今回は、学校事務・教育行政職を志望している方に向けた、面接対策の記事(後編)です。

この記事では、学校事務職の面接試験を受けた受験生の体験報告書を基に、実際にあった面接官からの質問をまとめています。

前回は、全77の質問のうち、37つの質問を掲載しました。

前編 ⇒ 学校事務・教育行政の面接試験で実際にあった質問77選(前編)

今回は残り40の質問です。

学校事務職についての情報は、普通の事務職や教員採用試験の情報に比べ少ないです。

前編と含めて、今回の2つの記事が学校事務職を目指す人の参考になれば幸いです。

【この記事を書いた人】
政令市の消防士と行政職、町役場を経験
公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
YouTube ハチサン公務員

目次

  1. 実際の質問一覧
  2. 各質問の解説
  3. 学校事務職員を目指す人のための参考書
  4. 面接対策講座
  5. まとめ

1.実際の質問一覧

実際にあった質問77つのうち、今回は後半40の質問です。

  1. 趣味は
  2. 短所は
  3. 長所は
  4. 長所の具体的エピソードを教えて
  5. あなたの持ち味は何か
  6. 友人は多いか
  7. あなたは友人の中でどういった役割か
  8. 周囲(友人・先輩・後輩)からどう評価されているか
  9. これまでに何かを任されて、成功したことや失敗したことはあるか 
  10. リーダーを任されたらどうするか
  11. 苦手な人間はどのような人か
  12. 人と意見が合わない時はどうするか
  13. 上司からの命令は守るか
  14. どんな時にストレスを感じるか
  15. ストレス発散方法は
  16. どうにもならないことを要求されたらどう対応するか
  17. 日頃から心掛けていることは
  18. 日頃から心掛けていることを仕事でどう活かすか
  19. 挫折した経験はあるか
  20. これまでに経験した中で困難だったことは
  21. これまでにチャレンジして失敗したことは
  22. これまでの人生で印象に残っていることは
  23. これまでに努力してきたことは
  24. これまでに力を入れてきたことは
  25. これまでの人生で影響を受けたこと、その前後で自分はどう変わったか
  26. これまで経験したことを仕事にどう活かすか
  27. 自分のどういった部分が仕事に活かせるか
  28. 既存のルールを変更することについてどう思うか
  29. 根気強い方か
  30. セクハラがあった場合どう対処するか 
  31. 危機管理について
  32. あながた持っているその資格はどういったものなのか
  33. なぜ資格を取ろうと思ったのか、取得してどう変わったか 
  34. 事務処理はできるか
  35. 提出物などは早めに出す方か
  36. 車の免許は持っているか
  37. 併願状況は
  38. 他の公務員試験にも合格したらどうするか
  39. もし不採用になってしまったらどうするか
  40. 最後に伝えたいことはあるか 

2.各質問の解説

①趣味は 

趣味は面接に限らず、他の人が聞いて印象の悪そうなものは答えないように。
ギャンブルなどは誰が聞いても良い印象は持ちませんよね。
それ以外なら何でもいいです。
珍しい趣味は話が弾むかも。

②短所は 

短所については、ガチな短所ではなく、当たり障りのない軽めのものを答えた方が無難です。
例えばコミュ障でも「人とコミュケーションを取ることが苦手です。」なんて言ったら面接官も不安になります。
また、短所を言いたくないからといって「短所はリーダーシップを発揮し過ぎるところです」など長所的なことを強引に短所に持っていかない方がいいです。
「それは短所とは言わないのでは?」と切り返された受験生もいます。
あと「短所はありません」もなしで。

③長所は 

あれもこれもアピールしようとたくさん答えると、ひとつひとつの長所が薄くなってしまいます。
長所はひとつ、多くても2つで十分でしょう。

④長所の具体的エピソードを教えて 

長所を聞かれたときに合わせて、具体的なエピソードを答えます。
事前に長所を裏付けるエピソード準備しておきましょう。
具体的なエピソードが答えられないと、長所を答えても薄いです。

⑤あなたの持ち味は何か 

あまり聞かれないレアな質問です。
「持ち味」はweblio辞書によると「その人物・作品などがもつ独特のよさや味わい」だそうです。
長所を聞かれていると捉えて大丈夫そうです。

⑥友人は多いか 

多い方が良いという訳ではありません。
ただ、友達がいない人でも0人と答えると「人とのコミュニケーション大丈夫かな?」と面接官も不安になります。

⑦あなたは友人の中でどういった役割か 

「まとめ役」、「友人の話を聞く役」、「計画を立てる役」、「場を盛り上げる役」、いろんな役割がありますね。
学校事務職でもいろんなタイプの人材が欲しいと思うので、こういう役割の人間じゃないとダメってことはないです。

⑧周囲(友人・先輩・後輩など)からどう評価されているか 

よく聞かれる質問です。
親しみやすい、明るい、落ち着いているとか、周囲の人からあなたは何と言われたことがありますか?
ぶっちゃけ「そんなの知るかよ」って感じですけど。

