公務員予備校を選ぶ際、その予備校の合格率がどのくらいなのか気になりますよね。
中でも知名度の高いTACの合格率について関心がある人は多いかもしれません。
そこで今回はTACの公務員試験の合格率についてまとめました。
【この記事を書いた人】
・政令市の消防士と行政職、町役場を経験
・公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
・YouTube ⇒ ハチサン公務員
★目次
- TACの気になる合格率は…
- TACの最終合格者数
- TACの試験別の最終合格者数
- TACの試験別の最終合格者占有率
- まとめ
1.TACの気になる合格率は…
♦TACは合格者数と占有率を公表
まず結論ですが、TACは公務員試験の合格率を公表していません。
というより、ほとんどの公務員予備校は合格率を出していません。
公務員予備校に行っても誰でも簡単に合格できるわけではないので、どの公務員予備校もインパクトに残るくらい高い合格率ではなのでしょう。
その代わりに合格者の人数や受講生の合格者占有率を公表しているところはいくつかあります。
TACもこれに該当しており、合格者数といくつかの公務員試験の合格者占有率を公表しています。
♦EYEは公表している
ちなみに私が知る限り、公務員予備校の有名どころで合格率を公表しているのは「EYE公務員試験予備校」だけです。
EYEの2022年度最終合格率は以下のとおり。
最終合格者(221名)÷受験者(313名)=合格率:70.6%
1次試験に限ると合格率は89.4%。
かなり高い合格率だけあって堂々と公表しています。
【EYEの詳しい解説記事】
⇒ 面倒見抜群【EYE公務員試験予備校】評判・実力をガチ解説!口コミも
2.TACの最終合格者数
♦実人数を紹介
TACは他の公務員予備校と同様に合格率を公表していないので、最終合格者数と占有率を紹介します。
ここで紹介する最終合格者数は、TACの各年における最終合格者数の合計実人数です。
実人数とは1人が2つ試験に合格した場合に最終合格者数を1人とカウントする考え方。
一方、延べ人数は1人が2つの試験に合格した場合、最終合格者数を2人とカウントしています。
極端な話、5人が公務員試験を受験して、4人がどこにも受からなくても、優秀な1人が5か所から内定をもらえば、延べ人数では最終合格者数は5人とカウントされてしまいます。
なのでより重要なのは実人数。
♦過去6年間の最終合格者数
TACの2016~2022年度までの過去7年間における合格者実人数です。
- 2022年度:2,843人
- 2021年度:3,220人
- 2020年度:2,995人
- 2019年度:3,062人
- 2018年度:3,468人
- 2017年度:3,334人
- 2016年度:3,170人
大手だけあって毎年約3,000人もの公務員試験合格者を輩出しています。
TACの実績は十分。
ただ合格者が多いということは不合格者も一定数いるということ。
【講座の詳細 / 資料請求】
⇒ TACの公式ホームページ
3.TACの試験別の最終合格者数
続いてTAC受講生の具体的な公務員試験種別の最終合格者数。
カウントされているのは主に大卒程度区分の合格者です。
♦②2022年度の最終合格者
個別の人数なので合計すると延べ5,314人です。
■国家公務員
- 国家総合職(大卒) :136名
- 国家総合職(教養区分) :49名
- 国家総合職(院卒・行政区分):24名
- 国家総合職(その他) :8名
- 国家一般職(大卒) :1,020名
- 国税専門官 :814名
- 財務専門官 :132名
- 労働基準監督官 :32名
- 外務専門職 :54名
- 裁判所総合職 :4名
- 裁判所一般職(大卒) :440名
- 衆議院事務局(大卒) :3名
- 国立国会図書館(大卒) :1名
- 防衛省専門職 :40名
- 自衛隊幹部候補生 :24名
- 航空管制官 :4名
- 皇宮護衛官 :3名
- 食品衛生監視員 :1名
- 海上保安官 :1名
- 法務省専門職(人間科学) :1名
- 農林水産省獣医系技術職 :1名
- 農林水産省畜産系技術職 :1名
- 農林水産省水産系技術職 :2名
- 特許庁意匠審査職員 :1名
- 防衛省防衛研究所研究職 :1名
さすがのTAC、さまざまな公務員試験で合格者を輩出しています。
