公務員試験の勉強を頑張ってきた人は、筆記試験の日が近づくにつれて緊張してきていると思います。
今回は、筆記試験を失敗しないように、前日と当日に確認しておくことや、やっておくべきこと、ちょっとしたテクニックなどを実体験も踏まえ紹介します。
また、当日忘れ物をしないように、チェックリストも載せています。
ちなみに私も過去に、国会一般職、国立大学法人、県庁、特別区、市役所、町役場、東京消防庁、刑務官など様々な公務員試験を受験しており、実際に3つの公務員として働いた経験があります。
【この記事を書いた人】
・政令市の消防士と行政職、町役場を経験
・公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
・YouTube ⇒ ハチサン公務員
★目次
- 前日の大事な準備12選
- 忘れものチェックリスト20
- 当日の大事な行動6選
- 当日欠席する場合
- おわりに
1.前日の大事な準備12選
1 ♦筆記用具について
■シャーペンか鉛筆か
筆記試験では、鉛筆もしくはシャーペンは絶対に忘れないように。
受験票に鉛筆の持参を指示している公務員試験もありますが、基本的にシャーペンで試験に臨んでも大丈夫です。
これはおそらく、マークシートがきちんと読み取られるように、鉛筆を推奨しているものと思われます。
シャーペンでも丁寧に塗りつぶし、丁寧に消しゴムを使えば問題ありません。
ただ中には、シャーペンは完全に不可という試験もあるかもしれないので、念のため両方持って行きましょう。
シャーペンと鉛筆についての、メリット・デメリットは以下のとおりです。
- シャーペン
- メリット:書いても文字が太くならず計算問題などのメモが書きやすい
- デメリット:芯が細いため、マークシートを塗りつぶすのが鉛筆より遅くなる
- 鉛筆
- メリット:マークシートの塗りつぶしが早い
- デメリット:後半に字が太くなり、メモが書き辛くなる
自分に合ったものを選んでください。
■予備・替え芯も忘れずに
鉛筆の場合は、鉛筆削りを使うと時間のロスになるので、鉛筆を複数持って行き、試験中に鉛筆のバトンタッチをする作戦もありです。
シャーペンで挑む人は替え芯を忘れずに、鉛筆の人は予備を複数本準備しておきましょう。
また、受験の手続きで何か記入することがあるかもしれないので、一応ボールペンを持って行くことをオススメします。
消しゴムは汚れたものではなく、消しやすいキレイなものを持参してください。
2 ♦時計について
試験会場には時計が設置されていないこともあるので、必ず自分でも時計を用意してください。
デジタル時計であれば時間の確認は瞬時にできます。
アナログ時計であれば、視覚的に残り時間をすぐ把握することが可能です。
そして、せっかく時計を準備しても、時間が合っていなければ意味がないので、時間の調節は必ず事前に行っておきましょう。
スマホで117に電話を掛けると、時報が流れるので時間の調節が可能です。
3 ♦受験票について
受験票はダウンロードして自分で印刷することが一般的です。
受験を申し込みした時点ではダウンロードできませんが、後日、お知らせのメールが届き、ダウンロードが可能となるパターンが多いです。
だいたいハガキくらいの大きさ。
必要事項を記入して、顔写真の貼り忘れがないように気を付けてください。
試験会場では、受験票に記載されている受験番号で受験する教室を案内しているので、くれぐれもなくさないように。
4 ♦参考書について
これまで使ってきた参考書を何冊か準備しておくと、空き時間を有効活用できます。
試験当日は、試験前、昼食、途中休憩など空き時間は結構あります。
休憩時間にスマホのネットニュースを見て、暇つぶしをするのではなく、参考書に目を通すなど、有意義に時間を使いましょう。
直前に見たものが出題されることも十分あり得ます。
教養試験、専門試験、論文試験がある場合は、各1冊ずつ参考書を用意しておくと、それぞれ直前に見返すことができます。
ただ、昼休みに10分ほど寝て、頭をリフレッシュさせることも有効です。
5 ♦当日の昼食を買っておく
試験当日の朝、試験会場近くのコンビニは、朝食・昼食を購入する受験生で混雑する可能性が高いです。
