験対策
  9. 【TACとLEC】公開模試
  10. 【TACとLEC】特徴
  11. まとめ

1.【TACとLEC】概要・歴史

TACとLECのそれぞれの創業年です。

  • TAC
    経営母体の創業:1980年
    公務員講座開始:1994年
  • LEC
    経営母体の創業:1979年
    公務員講座開始:1987年

TAC 

TACはTAC株式会社が運営する「資格の学校TAC」のことで、公務員講座以外にもさまざまな資格講座を開講しています。

公務員講座が開始したのは1994年なのでやがて公務員講座の指導を始めて30年になります。

これはかなり長い。

2009年には国家総合職と外務省専門職試験を得意とする「Wセミナー」と事業統合。

さらなるパワーアップを果たしています。

LEC 

LECは株式会社東京リーガルマインドが運営する「LEC東京リーガルマインド」のことで、TACと同じくさまざまな資格講座を展開しています。

最初は財務・会計分野の講座からスタートしています。

そしてLECの公務員講座が始まったのはTACよりさらに前の1987年。

なんと約35年の歴史があります。

公務員試験業界ではトップレベルの歴史。

【講座の詳細 / 資料請求 / 申し込み】
【TAC】公式HP
⇒【LEC】公式HP

2.【TACとLEC】学習スタイル

公務員予備校の学習方法は通学講座と通信講座の2種類あります。

TACとLECどっちも通学と通信から選択することができます。

さらに通学でもWeb動画視聴は標準装備。

TAC 

TACの学習スタイルは「教室通学」、「ビデオ通学」、「Web通信」の3つ。

教室通学はTACの校舎に通って生講義を聞くことができます。

Web通信は自宅や図書館など好きな場所で講義動画を見ながら学習をすることが可能です。

ビデオ通学というのは通学して教室で生講義を聞くのではなく、用意されているビデオブースで動画講義を視聴します。

教室通学と通信講座と中間のようなスタイルで、自分の都合に合わせて集中した学習環境で学びたい人におすすめ。

ちなみにTACの教室通学の受講生はビデオブースも利用可能。

LEC 

LECの学習スタイルは「教室通学」と「Web通信」の2つ。

ただ、通学講座でも都合によっては教室に通えない時もあるかもしれません。

そんなときでもLECでは講義のライブ配信も行っているので、自宅で生講義を視聴することも可能です。

ライブ配信は通信生でも受講できます。

ライブだと勉強やってる感がありますよね。

3.【TACとLEC】校舎分布

TACとLECはどっちも大手なので全国各地に校舎が分布しています。

下の地図は分布図。

オレンジが校舎がある都道府県で、赤が2校以上設置されている都道府県。

ちなみにTACとLECの校舎はどっちも直営校と提携校の2種類があります。

提携校は本校とはサービス内容が異なるので気になる人は確認を。

TAC 

TACの校舎は全国に34校。

直営校が22校で提携校が12校。

LECよりも若干直営率が高め。

  • 【北海道・東北】(2校)
    札幌校、仙台校
  • 【関東】(14校)
    群馬校(提携)、大宮校、津田沼校、水道橋校、新宿校、早稲田校、池袋校、渋谷校、八重洲校、立川校、中大駅前校、町田校、横浜校、日吉校、
  • 【中部】(3校)
    富山校(提携)、金沢校(提携)、名古屋校
  • 【近畿】(4校)
    京都校、梅田校、なんば校、神戸校
  • 【中国・四国】(5校)
    岡山校(提携)、広島校、福山校(提携)、高松校(提携)、徳島校(提携)
  • 【九州・沖縄】(6校)
    福岡校、大分校(提携)、熊本校(提携)、宮崎校(提携)、鹿児島校(提携)、沖縄校(提携)

LEC 

LECの校舎は全国で51校。

直営校が30校で提携校が21校。

校舎の数は全国トップレベルです。

  • 【北海道・東北】(6校)
    札幌本校、北見駅前校(提携)、八戸中央校(提携)、弘前校(提携)、秋田校(提携)、仙台本校
  • 【関東】(16校)
    水戸校(提携)、大宮本校、所沢校(提携)、千葉本校、水道橋本校、池袋本校、新宿エルタワー本校、早稲田本校、渋谷駅前本校、立川本校、中野本校、町田本校、東京駅八重洲口校(提携)、日本橋校(提携)、新宿三丁目駅前校(提携)、横浜本校
  • 【中部】(7校)
    新潟校(提携)、富山本校、福井南校(提携)、金沢校(提携)、静岡本校、沼津校(提携)、名古屋駅前本校
  • 【近畿】(8校)
    京都駅前本校、京都本校、EYE京都本校、梅田駅前本校、EYE大阪本校、難波駅前本校、神戸本校、和歌山駅前校(提携)
  • 【中国・四国】(8校)
    松江殿町校(提携)、岡山本校、広島本校、山口本校、岩国駅前校(提携)、高松本校、松山本校、新居浜駅前校(提携)
  • 【九州・沖縄】(6校)
    福岡本校、佐世保駅前校(提携)、日野校(提携)、長崎駅前校(提携)、那覇本校、沖縄プラザハウス校(提携)

