公務員試験の面接試験では、どんな質問をされるのか気になりますよね。
今回は、学校事務・教育行政職を志望している方に向けた、面接対策の記事です。
学校事務・教育行政務職の面接試験を受けた受験生の体験報告書を基に、実際にあった面接官からの質問をまとめています。
【この記事を書いた人】
・政令市の消防士と行政職、町役場を経験
・公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
・YouTube ⇒ ハチサン公務員
★目次
- はじめに
- 実際の質問一覧
- 各質問の解説
- 学校事務職員を目指す人のための参考書
- 面接対策講座
- おわりに
1.はじめに
学校事務といっても自治体によって呼び方は様々です。
学校事務、教育行政、教育事務、公立小中学校事務、市町村立学校事務、公立学校職員など。
ここでは分かりやすいように、学校事務職で統一します。
♦面接対策は必須
面接試験はよっぽど面接に自信がある人以外は、事前に対策を練るべきです。
その対策を練る上で必要なのが過去の質問情報。
実際にどういった質問があったのか把握しておけば、本番で無駄な沈黙やアウアウを防ぐことができます。
全く準備せず、何度も沈黙してしまう場合と、対策を行いきちんと返答した場合とでは評価が雲泥の差です。
前編では質問を37問掲載しているので、今後の面接試験対策に活用してください。
2.実際の質問一覧
実際に、面接試験であった質問77個のうち、今回は前半の37個を掲載しています。
- 緊張しているか
- 面接を待っているあいだ何を考えていたか
- 試験勉強はどのくらいしたか
- 一次試験の結果が分かって今まで何をしていたか
- 集団討論の手応えについて
- 志望動機
- なぜ学校事務職なのか
- なぜ教員ではなく学校事務職なのか
- 昨年はなぜ別の職種を受けたのか
- いつからこの職を目指したのか
- 学校事務職を目指したきっかけは何かあったか
- 学校事務職のイメージは
- 学校事務職の仕事を知っているか
- なぜ公務員なのか
- なぜ〇〇県で働きたいのか
- やってみたい仕事は
- どんな職員が求められると思うか
- 学校事務職員に話を聞いて何が大変だと言っていたか
- 学生時代の事務の先生の名前を知っているか
- 子どもが好きな理由は
- これまでに子どもとどのような関わりがあったか
- なぜ今の大学に進学したのか
- 大学の学科を選んだ理由
- 大学時代に学んだことは
- アルバイトの経験について
- サークルの活動について
- 部活動について
- 学生生活に点数をつけるとしたら何点か
- 大学生の時はなぜ試験を受けなかったのか
- なぜ前の職場に就職したのか
- 前職はどのような仕事か
- 前職を辞めた理由は
- 前の職場で困った経験は
- 前職でクレームがあった場合どう対処していたか
- もしクレームを受けたらどう対応するか
- 前職で学んだことを学校事務でどう活かすか
- これまでのあなたの受け応えは何点か
3.各質問の解説
♦1.緊張しているか
面接試験の導入でよく聞かれる質問です。
緊張していれば「緊張しています」と答えていいし、していなければ「緊張していません」と正直に答えればいいです。
強がって「緊張していません」と答えて、あとで緊張で言葉に詰まったり噛みまくると、「言ってることと違うけど。。」ってなります。
♦2.面接を待っているあいだ何を考えていたか
これも最初の雑談のようなものです。
緊張していてもボソボソ話さずに、何でもいいので明るく答えましょう。
緊張して最初の発言が小声になってしまうと、そのあともズルズル小さい声になってしまいます。
♦3.試験勉強はどのくらいしたか
例えば勉強期間3年間と答えたら「そんなに勉強しないと筆記試験に受からないのか」とマイナスに捉えることもできますし、「それだけ勉強するほどここで仕事をしたいのか」とプラスに捉えることもできます。
逆に、勉強期間1か月と答えれば「少し勉強しただけで受かるくらい頭がいいのか」とプラスに捉えることもできますし、「そこまで志望度は高くなさそうだな」とマイナスに捉えることもできます。
どう答えても捉え方次第なので、ありのままの勉強期間を答えましょう。
