書店で公務員試験の参考書を見ると、よく実務教育出版の名前を見かけますよね。
なので出版社のイメージが強いですが実は公務員講座もやっているんです。
そこで今回は実務教育出版の公務員講座の特徴、評判、メリット・デメリットなどを解説していきます。
【この記事を書いた人】
・政令市の消防士と行政職、町役場を経験
・公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
・YouTube ⇒ ハチサン公務員
★目次
- 実務教育出版の基本
- コースと料金
- 実務教育出版のメリット
- 実務教育出版のデメリット
- 評判・口コミ
- 他の予備校との料金比較
- 他の予備校との特徴比較
- 実務教育出版をオススメする人
1.実務教育出版の基本
♦実務教育出版とは
実務教育出版は主に公務員試験対策の参考書を出版している出版社です。
創業は1927年。
100年近い歴史があります。
公務員試験の関連書籍の販売では圧倒的な強さを見せています。
例えば、公務員試験の参考書でお馴染みの「新スーパー過去問ゼミ」や「過去問500」、「受験ジャーナル」などは全て実務教育出版が出版しています。
そんな実務教育出版ですが、実は出版業だけではなく公務員講座も実施しているんです。
公務員講座がいつ開始されたのかは不明ですが、長年公務員試験の関連書籍を出版しているため、ノウハウはばっちり。
♦実務教育出版の学習スタイル
実務教育出版の公務員講座は通学ではなく通信講座です。
勉強方法は各コースで若干異なりますが、基本はテキストでインプット、ワークブックでアウトプットしていく感じ。
それに加えて「Jトレプラス」というWebサイトで過去問を解くことも可能です。
テキストとワークブックは公務員講座用のものを使いますが、警察官・消防官コースのみ、「警察官・消防官新スーパー過去問ゼミ」を使用しています。
基本的に動画講義はありませんが、Jトレプラスに「面接レッスンVideo」が収録されています。
2.コースと料金
現時点でメインのコースが4つ、そのほかのコースが5つの合計9つあります。
料金・講座内容は変わるので目安として見てください。
♦料金一覧
- 大卒程度 公務員総合コース(教養+専門行政系)
・91,300円 - 大卒程度 公務員総合コース(教養のみ)
・66,000円 - 大卒程度 公務員択一攻略セット(教養+専門行政系)
・60,500円 - 大卒程度 公務員択一攻略セット(教養のみ)
・44,000円 - 大卒程度 市役所教養トレーニングセット
・29,700円 - 大卒程度 警察官・消防官一次試験対策セット
・18,150円 - 高卒・短大卒程度公務員セット
・35,200円 - 経験者採用試験コース
・77,000円 - 経験者採用試験(論文・面接試験対策)コース
・38,500円
♦主なコースの内容
以下の4つが主なコースです。
■①大卒程度 公務員総合コース(教養+専門行政系)
大卒行政系公務員全般を目指せるコース。
一番講座の内容が充実しています。
実務教育出版の公務員講座の中では一番料金が高いです。
■②大卒程度 公務員総合コース(教養のみ)
①の「大卒程度 公務員総合コース(教養+専門行政系)」から専門科目の学習を省いたコース。
専門科目は自分で勉強する、専門科目がない官公庁を受験する、そんな人におすすめです。
「大卒程度 市役所教養トレーニングセット」と少し内容が似ていますが違います。
■③大卒程度 公務員択一攻略セット(教養+専門行政系)
①の「大卒程度 公務員総合コース(教養+専門行政系)」から面接・論文対策、模試などを省いたコースです。
教養試験と専門試験の学習に特化しています。
択一試験以外は自分で対策しようと考えている人向け。
■④大卒程度 公務員択一攻略セット(教養のみ)
②の「大卒程度 公務員総合コース(教養のみ)」から面接・論文対策、模試などを省いたコースです。
教養科目の試験対策に特化しています。
その分、金額も手頃。
3.実務教育出版のメリット
実務教育出版の公務員講座のメリットは以下の7つです。
- 料金が安い
- スマホでテキストが見られる
- Webで過去問が解ける
- 質問サポートあり
- 無料で模試が受けられる
- 面接カード&論文添削
- 受験ジャーナルがもらえる
♦メリ①料金が安い
実務教育出版の講座料金はほかの通信講座と比べて安いです。
例えば、地方上級や国家一般職を目指せる「大卒程度 公務員総合コース(教養+専門行政系)」の受講料金は91,300円。
一方、他の公務員予備校における通信講座の料金は、平均すると約25万円前後。
つまり平均の半分以下で講座を受講することができます。
そのほかのコースも全体的に安い。
ほかの公務員予備校との詳しい料金比較は後述しています。
♦メリ②スマホでテキストが見られる
実務教育出版で使うテキストは基本的に製本されたものです。
しかしそれだけではありません。
教養科目と専門科目のテキストはスマホで閲覧することもできます。