【詳しい解説記事】
⇒【TAC】の解説記事

⇒【LEC】の解説記事

4.【TACとLEC】合格実績

TACとLECでは合格実績のアピール方法が異なります。

合格率についてはTACもLECも公表していません。

TAC 

TACは毎年受講生の合格者実人数を公表しています。

過去6年間の合格者実人数は以下のとおり。

  • 2021年度:3,220人
  • 2020年度:2,995人
  • 2019年度:3,062人
  • 2018年度:3,468人
  • 2017年度:3,334人
  • 2016年度:3,170人

見てのとおり毎年約3,000人の公務員試験合格者を輩出しています。

TACの実績は抜群です。

LEC 

一方LECは、各公務員試験で上位合格者を多数輩出している所をアピールしています。

2021年度に上位合格者を輩出している公務員試験は以下のとおり。

1位合格

  • 国家総合職(大卒程度・工学)
  • 家庭裁判所調査官補(大卒程度)
  • 法務省専門職員(人間科学)法務教官A
  • 国家一般職(大卒程度・建築)
  • 食品衛生監視員
  • 千葉県(上級・建築)
  • 愛知県(心理)、愛知県(農学)
  • 長野県(大卒程度・農業)
  • 和歌山県(Ⅰ種・心理職)
  • 山口県(大卒程度・化学)
  • 横浜市(大卒程度・社会福祉)
  • 福岡市(上級行政事務(行政一般)・早期採用)

2位合格

  • 国家総合職(大卒程度・人間科学)
  • 家庭裁判所調査官補(院卒者)
  • 国家一般職(大卒程度・機械)
  • 法務省専門職員(人間科学)矯正心理専門職B
  • 東京都Ⅰ類B(行政一般方式)
  • 東京都Ⅰ類A(建築)
  • 東京都Ⅰ類B(建築一般方式)
  • 愛知県(農学)
  • 滋賀県(上級・警察事務)
  • 富山県(上級・警察事務)
  • 特別区Ⅰ類(建築)
  • 横浜市(大卒程度・社会福祉)
  • 厚木市(事務上級A)

3~10位合格者もLEC受講生から多数輩出。

LECの指導力の高さをうかがい知ることができます。

5.【TACとLEC】対応試験

公務員と言ってもいろんな種類の公務員がありますが、TACとLECにもさまざまな公務員講座が用意されています。

そこでTACとLECの公務員講座がどの公務員試験に対応しているかを一覧にまとめました。

各公務員試験に特化しているコースがあれば◎
特化しているコースはないれけど「包括的に対応しているコース」、「オプション追加で対応」、「公務員予備校が対応していると謳っている」ものについては〇で表示しています。

お互い抜群の守備範囲 

これを見るとTACとLEC、両方ともほとんどの公務員試験に対応していることが分かります。

これは2社とも公務員予備校トップレベルの守備範囲です。

特にLECの網羅性には右に出るものなし。

TACも高卒区分試験こそ対応していませんが、主要な公務員試験にはすべて対応。

さすがに「国立国会図書館職員専門対策コース」みたいなニッチ過ぎるなコースはありませんでした。

【講座の詳細 / 資料請求 / 申し込み】
【TAC】公式HP
⇒【LEC】公式HP

6.【TACとLEC】価格

TACとLEC、各職種向けの料金を表にまとめています。

示しているコースと料金は一例で、そのほかにもコースは複数あります。

また、料金は変動するので目安として見てください。

ちなみにTACとLECの通学講座と通信講座はどっちも料金の差がないか、それほど大きく変わらないので、ここでは通学講座の料金を示しています(TACは教室通学を明示)。

