今回は消防士を目指す方に向けた記事。
みなさん新人消防士の仕事についてどんなイメージを持っていますか?
「筋トレ!訓練!出動!」そんなイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかし、実際には新人の仕事と言えば「雑用!雑用!雑用!」の毎日です。
各消防局や配属された消防署によって多少の違いはあると思いますが、どこの消防署でも雑用が仕事のメインになってきます。
訓練の合間に雑用をこなさないといけないので、ある意味新人が一番忙しいかもしれません。
いや、雑用の合間に訓練をするという表現の方が正しいかも。
- 【この記事を書いた人】
- 政令市の消防士、町役場の行政職員、政令市の行政職員を経験
- 公務員試験は独学・予備校利用の両方で合格した経験あり
- YouTubeも始動 ⇒「3回公務員 ケイゴ」
★目次
- 新人のスケジュール
- 新人の仕事について
- 家事など生活力が上がる
- こんな時に出動かよ!ランキング
- まとめ
1.新人のスケジュール

消防士として採用されるとまず半年間、消防学校で消防についての基本を学び、その後各所属に戻って消防署勤務が始まります。
今回は私が消防学校を卒業し、政令指定都市の新人消防士だった頃の1日のスケジュールを公開したいと思います。
ちなみに出動がかかればスケジュール通りに行動はできません。
今回のスケジュールは、出動がない日の新人の1日のスケジュールです。
ちなみに当時、一日の流れをメモしていたので割と細かいスケジュールです。
♦午前のスケジュール
午前中は慌ただしく時間が過ぎていきます。
- 7:45頃
- 出勤
- 前の当番に挨拶を済ませ、活動服に着替える
- 事務処理
- 8:20頃
- 消防車や救急車の点検(ライトが点灯するかなど)
- 夏場は車に積んである保冷材の交換
- 8:30頃
- 前の当番と勤務交代
- 資器材の点検(梯子はちゃんと伸びるか、防火衣に異常はないか、呼吸器の残圧の確認まど)
- 9:00頃
- 訓練(ホースの延長、想定訓練など)
- 10:00頃
- 先輩にコーヒーを出す
- 洗濯物があればたたんでおく
- 台所の整理(コーヒーの補充、やかんのお湯を沸かす、台拭きなど)
- 昼ご飯を先輩に確認(弁当を持ってきていない人の分は出前を取る)
- 10:30頃
- 事務処理
- 11:00頃
- 夕ご飯のメニューを考える(必要な食材は業者にFAXする)
- 11:30頃
- 昼ごはんの準備(弁当の受け取り、台拭き、箸・調味料の準備など)
- 12:00頃
- 昼食
- 後片付け(皿洗いやお茶の補充など)
- 12:30頃
- 休憩
♦午後のスケジュール
夜になると割と自由な時間があります。
- 13:00
- 先輩へコーヒー出し
- 昼の業務(訓練、避難訓練、査察、事務処理など)
- 16:30頃
- 風呂掃除
- 布団敷き
- 17:00頃
- 夕刊を持ってくる
- 夕食の準備
- 国旗などの旗を降ろす
- 暗くなったら消防署の外のライトを点灯
- 18:30頃
- 夕食
- 19:00頃
- 後片付け
- 先輩へコーヒー出し
- 19:30頃
- 先輩とトレーニング(筋トレ、ランニング、訓練など)
- 自由時間
- 22:00頃
- 庁舎の戸締り、車庫のシャッターを閉める
- ごみ捨て
- 自由時間(風呂に入ったり、消防法の勉強したり)
- 24:00頃
- 仮眠
♦翌日のスケジュール
翌日は前日に比べて忙しくないけど、勤務交代前に指令がかかることもよくあります。
- 6:20頃
- 起床
- 庁舎の開錠
- 朝刊の準備
- 国旗など旗を揚げる
- コーヒーの準備
- 洗濯物をたたむ
- 明るくなったら消防署の外のライトを消す
- 7:00頃
- 朝の放送が流れるので確受
- 車庫のシャッターを開ける
- 消防車や救急車を磨く
- 7:15頃
- 無線テスト
- 7:20頃
- コーヒー出し
- 事務処理
- 7:30頃
- 朝食の準備
- 7:40頃
- 朝食
- 8:00頃
- 台所の片づけ
- 次の当番の人が来たら挨拶し、コーヒーを出す
- 8:20頃
- 消防車や救急車の点検(ライトが点灯するかなど)
- 8:30頃
- 次の当番と勤務交代
- 朝食を保存したり廃棄したり整理
- 着替える
- 9:00頃
- 帰る
割と細かくメモを書いていたので、記事を書きながら当時のことを思い出しました。
