公務員試験【専門科目の難易度】21科目の難易度を格付け比較

今回は公務員試験の専門科目について。

各公務員の専門試験で出題される、主要な科目を21科目ピックアップして、それぞれの難易度を格付けしました。

この格付けを今後の試験勉強の参考にしてみてください。

【この記事を書いた人】
政令市の消防士と行政職、町役場を経験
公務員試験は独学・予備校の両方を経験
YouTube ハチサン公務員

目次

  1. 難易度について
  2. 科目ごとの解説
  3. オススメ問題集
  4. まとめ

1.難易度について

各科目、人によって感じる難易度は違います。

難しいと言われている科目でも、元々その科目の知識がある人であれば易しく感じるでしょう。

また、1度しか受験経験がない人はたまたまその年の問題が簡単だった場合、その科目を簡単と思うでしょう。

試験種類によっても多少難易度は変わってきます。

ここで紹介する科目の難易度は、私の経験、受験経験者の声、インターネット、参考書・問題集などの情報を元に総合的に判断して作成しました。

あくまで参考程度に見てください。

難易度一覧表

専門試験21科目の難易度は以下のとおりです。

  • 憲法    :★★☆☆☆☆
  • 労働法   :★★☆☆☆☆
  • 社会政策  :★★☆☆☆☆
  • 行政学   :★★★☆☆☆
  • 政治学   :★★★☆☆☆
  • 経営学   :★★★☆☆☆
  • 社会学   :★★★☆☆☆
  • 教育学   :★★★☆☆☆
  • 経済事情  :★★★☆☆☆
  • 経済史   :★★★☆☆☆
  • 財政学   :★★★★☆☆
  • 国際関係  :★★★★☆☆
  • 刑法    :★★★★☆☆
  • 英語基礎  :★★★★☆☆
  • 心理学   :★★★★☆☆
  • 経済政策  :★★★★☆☆
  • マクロ経済学:★★★★★☆
  • ミクロ経済学:★★★★★☆
  • 行政法   :★★★★★☆
  • 民法    :★★★★★★
  • 英語一般  :★★★★★★

マクロ経済学とミクロ経済学を合わせて経済原論と呼ぶ試験も多いです。

関連記事】
⇒【専門試験の捨て科目】各公務員試験の捨てNG科目・捨てOK科目

2.科目ごとの解説

21科目それぞれの、難易度と特徴を解説します。

各科目、出題される試験も紹介しています。

憲法 (難易度 ★★☆☆☆☆)

憲法は高校生の頃に勉強した範囲と被る部分も多いです。
比較的学習しやすく、得点源になる科目です。
国会や内閣、裁判所の制度について問われたり、憲法の性質・学説など、憲法に対する解釈を問われることもあります。

出題される試験

地方上級(全国型)・地方上級(関東型)・地方上級(中部・北陸型)・特別区・市役所A日程・市役所B日程(全解答タイプ)・市役所B日程(選択タイプ)・市役所C日程(全解答タイプ)・市役所C日程(選択タイプ)・国家総合職(政治・国際区分)・国家総合職(法律区分)・国家総合職(経済区分)・国家一般職・国税専門官・財務専門官・労働基準監督官A

労働法 (難易度 ★★☆☆☆☆)

労働法は頭を悩ませるような問題は少なく、専門試験の中で難易度が低い科目です。
賃金や年次有給休暇、就業規則など、労働に関する法律について出題されます。
社会人やアルバイト経験がある学生は、知っている単語も出てくるかもしれません。

出題される試験

地方上級(全国型)・地方上級(関東型)・地方上級(中部・北陸型)・市役所A日程・市役所B日程(全解答タイプ)・市役所C日程(全解答タイプ)・国家総合職(法律区分)・労働基準監督官A

社会政策 (難易度 ★★☆☆☆☆)

社会政策は年金や生活保護、介護保険、高齢者医療など、政策や制度について問われる科目で、時事的要素も含みます。
地方公務員試験で出題されます。
難易度は低いですが、市販の参考書が少なく、がっつり対策しづらい科目です。