PDF化されたテキストもあるのでPC、スマホ、タブレットなどで読むことが可能。
これなら外出先のスキマ時間に気軽に勉強できますね。
「大卒程度 警察官・消防官一次試験対策セット」、「経験者採用試験(論文・面接試験対策)コース」は対象外。
♦メリ③Webで過去問が解ける
さらに過去問もWebで解くことが可能です。
講座受講生は、過去問が複数収録された「Jトレプラス」という受講生用の学習Webサイトが利用できます。
収録されているのは五肢択一式や穴埋めチェック、ミニテストなど。
これを利用すればインプットのみならずアウトプットも外出先で可能です。
通勤や通学時間にいいかも。
しかも過去問を難易度や重要度別に検索できる優れもの。
「大卒程度 警察官・消防官一次試験対策セット」と「経験者採用試験(論文・面接試験対策)コース」は対象外。
♦メリ④質問サポートあり
これは独学にないメリット。
実務教育出版の公務員講座では、学習中に生じた気になること・分からないことなどを指導スタッフに質問することができます。
志望先や学習計画に関する質問は回数制限なし。
教材の問題などに関することも10回まで無料で質問可能。
これなら無駄に悩む時間を減らすことができますね。
質問方法はサイト、郵便、FAXなど。
「市役所教養トレーニングセット」と「大卒程度 警察官・消防官一次試験対策セット」、「経験者採用試験(論文・面接試験対策)コース」は対象外。
♦メリ⑤無料で模試が受けられる
「大卒程度 公務員総合コース(教養+専門行政系)」と「大卒程度 公務員総合コース(教養のみ)」では実務教育出版が毎年実施している全国公開模試を無料で受験することができます。
受験できる模試は以下の3つ。
- 地方上級
- 国家一般職大卒
- 市役所上級
模試を受けることで実力確認と問題を解くペースが掴めるので、無料で受けられるのはありがたい。
個人成績表も返ってきます。
そのほかのコースでも、本番形式に近い模試・実力判定テストを自己採点で受けることがで可能です。
♦メリ⑥面接カード&論文添削
面接の際に重要となるのが面接カード。
実務教育出版の公務員講座ではその面接カードの記載内容を2回まで添削してくれます。
A自治体とB自治体の面接カードをそれぞれ添削してもらうのもよし、同じ自治体を2回添削してもらうのもよし。
提出したものは赤ペンでアドバイス・添削が入りが返ってきます。
さらに論文の添削も実施。
論文の添削方法や添削回数はコースによって異なりますが、例えば「大卒程度 公務員総合コース(教養+専門行政系)」では、実力判定テストを通して6回の添削機会があります。
♦メリ⑦受験ジャーナルがもらえる
公務員試験受験者にはお馴染みの「受験ジャーナル」。
以下のコースでは受験ジャーナルの「公務員試験直前対策ブック」が教材の1つとして含まれています。
- 大卒程度 公務員総合コース(教養+専門行政系)
- 大卒程度 公務員総合コース(教養のみ)
- 経験者採用試験コース
公務員試験直前対策ブックでは、最新の時事データやニュース、教養試験・専門試験各科目の出る文チェックなど、総まとめに役立つ内容が収録されています。
また、警察官・消防官コースではこちらもお馴染み「過去問350」がコース内容に含まれています。
書店で人気の「受験ジャーナル」や「過去問350」が教材の1つになるなんて出版社ならではですね。
4.実務教育出版のデメリット
実務教育出版の公務員講座のデメリットは以下の4つです。
- 実績が不明
- 動画講義はない
- 模擬面接がない
- スー過去でもいい気が
♦デメ①実績が不明
毎年の合格者数が不明です。
ただこれは通信講座なので、合格者数の人数が把握しづらいということもあり仕方ないです。
ほかの公務員予備校の通信講座でも合格者を公表しているところはほとんどありません(EYEなど一部のみ)。
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その代わり他の公務員予備校であれば、受講生がどこの官公庁に合格しているか紹介していることが多いです。
しかし実務教育出版のパンフレットや公式ホームページでは、受講生の具体的な合格先をほとんど紹介していません。
確認できたのは国家一般職(大卒)、東京都Ⅰ類B、特別区Ⅰ類(事務)、長野県(技術系)、埼玉県(小中学校事務上級)、名古屋市(職務経験者行政A)、春日井市(一般事務)の7か所。
♦デメ②動画講義はない
通信講座を実施している公務員予備校では、生講義の代わりに、講義を収録した講義動画を視聴できるところが多いです。
一方、実務教育出版の筆記試験対策では動画講義はなし。
基本的にテキストやワークブックを使って学習していきます。
つまり講義がないので独学に近いスタイル。
面接カード・論文添削、模試のないコースだと、さらに独学に近づきます。
♦デメ③模擬面接がない
通信講座だとなかなか面接対策ができませんよね。
しかし、最近だと通信講座でもリモートで模擬面接をしてくれる公務員予備校が増えてきています。