♦4.一次試験の結果が分かって今まで何をしていたか
アルバイト、仕事、2次試験対策、資格の勉強、図書館で読書、運動、部活、卒論、大学の研究などですかね。
「毎日友人と遊んでいました。」みたいな回答はしないほうがいいかも。
♦5.集団討論の手応えについて
雑談の流れで、面接試験以外の他の試験の手応えを聞かれることがあります。
身構えて答える必要はありません。
♦6.志望動機
ほとんどの面接試験で聞かれる質問なので、しっかり答えられるように練習しておきましょう。
受ける自治体や面接官によっては、「志望動機を1~2分程度で話してください」や「1分程度で簡潔にまとめてください」など時間指定で聞いてくることがあります。
私が面接を受けるときは、長めバージョンと短めバージョンのように、志望動機を事前にいくつか準備していました。
♦7.なぜ学校事務職なのか
公務員と言えば、普通の行政職(事務職)を志望する人が多いですし、教育関係でいえば、学校の先生を目指す人が多いです。
その中で、なぜ学校事務職を志望するのか。
面接官じゃなくても普通に「なんで?」って気になりますよね。
志望動機と重なる点はあります。
♦8.なぜ教員ではなく学校事務職なのか
まず教育に携わりたいなら、先生を目指すのが一般的な考えですよね。
それがなぜ学校事務職なのか。
上手く答えるには、教員と学校事務職員の仕事・役割の違いを理解しておく必要があります。
♦9.昨年はなぜ別の職種を受けたのか
「昨年は行政職(事務職)を受けました」と答えた場合は、なぜ受ける職種を変えたのか疑問が生じます。
あいまいな回答をしてしまうと深く突っ込まれる可能性があります。
面接官の方から「去年はどこを受けましたか?」と聞かれなければ、わざわざ「去年は別の職種を受けました」と自分から言う必要はないです。
♦10.いつからこの職を目指したのか
学校事務職を目指したのがここ最近だったとしても「ここ最近です」なんて答えないように。
「そんなに学校事務職に対する熱意はなさそうだな」なんて思われるので注意が必要です。
♦11.学校事務職を目指したきっかけは何かあったか
具体的なエピソードをここで話すことができれば、面接官も目指した理由について納得できます。
学生時代にお世話になった事務の先生の話や、ニュースで聞いた教育委員会関連の話など、何か転機となったことがあるか思い出してみてください。
♦12.学校事務職のイメージは
実際にどんな仕事をしているか調べて把握しておくことで、的外れな回答を防ぐことができます。
世間一般的には事務室で、のほほんとしているイメージかもしれませんが、実情を違いますよね。
上っ面だけの薄いイメージは言わないように。
♦13.学校事務職の仕事を知っているか
自治体によって仕事内容や勤務地は違います。
学校の事務の先生として窓口業務や施設管理などを行うだけでなく、教育委員会や図書館、美術館などで働く場合もあり、それに応じて仕事も様々あります。
♦14.なぜ公務員なのか
よく聞かれる質問です。
「安定した身分、安定した給料がもらえるから」という本音は隠しておきましょう。
「民間と違い公務員は利益を追求しない・・・」この回答も止めましょう。
過去に多くの不合格者がこの回答をしてきたことでしょう。
♦15.なぜ〇〇県で働きたいのか
地元の自治体を受ける方は、普通の答えですが「地元が好きだから」という理由で話を膨らませれば大丈夫です。
地元以外の自治体を受ける人は、面接官が納得するような回答を考えておく必要があります。
住んだ経験がないなど、縁もゆかりもない自治体を受ける人ほど、志望する自治体についてしっかり調べておきましょう。
♦16.やってみたい仕事は
この質問を答えられないと「本当にこの仕事を志望しているのか?」と疑問に思われるので、学校事務職の仕事内容については、きちんと把握しておくべきです。
インターネット、本、実際に職員に話を聞きに行く、など調べる方法はいくらでもあります。
♦17.どんな職員が求められると思うか
職員が接するのは、子ども、教員、保護者、地域住民、業者、同僚、上司といろんな人たちです。
その人たちはそれぞれどんな職員を求めていると思いますか?