しかも国家一般職だけで合格者1,000名を出しているビッグスケール。
■地方公務員&そのほか
- 特別区Ⅰ類 :650名
- 東京都Ⅰ類A :17名
- 東京都Ⅰ類B :238名
- 道府県庁上級 :508名
- 政令指定都市上級 :405名
- 市町村上級 :323名
- 警視庁警察行政職員Ⅰ類 :4名
- 警視庁警察官Ⅰ類 :61名
- 警察官(大卒) :93名
- 東京消防庁消防官Ⅰ類 :59名
- 消防官(大卒) :56名
- 国立大学法人等 :61名
- 独立行政法人 :10名
- その他公務員 :32名
地方公務員でも多くの合格者を出しています。
行政系に比べると公安系はそれほど多くないかも。
♦②2021年度の最終合格者
個別の人数なので合計すると延べ6,064人です。
■国家公務員
- 国家総合職(大卒) :151名
- 国家総合職(教養区分) :30名
- 国家総合職(院卒・行政区分):21名
- 国家総合職(その他) :10名
- 国家一般職(大卒) :1,286名
- 国税専門官 :873名
- 財務専門官 :179名
- 労働基準監督官 :43名
- 外務専門職 :48名
- 裁判所総合職 :6名
- 裁判所一般職(大卒) :296名
- 衆議院事務局(大卒) :4名
- 参議院事務局(大卒) :4名
- 参議院法制局 :1名
- 国立国会図書館(大卒) :2名
- 防衛省専門職 :37名
- 自衛隊幹部候補生 :18名
- 皇宮護衛官 :7名
- 食品衛生監視員 :3名
- 海上保安官 :4名
- 法務省専門職(人間科学) :1名
2021年度、TAC受講生の国家一般職の合格者はなんと1,200人超え。
衆参議員事務局や参議院法制局にも合格者を出しています。
■地方公務員&そのほか
- 特別区Ⅰ類 :685名
- 東京都Ⅰ類A :9名
- 東京都Ⅰ類B :69名
- 道府県庁上級 :637名
- 政令指定都市上級 :560名
- 市町村上級 :532名
- 警視庁警察行政職員Ⅰ類 :6名
- 東京消防庁Ⅰ類事務 :2名
- 警視庁警察官Ⅰ類 :85名
- 警察官(大卒) :134名
- 東京消防庁消防官Ⅰ類 :56名
- 東京消防庁消防官(専門系) :1名
- 消防官(大卒) :98名
- 国立大学法人等 :100名
- 独立行政法人 :21名
- その他公務員 :45名
特別区、都道府県庁、政令指定都市など地方上級採用試験に約2,000人が合格。
市町村にも500名以上の合格者を輩出。
♦③2020年度の最終合格者
個別の人数なので合計すると延べ4,675人です。
■国家公務員
- 国家総合職(大卒) :118名
- 国家総合職(教養区分) :23名
- 国家総合職(院卒・行政区分):15名
- 国家総合職(その他) :6名
- 国家一般職(大卒) :765名
- 国税専門官 :574名
- 財務専門官 :105名
- 労働基準監督官 :46名
- 外務専門職 :40名
- 裁判所総合職 :5名
- 裁判所一般職(大卒) :188名
- 衆議院事務局一般職(大卒) :5名
- 参議院事務局総合職(大卒) :3名
- 防衛省専門職 :26名
- 自衛隊幹部候補生 :23名
- 航空管制官 :4名
- 皇宮護衛官 :4名
- 食品衛生監視員 :2名
- 海上保安官 :2名
- 法務省専門職(人間科学) :1名
- 農林水産省水産系技術職 :2名
2021年度に比べると合格者の数は少ないですが、国家一般職と国税専門官は500名以上合格しています。
この2つ採用試験は採用数が多いってのもあります。
■地方公務員&そのほか
- 特別区Ⅰ類 :354名
- 東京都Ⅰ類A :17名
- 東京都Ⅰ類B :126名
- 道府県庁上級 :721名
- 政令指定都市上級 :529名
- 市町村上級 :480名
- 警視庁職員Ⅰ類 :3名
- 東京消防庁Ⅰ類事務 :2名
- 警察官(大卒) :128名
- 消防官(大卒) :161名
- 国立大学法人等 :167名
- 独立行政法人 :2名
- その他公務員 :28名
警視庁や東京消防庁の事務職という割とレアな公務員試験でも合格者を出しています。
また、地方公務員だけでなく、国立大学法人等職員採用試験にも多数の合格者が。
♦④国家総合職の最終合格者内訳