⑨これまでに何かを任されて、成功したことや失敗したことはあるか 

「ゼミ旅行の段取りを任された」、「アルバイトで後輩指導を任された」、「仕事で新規顧客案件を任された」など。
それらの成功したこと、失敗したこと両方あるといいですね。

⑩リーダーを任されたらどうするか 

質問が分かりづらいですね。
「任されたら引き受けますか?断りますか?」ってことを聞いてるのか。
それとも「リーダーになったらどう行動しますか?」ってことを聞いているのか。
実際の面接で分かりづらい質問がきたら、遠慮なくどういう意味か確認した方がいいです。
後者なら、実際にリーダーになったことがある人は、その時のエピソードを交えて話しましょう。

⑪苦手な人間はどのような人か 

学校事務職として働き始めると、同じ学校事務職の同僚、そしてたくさんの教師と接することになります。
もちろん、苦手な人も出てくると思います。
「時間にルーズな人」、「挨拶を返さない人」、「人の意見を聞かない人」など苦手なタイプを答え、その理由も続けて話しましょう。

⑫人と意見が合わない時はどうするか 

「意見が一致するまで話し合う」、「相手に合わせる」、「自分の意見を貫く」。
あなたはどうしますか?
今までどうしてきましたか?
学校事務職は同じ事務職以外に先生と関わることも多くあります。
事務職の立場・先生の立場それぞれ違うので、意見が違うこともたくさん出てくると思います。

⑬上司からの命令は守るか 

この質問は珍しいですね。
「守りません」なんて答える人たぶんいないです。
「上司が間違った指示を出したときはどうしますか」といった質問はたまにあります。

⑭どんな時にストレスを感じるか 

ストレスに関する質問は、職種に限らず公務員試験の面接ではよくあります。
「それぐらいでストレス感じるの?」って思われる回答はやめた方がいいかも。
ストレス耐性があるか見られています。

⑮ストレス発散方法は 

1人での学校配属になれば、最初は分からないことだらけで、ストレスが溜まるかもしれません。
「発散方法は特にありません」なんて答えないように。
ストレスを溜め込む人間と思われます。
「この人はきちんとストレスを解消できるんだな」と思われるように、運動、旅行、温泉、カラオケなど、何か発散方法を見つけてください。

⑯どうにもならないことを要求されたらどう対応するか 

公務員だとよく住民から無理な要望が来ます。
そしてトラブルになります。
だからといって、ただ住民の言いなりになってはいけません。

⑰日頃から心掛けていることは 

たまに聞かれる質問です。
もし心掛けていることが特にない場合でも、無意識に何か日常で行っていることはありませんか。
いきなりこのような質問されてもパッとは思い浮かばないですよね。
少し考えてみてください。

⑱日頃から心掛けていることを仕事でどう活かすか 

17で答えたものを仕事でどう活かすかですよね。
つまり、日頃から心掛けていることを聞かれたときは、仕事で活かせることを前提に回答しておいた方がいいですね。

⑲挫折した経験はあるか 

挫折経験がないと思っている人でも、何か小さな挫折はありませんか。
エピソードを答えたあとに、挫折から何を学んだか、どう成長したかなど聞かれます。

⑳これまでに経験した中で困難だったことは 

挫折経験と似ています。
経験した困難をその後どう乗り越えましたか。
ただの苦労話にならないように。

㉑これまでにチャレンジして失敗したことは 

やっぱり何かに挑戦して、失敗してそこから成長した人は経験値が高く、好印象を与えます。
誇れるチャレンジをしていない人でも、何か小さな挑戦はしたことがあるはずです。
思い出してみてください。

㉒これまでの人生で印象に残っていることは 

あまり聞かれない質問です。
あなたがどういう人生を歩んできたか、どういった感性を持っているか、面接官はいろんな質問で、あなたの人となりを知ろうとしています。

㉓これまでに努力してきたことは 

部活、サークル、勉強、研究、仕事、ボランティア、介護など。
その中で、何か具体的に話せることはありますか。

㉔これまでに力を入れてきたことは 

努力してきたこととほぼ同じです。

㉕これまでの人生で影響を受けたこと、その前後で自分はどう変わったか 

影響の受け方は人それぞれです。
誰から影響を受けたのか、友人、ライバル、恩師、家族、先輩、後輩、テレビ、ニュースなど。
自分が実際に体感して影響を受けたのか、それとも何か聞いた見たりしたことで影響を受けたのか。
その結果、どんな行動をとるようになったのか、どんなことを意識するようになったのか。

㉖これまで経験したことを仕事にどう活かすか 

学校事務の仕事に当てはめて答えましょう。
答えるためには、学校事務の仕事を理解しておく必要があります。

㉗自分のどういった部分が仕事に活かせるか 

あなたの強みやこれまで経験したことが、学校事務の仕事でどう役に立つのか。
26と同じように学校事務の仕事について、事前に知っておく必要があります。
極端な話、料理が上手くできることがあなたの強みだとしても、学校事務職の仕事には全く活かせません。
あなたの強みと学校事務職の仕事内容をマッチさせて答えましょう。