出題される試験

地方上級(全国型)・地方上級(関東型)・地方上級(中部・北陸型)・市役所A日程・市役所B日程(全解答タイプ)・市役所B日程(選択タイプ)・市役所C日程(全解答タイプ)・市役所C日程(選択タイプ)

行政学 (難易度 ★★★☆☆☆)

行政学は、行政の在り方を学問的に分析した科目です。
暗記科目で、覚える用語も難しくないので難易度は高くありません。
経営学などと内容が重なる部分もあります。
高校では勉強することがないので、初めて勉強する人がほとんどです。

出題される試験

地方上級(全国型)・地方上級(関東型)・地方上級(中部・北陸型)・特別区・市役所A日程・市役所B日程(全解答タイプ)・市役所B日程(選択タイプ)・市役所C日程(全解答タイプ)・市役所C日程(選択タイプ)・国家総合職(政治・国際区分)・国家一般職

政治学 (難易度 ★★★☆☆☆)

公務員試験の政治学は、高校で学んだ政治とは少し内容が違います。
テレビのニュースで流れる政治だけでなく、政治を学問として捉えた学者の学説なども問われます。
基本的に暗記科目なので、地道な反復学習が必要です。

出題される試験

地方上級(全国型)・地方上級(関東型)・地方上級(中部・北陸型)・特別区・市役所A日程・市役所B日程(全解答タイプ)・市役所B日程(選択タイプ)・市役所C日程(全解答タイプ)・市役所C日程(選択タイプ)・国家総合職(政治・国際区分)・国家一般職・国税専門官・財務専門官

【関連記事】
⇒【公務員試験の政治学これで分かります】勉強法や重要度など解説

経営学 (難易度 ★★★☆☆☆)

経営学は計算問題がほとんど出題されず、暗記メインの科目です。
M&A、マーケティング、ドラッカーなど、馴染みのある言葉が登場するテーマもあります。
そういったテーマは取っ付きやすいです。
行政学などと内容が被る部分もあります。

出題される試験

地方上級(全国型)・地方上級(関東型)・特別区・国家総合職(経済区分)・国家一般職・国税専門官・財務専門官

社会学 (難易度 ★★★☆☆☆)

社会学では、家族、階級、マスコミなど人間の関係性や社会構造などについて問われます。
内容は他の科目と重なる部分もあり、メイヨーのホーソン実験は経営学、ミヘルスの寡頭制の鉄則は政治学、近代官僚制は行政学など複数の科目と被っています。
人名や学説を覚える必要がありますが、それほど難しくはありません。

出題される試験

地方上級(中部・北陸型)・特別区・市役所B日程(選択タイプ)・市役所C日程(選択タイプ)・国家一般職・国税専門官・財務専門官・労働基準監督官A

教育学 (難易度 ★★★☆☆☆)

教育学はマイナー科目のひとつです。
名前のとおり教育に関する学問なので、教育学部の在校生・卒業生にとっては攻略しやすい科目です。
出題範囲はある程度決まっているので、その他の学部出身者にとっても、それほど難易度は高くありません。
参考書が少ないため、教員採用試験の参考書もチェックしてみてください。

出題される試験

市役所B日程(選択タイプ)・市役所C日程(選択タイプ)・国家一般職

経済事情 (難易度 ★★★☆☆☆)

時事問題の経済バージョンといった感じです。
経済事情は、教養試験の経済の中で出題される経済事情と似ており、それを発展させたような内容です。
GDP成長率や有効求人倍率などが出題されます。
地方公務員試験よりも、国家公務員試験でより出題される傾向です。

出題される試験

地方上級(中部・北陸型)・市役所B日程(選択タイプ)・市役所C日程(選択タイプ)・国家総合職(経済区分)・国家総合職(経済区分)・国家一般職・国税専門官・財務専門官・労働基準監督官A

経済史 (難易度 ★★★☆☆☆)

経済史も、経済事情と同様に、教養試験の経済の中で出題される経済史と似ています。
難易度はそれほど高くなく、日本経済や世界経済の歴史・動向について問われます。
専門試験で経済史を出題する職種はかなり少ないです。

出題される試験

地方上級(関東型)・国家総合職(経済区分)

財政学 (難易度 ★★★★☆☆)