ただ、実務教育出版の公務員講座はリモート模擬面接もなし。
その代わり、面接対策の動画と面接対策テキストが講座の内容に含まれているので、座学はできます。
模擬面接を受けたければ、大学の就職課やジョブカフェ、ほかの公務員予備校など利用する必要があります。
♦デメ④スー過去でもいい気が
実務教育出版の公務員講座はテキストとワークブックを使って学習する独学に近い形式とお伝えしました。
そして、使用するのは公務員講座用のテキストとワークブックです。
しかし実務教育出版は、一般向けにスー過去こと「新スーパー過去問ゼミ」という優れた過去問題集を販売しています。
スー過去は参考書・問題集の王道。
動画講義がないのであれば、公務員講座用のテキストなどを利用せずにスー過去を使って勉強してもいい気がします。
公務員講座用のテキストとワークブックを細かくチェックしていないので、何とも言えませんが。
問題集はスー過去を使い、模擬面接や添削もある通信講座ができたら最高だと思います。
5.評判・口コミ
実務教育出版の公務員講座に関する評判・口コミはあまりありませんでした。
代わりに、公式パンフレットから受講生の声を抜粋しています。
♦Aさん女性
”通信講座を始めるまでは何から勉強すればよいかわからず不安でした。
しかし[Jトレプラス]に学習モデルプランが掲載されており、それを参考にスケジュールを立てることができたため、安心して勉強を進めることができました。
得意科目は問題演習から始める、苦手科目や未履修科目はテキストをじっくり読むなど、教材の使い方を工夫できるのは、通信講座ならではよさだと思います。”
♦Aさん男性
”受験勉強を始めたのは6月頃で、第一志望の一次試験は9月下旬。
とにかく時間がありませんでした。私は通勤時間に[知識分野]要点チェックを活用し、知識を増やすことにしました。
時間がなかったため、頻出分野のみ取り組みました。
ある程度暗記ができた後に、Jトレプラスで問題を解きました。
知能分野は自宅で学習しましたが、頻出度が高い問題のみを取り組みました。”
6.他の予備校との料金比較
♦18社で比較
他の公務員予備校17社の通信講座と、実務教育出版の通信講座の料金を表にまとめています。
各社さまざまなコースを用意しているので、ここでは代表として国家一般職と地方上級を目指せるコースをピックアップ。
料金は変動するので目安として見てください。
また、コース内容もそれぞれ違うので金額はあくまで選ぶ指標の一つ。
実務教育出版は「大卒程度 公務員総合コース(教養+専門行政系)」をピックアップ。
フォーサイトとスタディングは教養科目のみのコースしかないため比較対象から外しています。
♦かなり安い価格帯
これを見ると実務教育出版の受講料金はかなり安いことが分かります。
通信講座は通学講座に比べて安くなる傾向ですが、その通信講座の中でも10万を切る安さです。
ただ、料金が高い通信講座が悪いという訳でもありません。
金額が上がると、サービスも充実してきます。
しかし、必ずしも金額とサービス内容が比例するとは限らない。
7.他の予備校との特徴比較
比較した公務員予備校の中で、実務教育出版と受講料金が近かった4社を比較して簡単に特徴をまとめています。
- SMART合格講座
・料金が格安
・簡単に始められ、どこでも学習できる
・SPIの対策ができる - 実務教育出版
・無料で模試が受けられる
・Webで過去問が解ける
・受験ジャーナルがもらえる - 東京アカデミー
・Zoom講座がある
・評価の高い教材
・人物試験対策パーフェクトをゲット - ユーキャン
・分からないところを複数回質問できる
・指導サポート期間が長い
・あとから返品OK - スタディング
・学習ツールの機能がかなり優れている
・教材はエクシア出版が開発協力
・法律系専門科目は寺本先生
この中で大手と言えるのは東京アカデミー。
実務教育出版は公務員講座として考えると中堅。
ユーキャンも通信講座全般は有名ですが、公務員講座に限ればそれほど知名度はありません。
SMART合格講座は格安ですが、独学のワンポイントお手伝いといった感じ。
スタディングは比較的新しく勢いのあるオンライン予備校です。
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⇒ 校舎で違う?東京アカデミー公務員講座の評判・実力を超解説
8.実務教育出版をオススメする人
実務教育出版の公務員講座について、特徴、評判、メリット・デメリットなどを解説しました。
それを踏まえ、実務教育出版の公務員講座をおすすめするのは以下のような人。
- 通信で勉強したい
- 安い費用で学習したい
- 通勤・通学時も学習したい
- 添削を受けたい
- 模試を利用したい
- 動画講義は必要ない
- 模擬面接も必要ない
このうちいくつかあてはまるなら実務教育出版を検討してみてください。
資料請求もできます。
【講座の詳細 / 資料請求】
⇒実務教育出版の公式HP