朝の混雑はストレスを感じますし、最悪、弁当が売り切れてしまうなんてこともあり得ます。
混雑を避けて、心に余裕も持ちたい人は、前日に昼食を買っておくことをオススメします。
もしくは当日、試験会場から離れたお店で買うことです。
当日、自宅で朝食を食べられない人(遠征してくる人など)は、朝食の準備についても同様です。
頭の回転を良くするためには、パンやご飯などで糖質をしっかり摂取しましょう(できれば栄養バランスが整った食事)。
朝食抜きは論外です。
6 ♦軽食を準備しておく
試験中に空腹のせいで、お腹がグーグーなってしまい、試験に集中できなくなれば最悪です。
お腹が鳴りやすい人は、試験直前や途中休憩などで簡単に食べられる軽食を、事前に準備しておきましょう。
私はお腹が鳴りやすかったので、試験開始前と試験科目と試験科目の間の休憩で、必ず何かを食べるようにしていました。
試験会場によっては、会場全体がシーンとしていることもあるので、食べても音がボリボリ鳴らないものや、においが強くないものをオススメします。
たとえば、カロリーメートやウイダーinゼリーなどがいいかもしれません。
試験を複数回受ける人は、事前に箱買いもありです。
■カロリーメート / 大塚製薬
■inゼリー / 森永製菓
7 ♦前日の勉強は復習のみ行う
前日に新しい問題を解いて分からないと、不安が募り自信を無くしてしまいます。
なので新しい参考書や新しいテーマ、新しい問題には欲張って手を出さない。
前日は、これまで使ってきた参考書を復習して、知識の再確認程度に留めておいた方が心は安定します。
毎日ガンガン勉強してきた人も、前日はいつもより勉強時間を減らして体調管理に努めましょう。
本気の勉強は前々日までに終了。
8 ♦会場の場所と交通アクセスを確認
公務員試験は基本的に試験会場まで公共交通機関を利用することを推奨しています。
なのでバスや電車の時刻、そして最寄駅から試験会場まで歩いてかかる時間、これらは必ず前日までに調べておきましょう。
試験会場が大学であれば、キャンパス間違いをしないように気を付けてください。
基本的に大学で実施することが多いです。
だいたい試験会場周辺には、同じような受験者がたくさんいるので目印になります。
9 ♦天気予報の確認
天気予報は早い段階から要チェック。
試験当日、雨になることも考えられます。
バイクや自転車で、会場近くまで向かおうと思っている人は見直しが必要です。
また、バスの場合は雨が降れば渋滞に巻き込まれる可能性もあります。
天気が晴れか雨かで試験会場までの所要時間は変わってくるので、雨の場合のスケジュールも立てておきましょう。
10 ♦当日のスケジュールの把握
試験の細かい時間割は、当日に会場の黒板に記載されます。
ただ、受験案内や受験票には、集合時間と終了時間が基本的に記載してあります。
だいたい、当日の集合は9時前後の試験が多いです。
集合時間の確認は当たり前ですが、終了予定時間についても把握しておくことで、当日の時間割のイメージができますし、帰りの予定も立てられます。
参考に、過去のいくつかの採用試験における試験開始と終了の時間を紹介します。
- 特別区(Ⅰ類)
・集合時間 09:30
・終了予定 16:45 - 警視庁(Ⅰ類・Ⅲ類)
・受付時間 08:20~09:00
・終了予定 18:30 - 国家一般職(大卒程度)
・受付開始 08:30
・試験開始 09:00
・終了予定 17:00 - 横浜市消防局(大卒程度一般)
・着席時間 08:50
・終了予定 14:30 - 愛知県庁(大卒程度)
・受付時間 09:00~09:15
・終了予定 15:30
11 ♦前日に食べるのを控えた方がいいもの
お腹が弱い人は、前日に以下のものを必要以上に食べるのは控えましょう。
■下痢になりやすいもの
お腹を壊したら、確実に試験に集中できなくなります。
牛乳、揚げ物、生もの、にんにく、ガム etc
食べるなら控えめに。
■ガスが溜まりオナラしやすくなるもの
ガスがお腹にたまると苦しくなり、パフォーマンスは低下します。
牛乳、炭酸飲料、麺類、納豆 etc
試験が終わって食べましょう。