財政制度や国と地方の財政事情が出題されます。
最近の財政事情を把握する必要があるため、古い年度の参考書ではなく、新しい年度の参考書で勉強することを勧めます。
租税の転嫁、財政乗数などのテーマでは、計算が必要となるためやや難しいです。

出題される試験

地方上級(全国型)・地方上級(関東型)・地方上級(中部・北陸型)・特別区・市役所A日程・市役所B日程(全解答タイプ)・市役所B日程(選択タイプ)・市役所C日程(全解答タイプ)・市役所C日程(選択タイプ)・国家総合職(政治・国際区分)・国家総合職(法律区分)・国家総合職(経済区分)・国家一般職・国税専門官・財務専門官・労働基準監督官A

国際関係 (難易度 ★★★★☆☆)

国際関係は、日本史、世界史、政治経済などで学んだことと重なる部分もあるため、学習しやすい科目です。
ただ、聞いたこともない国際政治学者の名前や学説も出題されるので、その辺を覚えていくことが大変。
また、国家総合職や国家一般職では英文問題も出題されます。

出題される試験

地方上級(全国型)・地方上級(関東型)・地方上級(中部・北陸型)・市役所A日程・市役所B日程(全解答タイプ)・市役所B日程(選択タイプ)・市役所C日程(全解答タイプ)・市役所C日程(選択タイプ)・国家総合職(政治・国際区分)・国家一般職

刑法 (難易度 ★★★★☆☆)

刑法は難しい用語が出てくるので、理論を理解することに苦労します。
しかし、犯罪や正当防衛など、イメージしやすい問題も多いです。
初めて見る問題に遭遇しても、常識的に考えて答えを導き出せる場合もあります。

出題される試験

地方上級(全国型)・地方上級(関東型)・地方上級(中部・北陸型)・市役所A日程・市役所B日程(全解答タイプ)・市役所C日程(全解答タイプ)・国家総合職(法律区分)・労働基準監督官A

英語基礎 (難易度 ★★★★☆☆)

英語基礎は国家一般職でのみ出題される科目です。
教養試験の文章理解(英語)よりも難易度は上がります。
問題のレベル的には、センター試験と同等かそれより少し上くらいと言われており、文法問題も出題されます。
英語がある程度できる人は、選択の候補に入れてもいいでしょう。

出題される試験

国家一般職

心理学 (難易度 ★★★★☆☆)

主要な公務員試験では、国家一般職でのみ出題されるマイナー科目です。
大学などで心理学を専攻していた人にとっては、馴染みのある問題も多いようなので、選択することをオススメします。
難易度は平均的なので、初学者でも対応可能ですが、公務員試験用の心理学の参考書は少ないです。

出題される試験

国家一般職

経済政策 (難易度 ★★★★☆☆)

経済政策は経済原論(マクロ経済学・ミクロ経済学)、財政学と内容が被ります。
マクロ・ミクロと財政学を勉強しておけば、経済政策の内容はカバーできるため、経済政策に絞った勉強は特に必要ありません。
というより、経済政策専門の問題集はほとんどありません。

地方上級(関東型)・地方上級(中部・北陸型)・市役所B日程(選択タイプ)・市役所C日程(選択タイプ)・国家総合職(政治・国際区分)・国家総合職(法律区分)・国家総合職(経済区分)

マクロ経済学(経済原論) (難易度 ★★★★★☆)

マクロ経済学は計算問題が多く出題されるため、苦手とする受験生が多いです。
ある程度勉強を続けて理解し始めたら点数が取れやすくなりますが、理解できるようになるまでが大変です。
公務員試験にチャレンジする前に、マクロ経済学やミクロ経済学の内容を見て、受験を諦める人は多いかもしれません。

出題される試験

地方上級(全国型)・地方上級(関東型)・地方上級(中部・北陸型)・特別区・市役所A日程・市役所B日程(全解答タイプ)・市役所B日程(選択タイプ)・市役所C日程(全解答タイプ)・市役所C日程(選択タイプ)・国家総合職(政治・国際区分)・国家総合職(法律区分)・国家総合職(経済区分)・国家一般職・国税専門官・財務専門官・労働基準監督官A