㉘既存のルールを変更することについてどう思うか 

公務員は旧態依然なことが多くあります。
かといってルールを簡単に変えることはできません。
既存のルールを好むものもいるし、既存のルールにもいい部分がある場合もあります。
ルールを強引に変えるか、全員の理解を得られるまで協議を重ねるか。
どちらにしてもルールの変更には労力が必要です。

㉙根気強い方か 

学校事務職員は一人配置の場合も多く、ひとりで多くの事務作業を、長時間こなすことも珍しくありません。
そのため、作業を投げ出さない根気強さが求められます。

㉚セクハラがあった場合どう対処するか 

信頼できる先輩や上司に相談しましょう。
相談できそうな先輩、上司がいない場合は、セクハラなどのコンプライアンス関係を扱う部署に相談。

㉛危機管理について 

学校は事故等が起きやすいので、日頃から危機管理意識を持っておくことが大切です。
遊具がきちんと点検されているか、生徒が通る廊下に、危ないものは置いていないかなど。
また、自然災害が発生した時の想定はきちんとできているか。
危機管理については、日頃から学校の先生と事務職が連携しておくことが重要です。

㉜あながた持っているその資格はどういったものなのか 

マイナーな資格をエントリーシートや履歴書に書いた場合に聞かれます。
書いた以上は何か聞かれる可能性があるので、よく考えて、書くかどうか判断しましょう。

㉝なぜ資格を取ろうと思ったのか、取得してどう変わったか 

全く学校事務職の仕事に関係のない資格を持っていたら、「なぜ取ったの?」って疑問に思うのが普通ですよね。
エントリーシートなどに書くのであれば、きちんとその理由を話せるようにしておきましょう。

㉞事務処理はできるか 

これは現役生より、例えば、社会人であまり事務に関係ない仕事をしてきた人に聞かれる質問かもしれません。
自信なくても、全くできないと答えないように

㉟提出物などは早めに出す方か 

珍しい質問ですね。
「早めに出す、余裕をもって出す」の一択です。
「ギリギリに出します」なんて答えると面接官も不安になります。

㊱車の免許は持っているか 

他の学校に書類を渡しに行ったり、県庁や市役所に研修や事務連絡で行く場合もあるので、免許があるに越したことはありません。
しかし、なくても内定後に取りに行けばいいですし、働き始めてからでも大丈夫です。

㊲併願状況は 

併願状況はよく聞かれます。
この質問で面接官は、「本当にうちに来てくれるのか」を確認しています。
第一志望と思われる回答であれば、本当のことを言っても、多少のウ〇をついても構わないと思います。
いちいち受験生がどこを受験しているかなんて調べないので。
逆に言えば第一志望と思われない回答はやめましょう。
例えば地元がB県の人が、A県庁の面接試験で「B県警と国税を併願しています。」と答えたら、A県庁の面接官は「本当にうちが第一志望?」ってなります。

㊳他の公務員試験にも合格したらどうするか 

公務員試験では併願が当たり前なので、滑り止めの官公庁を受けることもあると思います。
しかし、あくまでいま面接を受けている自治体が、第一志望だというスタンスで答えましょう。

㊴もし不採用になってしまったらどうするか 

諦めて他の試験を受けるか、来年も受け直すか、現時点では分かりませんと答えるか。
正解はないので、どの答えも言い方次第ですよね。

㊵最後に伝えたいことはあるか 

これも最後によく聞かれます。
「特にありません」だと味気ないので、何か言えるように用意しておきましょう。

【関連記事】
⇒ 公務員試験の結果いつ分かる?何日後に発表されるか平均も紹介

3.学校事務職員を目指す人のための参考書

目次

  • 学校事務ここがイイ!
  • 早わかりガイド
  • 教養試験の攻略法
  • 過去問の徹底研究
  • 実力判定&学習法アドバイス
  • 別冊:過去問模試

前編でも紹介しました公立学校事務職員や、国立大学法人等職員の採用試験について、まとめられている本です。

本の前半では学校事務の概要、試験までの流れ、試験内容などが書かれています。

中盤には出題傾向や、過去の出題数が掲載されており、後半は過去問模試とその解説が収録されています。

別冊で過去問模試が付いているので、実力を確認するときに有効。

※2023.9追記:改訂版が出版されておらず情報が古くなっているので、おすすめ取り消し。

4.面接対策講座

面接試験が不安な方は公務員予備校が実施している面接対策講座の受講も考えてみてください。

模擬面接は必ず受けておきたいところ。

例えばアガルートでは、「筆記試験対策+面接対策」だけでなく「面接対策のみ」の講座を実施しています。

通信なのでどこからでもオンラインで模擬面接が受講可能。

面接慣れをしておきましょう。

【関連記事】
⇒ アガルートの公務員講座の面接対策ってどう?詳しくまとめてみた

【講座の詳細 / 申し込み】
⇒ アガルートの公式ホームページ

5.まとめ

筆記試験にばかり気を取られ、面接試験対策が疎かにならないように。

筆記試験合格後に1から面接の準備をしようと思っても、時間はないですよ!

2次試験よりも前から少しずつ準備ができればいいですね。