TACとLECの料金はそれほど大きく変わりません。

しかし外務省専門職と法務省専門職を目指すコースには大きな価格差が見られます。

TACの外務省専門職コースは約56万円と高額ですが、「外務省専門職採用試験」の合格者は例年TAC受講生が大半を占めています。

なので高くても支払う価値のあるコースもあるということ。

この表を見てもだいたいTACとLECは同じ価格帯だということが分かります。

おそらくお互いに相手の価格をかなり意識して料金を設定しているのでしょう。

一方、心理職・及び福祉職を目指すコースについては大きな価格差が見られます。

TACとLECどっちも心理職・福祉職を目指すコースは複数用意されていますが、全体的にLECの方が料金は高めです。

7.【TACとLEC】論文対策

TACとLECどっちも論文対策があります。

TAC 

TACでは論文対策講義が3回、論文演習が1回、合計4回の論文対策を受けることができます。

そして書いた論文を提出すれば評価付きで丁寧に添削してくれます。

そして嬉しいことに添削の回数は無制限。

苦手な人はどんどん書いて文章力を磨きましょう。

専門記述も添削可能。

LEC 

LECの論文対策は「論文マスター」というテキストを使いながら講義を4回実施しています。

さらに、実際に論文を書くことができる答練編も4回実施。

書いた論文は添削してもらうことができます。

また、講義以外でも論文を持ち込むと添削してもらえます。

ただし論文指導を行っていない本校もあるので注意。

【詳しい解説記事】
⇒【TAC】の解説記事

⇒【LEC】の解説記事

8.【TACとLEC】人物試験対策

主に2次試験以降で実施される人物試験。

面接などの対策は、筆記試験と違い一人で対策するのはなかなか難しいので、公務員予備校の力を借りたいところ。

そこでTACとLECの人物試験対策がどれくらい充実しているのかを表にまとめました。

さすがTACとLEC。

ほぼすべての人物試験対策を実施しています。

料金にふさわしい充実度です。

TAC 

TACは担任講師制度なので、担任の指導を通して少しずつ実力に磨きをかけていくことができます。

そして、TACの面接対策で嬉しいのが「面接復元シート」をもらえること。

各官公庁の面接試験は具体的な試験内容が受験案内に書かれていないので、どんな雰囲気なのか分からないですよね。

「面接復元シート」には、そんな全国の官公庁の試験内容における情報が過去3年分しっかりと記録されています。

先人たちの情報はかなり役に立ちますね。

LEC 

LECの面接対策で優れているのは、早期から模擬面接を受けられること。

他の公務員予備校では1次試験が終わってからや1次試験合格者に限定して模擬面接を実施しているところもありますが、LECではその前から模擬面接を受けることができます。

2次試験の時期が近づくと模擬面接の予約は混雑してくるので早めから対策できるのはありがたい。

もちろん回数無制限。

また、模擬面接を動画収録して、動画を見ながら講評してくれる校舎もあります。

9.【TACとLEC】公開模試

公務員試験を受ける上では、実力試しかつペース配分等の予行演習になる模試を受けるのは必須。

中堅公務員予備校や小規模公務員予備校だとなかなか模試を実施することは難しいですが、TACとLECは大手だけあって全国規模の公開模試を実施しています。

模試を受けるのはTACとLECの受講生だけでなく、独学者やほかの予備校生も受験します。

なので受験者は毎回多数。

TAC 

TACの模試は行政系公務員から公安系公務員までさまざまな試験種に対応しています。

2022年度の実施回数は15回でした。

  • 国家総合職(大卒)
  • 国家一般職
  • 国税専門官
  • 財務専門官
  • 労働基準監督官A
  • 裁判所一般職
  • 外務専門職
  • 特別区Ⅰ類
  • 東京都Ⅰ類
  • 地方上級
  • 市役所
  • 東京消防庁消防官
  • 消防官(大卒)
  • 警視庁警察官(Ⅰ類)
  • 警察官(大卒)

LEC 

LECはTACの模試よりもさらに種類が豊富。

2022年度の実施回数は34回。

  • 国家総合職
  • 国家一般職
  • 家庭裁判所調査官補
  • 労働基準監督官
  • 国税専門官
  • 財務専門官
  • 法務省専門職員(人間科学)
  • 東京都I類B
  • 東京特別区I類
  • 地方上級
  • 北海道庁
  • 市役所
  • 消防官
  • 東京消防庁
  • 警察官
  • 警視庁
  • 国立大学法人等職員
  • 経験者採用
  • 高卒程度公務員

【講座の詳細 / 資料請求 / 申し込み】
【TAC】公式HP
⇒【LEC】公式HP

10.【TACとLEC】特徴

TACとLECの特徴として、それぞれのメリットとデメリットを紹介します。

TAC 

TACのメリット

  • 大手の安心感
  • 講義を柔軟に受講できる
  • 安定して合格者を輩出
  • 専用サイトでいつでも質問可能
  • 網羅された面接対策
  • 技術職にも強い
  • 外務省専門職なら無双

TACのデメリット

  • 公安系の合格者は相対的に少なめ
  • 受講生が多い
  • そこまでデジタル化されていない

LEC 

LECのメリット

  • 大手の安心感
  • 校舎数が多い
  • 個別サポートが充実している
  • 幅広い公務員試験に対応
  • 定評のある教材
  • 2次試験対策が充実
  • 47都道府県の対策あり

LECのデメリット

  • 講師のレベルにバラつきあり
  • 面接の予約が混雑することも
  • 年間合格者数の公表なし

11.まとめ

TACとLECの公務員講座の違いを比較しました。

紹介したとおり、TACとLECのサービスはどっちも申し分ありません。

もちろんパーフェクトな公務員予備校というものはありませんが、TACとLECであれば大外れすることはありません。

あとは自分がどこに住んでいるのか、どの公務員試験を受けるのか、どういったところを重要視するかなど、きちんと自分の環境に合わせて最適な方を選んでください。

下のTAC/LEC公式ホームページから申し込むこともできますが、もっと詳しく知りたい方はTACとLECそれぞれの解説記事を読むか、資料請求をしてより理解を深めるのもアリです。

【講座の詳細 / 資料請求 / 申し込み】
【TAC】公式HP
⇒【LEC】公式HP

【詳しい解説記事】
⇒【TAC】の解説記事

⇒【LEC】の解説記事