これを見てもらうと分かる通り、やっぱり雑用が多いです。
勤務中に出動した場合は、出動していない先輩が代わりに雑用をやってくれることが多いです。
2.新人の仕事について
♦仕事は24時間勤務
基本的に新人消防士は現場に配属されます。
現場で働く消防士は24時間勤務です。
24時間勤務と聞くと寝る時間がないと思うかもしれませんが、きちんと仮眠は取れますし、仮眠中も勤務時間に含まれます。
もちろん仮眠中に指令がかかれば、起きて出動しなければなりません。
忙しい地域の救急隊員は、夜中の仮眠時間でも出動することが多いです。
一方で、消防隊として田舎の方に配属された場合、仮眠時間に出動することは滅多にありません。
配属先によって出動の頻度は大きく異なります。
♦食事を作ることも新人の仕事
消防署での食事は、基本的に自炊することが多いです。
消防署によって夜のみ自炊するところ、朝・昼・晩の3食自炊するところなど様々です。
私の勤務していた消防署では、基本的に夜だけ自炊していました。
ご飯を作るのは若手職員の仕事なので、新人ももちろん一緒に作ります。
大半の新人は料理をしたことがないので、最初は包丁で指を切ったり苦労するかもしれません。
料理が得意な人は、調理方法を覚える必要がないので、苦労が少なくて済みますね。
内定もらった後にでも、料理の練習をしておくと楽かも。
【関連記事】消防士の身長・体重制限が気になる方はこちら
⇒ 低身長だと消防士になれない?主要消防の身長・体重制限一覧!
3.家事など生活力が上がる
消防士は24時間消防署で生活する必要があるので、消防署で過ごす上で必要な家事を新人が率先して行います。
- 掃除
- 洗濯
- 食材の買い出し
- 料理
- 皿洗い
- 布団敷き
- その他いろいろ
嫌でもこういった家事ができるようになるんです。
他にも、救急車や消防車などを運転するため、大きい車を運転することに慣れます。
ロープの結び方を勉強するので、日常でひもで何かを結ぶ時に役に立ちます。
救急の知識もあるので、体調が悪い人がいれば応急処置をすることも可能。
消防士になると、業務を通じてかなり生活力が上がり、何でもできるようになります。
4.こんな時に出動かよ!思うランキング

指令の放送が流れると、どんな時でも出動しなければなりません。
でもたまに「今かよっ!」っていう嫌なタイミングで指令がかかってしまう時があります。
ここでは個人的に嫌だった出動のタイミング上位6つを発表します。
6位:食事中
せっかく出来立ての温かい料理を食べていても、食べている途中に指令がかかれば、かき込んで食べるか残して出動しなければなりません。
出動から戻ったころには冷めているので、電子レンジで温めなおして残りを食べます。
5位:料理中
料理の途中で出動すれば、出動していない先輩が代わりに料理を作ってくれることが多いです。
出動から戻ったら先輩にお礼を言いますが、申し訳ない気持ちになります。
4位:筋トレ・訓練直後
筋トレで体を追い込んだ後や、防火衣を着て行う訓練の後は、体がかなり疲れています。
そんな体力が消耗している状態で、指令がかかってももちろん出動しなければなりません。
特に、夏の訓練直後の出動は体にこたえます。
3位:うんこ中
焦ります。
急いで出し切って、急いでお尻を拭きます。
2位:入浴中
出動するまでに急いで泡を落とし、ある程度体を拭き、濡れた状態で服を着て、その上に防火衣まで着なければならないのでかなりバタバタします。
しかも、風呂で体をキレイにした後に、現場活動で汗をかくので、何とも言えない気持ちになります。
1位:仮眠中
やっぱり寝てる最中の出動が一番きついです。
リラックス状態から一気に緊張状態になるので。
寝られなかった分、勤務明けに家でグッタリ寝ることもあります。
以上。
5.まとめ
なんとなく新人消防士のイメージはできましたか?
これは勤務の一例で、配属先によって忙しさは全然違います。
消防士を目指す人の参考になったら幸いです。
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♦【消防士】各予備校の料金などを比較!
消防士を目指す場合、どの公務員予備校を選べばいいか迷いますよね。
以下の記事では公務員予備校10校の料金や特徴、通学はあるのか?通信はあるのか?など分かりやすくまとめています。
⇒ 消防士を目指せる予備校!おすすめ14校の料金・特徴を比較してみた