12 ♦前日・当日の急な早寝早起きは避ける
試験本番のため、前日は早く寝て、当日は早く起きようと思っている人は多いと思います。
ただそれをいきなり前日にすると、いつもの生活リズムが崩れ、お腹の調子が悪くなったり、試験途中に眠くなったり、逆にコンディションが悪くなる恐れがあります。
たとえば、毎日25時に寝て朝8時に起きる人が、急に前日だけ22時に寝て朝6時に起きた場合、いつもなら寝ている時間に活動していることになり、体の調子は多少なりとも狂います。
当日ベストコンディションで試験に挑むためには、早寝早起きにする場合、数日前から徐々に体を慣らしていきましょう。
特に起床時間を揃えることが重要だといわれています。
2.忘れ物ものチェックリスト20
上記で説明したものに加えて、当日に必要なもののリストです。
- 鉛筆(複数)
- 鉛筆削り
- シャーペン(2本程度)
- シャーペンの芯
- ボールペン
- 消しゴム(2つ)
- 参考書
- 受験票(顔写真も)
- 身分証(念のため)
- 時計
- 財布
- 交通ICカード
- 昼ご飯・飲み物
- 軽食
- 傘
- 財布
- カギ
- スマホ
- 上着(エアコン対策)
- トレーニングウェア・シューズ(公安系で体力試験がある場合)
忘れ物がないように気を付けてください。
3.当日の大事な行動6選
1 ♦服装を決める
行政系の筆記試験は私服、面接試験はスーツという認識で大丈夫で。
9割の方は私服で来ています。
中には半ズボンにサンダルで来ている人もいます。
ただ、警察・消防などの公安系公務員の採用試験はスーツ着用者が多数派になることが多いです。
いずれにせよ筆記試験の服装は点数化などされないのでそこまで気にする必要はありません。
【関連記事】
⇒ 公務員試験の服装これが正解・多数派【実際の受験者写真あり】
2 ♦朝食・昼食を食べ過ぎない
食事をお腹いっぱい取り過ぎると血糖値が上昇し、それを下げようとインスリンが分泌されて、今度は血糖値が急降下します。
食事後の眠気の原因は、はこの血糖値の急降下である場合が多いです。
そのため、この血糖値の上昇減少を抑えるためにも、食べ過ぎには注意してください。
食べ過ぎて睡魔に襲われると思考が停止してしまいます。
ただ食事の量を抑えすぎると、空腹でお腹が鳴ってしまうので、適度な食事量を心掛けましょう。
3 ♦穴場のトイレの場所を把握する
■長蛇の列になることも
試験会場の教室の近くのトイレは、休憩時間になると順番待ちになる可能性が高いです。
特に、受験者が多い試験会場だと長蛇の列になります。
女性であればなおさらです。
おしっこならまだマシですが、うんこの場合は地獄です。
死にそうな受験者を見たことがあります。
トイレを待っている時間は、参考書に目を通すことはできないですし、休憩も十分にできないので、かなり時間の無駄です。
■Myトイレを探しておく
解決策としては、事前に別のトイレを見つけておくことです。
当日は試験会場に少し早めに行き、受験者が使わないような少し離れたトイレを探しておきます。
ほとんどの受験者は近くのトイレを利用するので、穴場トイレを見つけておくことで、休憩時間に落ち着いてトイレを利用することができます。
実際に、私はこの作戦でトイレ渋滞を避けていました。
最寄りのトイレは20人くらい渋滞している中、穴場のトイレは1、2人程度で快適に利用できました。
ただ、試験会場の規模にもよりますが、ある程度離れたトイレじゃないと、どこも混雑しています。
4 ♦トイレは行けるときに行っておく
■公務員試験は長時間
一次試験は朝から夕方まで実施するところが多いです。
1日に複数の試験種目が実施されることがほとんどですが、筆記試験だと長いもので試験時間が150分もあります。
試験前や休憩中は便意を催していないくても、長時間の試験の中で、トイレに行きたくなる可能性はゼロではないです。
特に室内が寒いと急に催したりします。
■試験中のトイレを絶対に避ける
実際、たまに試験中に手を挙げてトイレに行く人がいます。
これ、圧倒的なタイムロスです。
ただでさえ時間が足りない公務員試験で、トイレのために5分前後時間を費やすのは絶対に避けたいです。