ミクロ経済学(経済原論) (難易度 ★★★★★☆)

ミクロ経済学も難しいです。
民法とマクロ経済学に並んで敬遠される科目です。
計算問題も多く、理解できるまでに時間が掛かります。
しかし、ミクロ経済学もマクロ経済学も、出題される問題のパターンはだいたい決まっているので、理解できれば逆に得点源にすることも可能です。

出題される試験

地方上級(全国型)・地方上級(関東型)・地方上級(中部・北陸型)・特別区・市役所A日程・市役所B日程(全解答タイプ)・市役所B日程(選択タイプ)・市役所C日程(全解答タイプ)・市役所C日程(選択タイプ)・国家総合職(政治・国際区分)・国家総合職(法律区分)・国家総合職(経済区分)・国家一般職・国税専門官・財務専門官・労働基準監督官A

行政法 (難易度 ★★★★★☆)

行政法はつまらないし難しい科目です。
行政手続法、国家賠償法、行政組織法など馴染みのない難しい法律が複数出題されます。
覚えなければならない用語が多い上に、似たような名称が並ぶため、地道に反復して学習する必要があります。

出題される試験

地方上級(全国型)・地方上級(関東型)・地方上級(中部・北陸型)・特別区・市役所A日程・市役所B日程(全解答タイプ)・市役所B日程(選択タイプ)・市役所C日程(全解答タイプ)・市役所C日程(選択タイプ)・国家総合職(政治・国際区分)・国家総合職(法律区分)・国家一般職・国税専門官・財務専門官・労働基準監督官A

民法 (難易度 ★★★★★★)

多くの受験生が苦手とする科目です。
独学者が苦労する科目ですね。
出題数が多く出題範囲も広いため、かなり厄介です。
常識的なイメージで答えられる問題もありますが、たまに常識とは逆の答えもあり意味不明です。
出題範囲が広いので、勉強中、新しく覚えたことと前に覚えたことがごちゃごちゃになることも。
民法でコンスタントに点数を取るには時間が掛かります。

出題される試験

地方上級(全国型)・地方上級(関東型)・地方上級(中部・北陸型)・特別区・市役所A日程・市役所B日程(全解答タイプ)・市役所B日程(選択タイプ)・市役所C日程(全解答タイプ)・市役所C日程(選択タイプ)・国家総合職(政治・国際区分)・国家総合職(法律区分)・国家総合職(経済区分)・国家一般職・国税専門官・財務専門官・労働基準監督官A

英語一般 (難易度 ★★★★★★)

国家一般職でのみ出題される科目で、英語基礎よりさらにレベルは上がります。
英語が得意な人以外は選択しない方がいいです。
英検準1級、TOEICのスコア800前後の人が選択するような科目と言われています。
逆を言えば、英語が得意な人は、英語基礎と英語一般の2科目で高得点が狙えます。

出題される試験

国家一般職

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⇒【公務員試験の教養科目】19科目の難易度を比較紹介★★★☆

3.オススメ問題集

専門試験の勉強に使えるオススメの問題集を紹介します。

⇒ 過去問500シリーズ
  • 地方上級    ⇒ 地方上級 専門試験 過去問500
  • 東京都・特別区 ⇒ 東京都・特別区1類 教養・専門試験 過去問500
  • 市役所上・中級 ⇒ 市役所上・中級 教養・専門試験 過去問500
  • 国家総合職   ⇒ 国家総合職 専門試験 過去問500
  • 国家一般職   ⇒ 国家一般職[大卒] 専門試験 過去問500
  • 国家専門職   ⇒ 国家専門職[大卒] 教養・専門試験 過去問500

専門試験のすべての科目が合計で500問掲載されています。

公務員試験でめちゃくちゃメジャーな過去問題集で、掲載されているのはもちろん実際に出題された過去問です。

問題と解説が1問につき1ページから2ページで構成されており、シンプルで使いやすいです。

知識の底上げにもってこい。

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4.まとめ

専門科目の難易度について紹介しました。

これは一般的な難易度になるので、これを参考に自分のスペックに落とし込んで考えてみてください。

科目数が多すぎて嫌になると思いますがなんとかなります。

試験勉強頑張ってください。

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