教育現場の主役である子どもにより良い教育環境を与えるには、どんな職員になるべきですか?
結構難しい質問ですね。
♦18.学校事務職員に話を聞いて何が大変だと言っていたか
これは実際に学校事務職員に会いに行って、仕事の話を聞いた受験生が面接官から質問されたパターンです。
こういった質問をされることもあるので、もし職員さんから話を聞く機会があれば、忘れないようにメモしておきましょう。
♦19.学生時代の事務の先生の名前を知っているか
これはあまりない珍しい質問ですね。
おそらく事務の先生とのエピソードを話したあとにされた質問だと思います。
エピソードを熱弁した後に「名前は知りません」って答えたらなんか変な空気。
♦20.子どもが好きな理由は
地味に難しいです。
見た目が可愛い、素直なところ、一生懸命なところ、純粋な笑顔、逆に大人にいろいろ教えてくれるところ。
好きな理由って難しいですね。
♦21.これまでに子どもとどのような関わりがあったか
全然関わりがない人よりも、子どもと接した経験がある人の方が、本当にこの仕事をしたいんだなあと話に説得力があります。
また、具体的なエピソードを持っていた方が話に厚みが増します。
学校事務職を目指すのに、子どもと全く関わりがなかった人は、今からでもいいので、何か子どもとの交流の場を見つけましょう。
♦22.なぜ今の大学に進学したのか
数ある大学の中から今の大学を選んだわけですから、そこには何かしらの理由がありますよね。
大半の人は偏差値とお金の兼ね合いでしょうけど。
あまり多くない質問ですが、地元以外の大学に進学した人の方が聞かれやすい質問です。
♦23.大学の学科を選んだ理由
公務員や教育などに全く関係のない学科出身の人は聞かれるかもしれません。
しかし、関係のない学科出身の人でも普通に合格できるので、特に心配する必要はありません。
♦24.大学時代に学んだことは
大学時代に何をしてきましたか?
勉強、研究、アルバイト、サークル、部活、ボランティア、留学など。
そこから学んだことを答えましょう。
思いつかない人は、何か小さなことでもいいので思い出して、その話を膨らませるといいです。
♦25.アルバイトの経験について
よく聞かれる質問です。
アルバイトの経験はないよりもある方がいいですが、現役生でアルバイト経験がない場合は、他の部分でアピールすればいいので気にする必要なしです。
既卒職歴なしでアルバイトの経験もないと、ちょっと微妙かもしれません。
短期もしくは日雇いのアルバイトでもいいので、一度経験してみて、話を膨らませればなんとか話の持ち駒が増えます。
♦26.サークルの活動について
飲み会サークルだった人は素直に「飲み会ばかりでした」って言わないように。
数少ない健全な活動内容を膨らませて話しましょう。
もしサークルに入ってなかった場合、素直に入っていないと答えても大丈夫です。
それだけで評価は下がりません。
♦27.部活動について
これもよく聞かれます。
部活動の経験はあるに越したことはないですが、なければ他の質問でカバーすれば大丈夫です。
部活動経験がある人は、おそらくそれに絡めて苦労したこと、工夫したこと、学んだことなどの質問が来るはずです。
♦28.学生生活に点数をつけるとしたら何点か
おそらく低い点数を答えらた「なぜそんなに低いのですか?」という質問が。
いっぽう高めの点数を答えたら「100点ではない理由は?」という質問が返ってきます。
つまり、いずれにせよ減点した理由=学生生活での反省点を答えることになります。
「100点です」という回答以外は。
♦29.大学生の時はなぜ試験を受けなかったのか
これは現役生ではなく既卒の人にくる質問です。
どういう経緯でこの試験を受けるのか、面接官を納得させる必要があります。
本音と建て前いろいろありますよね。
♦30.なぜ前の職場に就職したのか
この質問イコール「なぜ学校事務職を目指さず別のところで働いていたのか」ですね。