試験ごとの合格者を紹介しましたが、次はTAC受講生のうち、国家総合職採用試験の合格者がどの省に内定したか内訳を紹介します。
データは2023年1月31日までに判明していたもの。
■2022年度
- 外務省
- 警察庁
- 厚生労働省
- 環境省
- 出入国在留管理庁
- 財務省
- 防衛省
- 文部科学省
- 法務省
- 金融庁
- 国土交通省
- 国税庁
- 総務省
- 経済産業省
- 農林水産省
- 人事院
- 消費者庁
- 公安調査庁
- 海上保安庁
- 公正取引委員会
■2021年度
2021年度の合格者は人数のデータもあります。
- 外務省 :8名
- 警察庁 :2名
- 厚生労働省 :5名
- 環境省 :2名
- 出入国在留管理庁:3名
- (独)造幣局 :1名
- 財務省 :8名
- 防衛省 :5名
- 文部科学省 :7名
- 法務省 :4名
- 特許庁 :1名
- 金融庁 :3名
- 国土交通省 :10名
- 国税庁 :1名
- 会計検査院 :1名
- 林野庁 :1名
- 総務省 :7名
- 経済産業省 :1名
- 農林水産省 :6名
- 内閣府 :5名
- 人事院 :1名
- (独)国立印刷局:1名
TACからさまざまな省庁に合格者を輩出しています。
ちなみにここ数年採用人数が多いのは国土交通省、農林水産省、厚生労働省、総務省の4省。
令和5年度の国土交通省における国家総合職の採用予定数は院卒・大卒合わせて131人。
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⇒ これが大手か【TACの公務員講座】評判やデメリットなど解説
4.TACの試験別の最終合格者占有率
♦占有率の考え方
続いて各公務員試験の最終合格者の占有率。
合格率とはまた別の数値です。
例えば、A自治体合格者におけるTAC受講生の占有率は以下のように計算します。
TAC受講生の合格者÷A自治体合格者=TAC受講生の占有率。
つまり合格者のうち、TACの受講生が何割占めているのかというデータです。
合格者100人のうち10人がTAC受講生であれば占有率は10%。
♦主な試験種のTAC生占有率
2020年度から2022年度のTAC受講生の占有率をまとめた表です。
占有率の高さで色分けしています。
これを見ると多くの試験種でTAC受講生の占有率が高いことが分かります。
採用試験を受けるのはTAC受講生以外にも、さまざまな公務員予備校の受講生や独学の人もいます。
世の中には予備校が20以上あるので、そう考えるとこの占有率がいかに高いか理解できるのではないでしょうか。
占有率20%で5人に1人を占有しているということになります。
公務員試験の中でも東京都と名古屋市の占有率が特に高い。
♦無敵の外務省専門職員採用試験
主な公務員試験の占有率を紹介しました。
そのほかにTAC受講生の占有率が群を抜いて高い試験種があります。
それが外務省が独自に実施している「外務専門職員採用試験」です。
TACのブランドであるWセミナーの受講生が合格者の大半を占めています。
以下は過去11年間のTAC(Wセミナー)受講生の最終合格者占有率です。
- 2022年度:98.2%
- 2021年度:92.3%
- 2020年度:78.4%
- 2019年度:87.5%
- 2018年度:89.8%
- 2017年度:87.5%
- 2016年度:83.3%
- 2015年度:90.0%
- 2014年度:85.0%
- 2013年度:76.3%
- 2012年度:83.3%
先ほどの占有率の紹介を見た方であれば、この占有率がビックリするくらい高いことが分かると思います。
11年間のTAC受講生の平均占有率は約87%。
そして2022年度は驚異の98.2%。
最終合格者55名のうち、54名がTAC(Wセミナー)受講生でした。
【EYEの詳しい解説記事】
⇒ 【表にまとめ徹底比較】TACとLECの公務員講座どっちがいい?
5.まとめ
TACの合格率は不明でしたが、合格者数と合格者占有率を紹介しました。
合格率は気になるところですが、実績は申し分ないので、実績重視で公務員予備校を選びたい方は是非TACの公務員講座を検討してみてください。
以下の記事でTACの公務員講座について詳しく解説しています。
【関連記事】
⇒ これが大手か【TACの公務員講座】評判やデメリットなど解説
【講座の詳細 / 資料請求】
⇒ TACの公式ホームページ