1次試験の休憩時間は昼休みのほかに、試験種目と試験種目の間に1,2回ほどあります。
便意がそこまでなくても、こまめにトイレに行っておくことをオススメします。
5 ♦試験問題を持ち帰る
公務員試験では一人ひとりに問題冊子が配られます。
試験後はその問題冊子を持ち帰ることができる場合と、持ち帰ることができない場合があります。
持ち帰ることができる場合は必ず持ち帰ってください。
問題冊子の各問題の選択肢に〇をつけておけば、あとでネットの解答速報などで自分がだいたい何点取れたのか把握することができます。
国家公務員の採用試験は問題冊子を持ち帰ることができる場合が多いです。
6 ♦試験後に官公庁やまちを散策する
もしも、筆記試験を受けるために遠くから来たのであれば、二次試験対策も併せて役所やまちの散策をしてみましょう。
国家公務員志望の方は、志望先の省庁の庁舎内に入れば、雰囲気だけでも知ることができますし、何か資料をゲットできるかもしれません。
市町村職員であれば、役所内においてある無料パンフレットをもらったり、まちを歩いてみたり。
警察・消防志望の人は、警察署や消防署の見学をしてもいいかもしれません。
自分の志望先と遠い地域で暮らしている人は、なかなかそこを訪れる機会がないと思うので、筆記試験を受けに来たついでに情報収集することをオススメします。
面接試験の話のネタが見つかるかもしれません。
4.当日欠席する場合
1 ♦ほとんどの場合は連絡不要
試験の申し込みをしていたけど、他の試験を受ける・既に内定を貰った・体調不良など、何らかの理由で試験を欠席することもあるかもしれません。
そんな時、欠席の連絡をすべきかどうか迷うかもしれませんが、筆記試験の場合は基本的に何も連絡しなくて大丈夫です。
ほとんどの実施機関では、連絡は不要としています。
ただ小さい自治体になると、筆記試験であってもまれに「欠席する際は事前に連絡をお願いします」と受験案内・ホームページなどに記載されていることがあります。
念のために確認しておきましょう。
ただほとんどの試験では連絡不要です。
2 ♦特別区だけでも欠席者1,015人
もしも欠席者全員から欠席の連絡を受けたら、かえって職員の業務に支障をきたすかもしれません。
たとえば、令和5年度の特別区大卒程度試験の申込者は10,179人でしたが、実際の受験者は9,164人でした。
つまり欠席者は1,015人です。
さすがに1,015人から欠席の電話があれば、人事委員会もパンクします。
どの公務員試験でも欠席者は結構いるので心配ありません。
当日欠席した時点で辞退と判断されます。
ただ面接試験の場合は、受験者数で時間割を決めているので、欠席の連絡をお願いしている官公庁が多いです。
参考に、試験欠席ついて記載している自治体のホームページの内容を2つピックアップしました。
■名古屋市
- 試験当日について
- Q:試験に出席できなくなった場合、欠席の連絡は必要ですか?
- A:第2次試験を欠席される場合は、電話等による事前連絡をお願いします。
第2次試験を欠席される場合は、できる限り早い段階でご連絡ください。
なお、第1次試験を欠席される場合は、事前連絡は不要です。
当日の集合時刻に不在の方は、その試験を欠席したものとみなします。
■大野城市
- よくある質問
- Q:職員採用試験に申し込み、受験票も届いているが、他に就職が決まったので一次試験を欠席したいがどうすればよいか。
- A:(一次試験が筆記のみの場合)事前に連絡する必要はありません。
(一次試験で面接がある場合)すみやかに総務課に連絡してください。
【関連記事】緊張対策について
⇒ 公務員試験を欠席したら翌年に影響あるか、連絡は必要か解説!
5.おわりに
ということで公務員試験前日と当日のお話をしました。
努力して勉強してきた人ほどその成果が出せるか緊張すると思います。
緊張はしょうがないです。
私も受験した時はかなり緊張しました。
それでも受かりました。
なんとかなります。
この記事を見てくださった方が受かることを祈っています。
【関連記事】緊張対策について
⇒【筆記試験で緊張してしまう】緊張しないようにする方法12選!