教育行政と関わりがない業界に就職している人ほど、回答が難しくなりますし、経歴が増えるほど突っ込まれやすくはなります。
職歴がある人は事前の準備が重要です。
♦31.前職はどのような仕事か
社会人経験枠でもなければ、それほど即戦力としての業務スキルは求められません。
ですが最低でも自分が行っていた仕事を端的に答えられるように準備しておくべきです。
その中で、学校事務の仕事と似たような内容があれば、そこも是非話しましょう。
♦32.前職を辞めた理由は
退職理由はよく聞かれます。
マイナスの理由で辞めたとしても、決してそれは言わないように。
また、前の会社の批判をくれぐれもしないように。
「人間関係が悪かったから」、「サービス残業が多いブラック企業だったから」、「給料が安かったから」全部NGです。
あくまで学校事務職を目指すために、ポジティブに辞めたことが伝わるように答えるべきです。
♦33.前の職場で困った経験は
困った経験を答えた後に「それにどう対処しましたか?」と質問が返ってきます。
前職で印象に残っている出来事を、事前に書き出しておくといろんな質問に答えやすくなります。
♦34.前職でクレームがあった場合どう対処していたか
実際にあなたが行っていたクレーム対応を話しましょう。
具体的なエピソードを交えて答えると、面接官はイメージしやすいですし、話の説得力も増します。
♦35.もしクレームを受けたらどう対応するか
公務員はクレームや苦情を言われる場面が多いです。
学校事務職の場合、主に保護者や地域住民などから苦情が来ます。
例えば部活の騒音や給食費の支払い関係など。
感情的にならず毅然とした態度で対応しましょう。
♦36.前職で学んだことを学校事務でどう活かすか
前職がある人にとって、この質問は大事なポイントです。
ここであなたの経験を、「学校事務職では〇〇のように活かすことができます」と上手くアピールできれば、面接官からの評価はかなり上がります。
それにより面接官も、あなたが学校事務職として働いているイメージができるので。
逆にここで何も思い浮かばずに、言葉に詰まると「仕事から何も学んでいないのかな」「何も考えずに仕事しているのかな」と面接官も不安になってしまいます。
♦37.これまでのあなたの受け応えは何点か
これも28番の質問と同様です。
低い点数を答えらた「なぜそんなに低いのですか?」という質問が。
高めの点数を答えたら「100点ではない理由は?」という質問が返ってきます。
つまり、いずれにせよ減点した理由を答えることになります。
「100点です」という回答以外は。
【後編の記事】⇒ 学校事務・教育行政の面接試験で実際にあった質問77選(後編)
4.学校事務職員を目指す人のための参考書
★目次
- 学校事務ここがイイ!
- 早わかりガイド
- 教養試験の攻略法
- 過去問の徹底研究
- 実力判定&学習法アドバイス
- 別冊:過去問模試
公立学校事務職員や、国立大学法人等職員の採用試験について、まとめられている本です。
本の前半では学校事務の概要、試験までの流れ、試験内容などが書かれています。
中盤には出題傾向や、過去の出題数が掲載されており、後半は過去問模試とその解説が収録されています。
別冊で過去問模試が付いているので、実力を確認するときにも有効。
※2023.9追記:改訂版が出版されておらず情報が古くなっているので、おすすめ取り消し。
5.面接対策講座
面接試験が不安な方は公務員予備校が実施している面接対策講座の受講も考えてみてください。
模擬面接は必ず受けておきたいところ。
例えばアガルートでは、「筆記試験対策+面接対策」だけでなく「面接対策のみ」の講座を実施しています。
通信なのでどこからでもオンラインで模擬面接が受講可能。
面接慣れをしておきましょう。
【関連記事】
⇒ アガルートの公務員講座の面接対策ってどう?詳しくまとめてみた
6.おわりに
学校事務職は普通の事務職と比べ情報が少ないので、積極的に情報収集をしていきましょう。
内定に向けて頑張ってください。