【東京消防庁の面接試験対策】押さえておくべき東消の基本情報!

今回は東京消防庁の面接試験について。

この記事では、面接試験対策に十分時間が取れない人のために、東京消防庁の基本的な情報をまとめて紹介します。

面接の質問内容などではなく、東京消防庁そのものに関する情報です。

試験対策に活用してください。

私も過去に東京消防庁Ⅰ類、政令指定都市の上級消防職に合格し、内定を頂くことができました。

【この記事を書いた人】
政令市の消防士と行政職、町役場を経験
公務員試験は独学・予備校の両方を経験
YouTube ハチサン公務員

目次

  1. 面接は告白と同じ
  2. 東京消防庁にはいろんな部隊がある
  3. 東京消防庁のキホンのキ
    ・令和3年4月に18,000人を率いるトップが交代
    ・管轄はほぼ東京都内の全域
  4. 東京消防庁管内の火災事情
    ・喫煙者のマナーを向上させよう
    ・住宅用火災警報器のさらなる普及に努めたい
    ・火災が多い足立区
  5. 東京消防庁管内の救急事情
    ・忙しい救急隊
  6. 消防試験面接対策「note」
  7. まとめ

1.面接は告白と同じ

東京消防庁の1次試験に合格したら、次は2次試験、面接が控えています。

面接試験では、自分をアピールするための自己分析が必要です。

しかし、面接官に志望の熱意を伝えるには、自分の事だけでなく相手(東京消防庁)のこともきちんと知っておく必要があります。

例えば好きな人に告白するとき、相手の顔しか知らずにただ自分の思いを伝えるよりも、相手の中身をきちんと知り、それを踏まえて相手に熱意を伝えた方が、成功する確率は上がるはずです。

面接試験も似たようなもの。

東京消防庁の基本的な情報を知っておくことで、面接で話す内容に厚みを持たせることができますし、返答するときの引き出しが増えます。

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2.東京消防庁にはいろんな部隊がある

まずは、東京消防庁に配置されている様々な部隊を紹介します。

代表的なものだけで以下のような隊があります。

  1. ポンプ隊
  2. 特別救助隊
  3. 指揮隊
  4. はしご隊
  5. 化学機動中隊
  6. 特別消火中隊
  7. 消防救助機動部隊
  8. 救急隊
  9. 水難救助隊
  10. 即応対処部隊
  11. 山岳救助隊
  12. 救急機動部隊
  13. 航空隊
  14. 舟艇隊 etc

あなたが消防士になってやってみたいことは何ですか?

①ポンプ隊 

消防の基本となると隊で、ポンプ車(消防車)で現場に駆け付け消火活動に当たります。

どの消防署にも配置されており、消火活動だけでなく、救助活動や救急活動の支援にも当たります。

救急隊の代わりに先行して救急現場へ駆けつけることもあります(PA連携)。

②特別救助隊 

オレンジ服が目印で、東京消防庁の中でも人気の部隊です。

レスキュー隊とも呼ばれています。

様々な救助資器材や技術を駆使して人命救助に従事します。

特別救助隊の隊員になるには、約30日の研修を修了する必要がありますが、研修を受けるには事前の選抜試験に合格しないといけません。

③指揮隊 

指揮隊は、ポンプ隊や特別救助隊などと連携して現場に出場し、現場活動の指揮・統制を行います。

災害現場では、いろんな部隊が集結し活動を行います。

時には集結し過ぎてごちゃごちゃすることも。

それらの部隊が、安全かつ円滑に任務の遂行できるように、指揮隊が司令塔的な役割を果たします。

現場で白い机を出して、いろいろ作戦を練っている隊です。

④はしご隊 

災害時にはしご車で出場し、高層階に取り残された住民の救助や、はしご車のバスケットから放水を行います。

はしご車本体の全長は10mを超えるため、運転する機関員(運転手)は、高い運転技術が必要です。

また、はしごは30~40m程度まで伸びるため、上部はかなり怖いです。

⑤化学機動中隊 

NBC災害(放射性物質、生物剤、化学物質)に対応する専門部隊で、特殊な事故やテロ発生時に出場します。

現場には危険な物質が漏れているかもしれないので、普通の活動服とは異なった特徴的な防護服で活動に当たります。

地下鉄サリン事件が発生した際には、化学機動中隊が出動し、除染や救助活動などを行いました。

また、一般の火災の時はポンプ隊として出場します。

⑥特別消火中隊 

特別消火中隊は、火災に関する専門的な知識と技術を有する隊員が配属され、消火活動の中核となる部隊です。

黒の防火衣と金色のヘルメットがトレードマークで、2004年に編成されました。

2011年の東日本大震災では、大規模火災の消火活動のため、東北に派遣されました。

⑦救急隊 

隊長、機関員(運転手)、隊員の3名で構成され、救急車に乗り救急活動に従事。

隊の中で1人は救急救命士の資格を所有しています。

救急現場や救急車の中で救急処置を施し、選定した病院へ搬送を行います。

消防の組織で最も出場が多いのがこの救急隊です。

⑧消防救助機動部隊 

東京消防庁の特別高度救助隊の名称で、通称ハイパーレスキュー。

1996年に発足し、地震や豪雨などの災害や大規模な事故等、高度な救助技術や知識が必要となる現場に出動します。

様々な現場に対応するため、使用する車両や資器材の数が非常に多く、覚えるだけでも一苦労。

⑨水難救助隊 

水難救助隊は文字通り、海や川での水難事故の際に活躍する部隊で、東京消防庁管轄内に6隊配置されています。

水難救助と聞くと、船からの活動を想像しますが、水難救助用の車両による救助活動も行います。

水難救助隊員になるには、潜水士の資格が必要となり、厳しい選抜試験と研修をクリアしなければなりません。

⑩即応対処部隊 

令和2年に発足した新しい部隊です。

広域的な自然災害が発生した際に、通常の消防部隊では侵入困難な現場に先着し、救助や後着隊への情報共有を行います。

浸水地や急斜面などの悪路にも対応する車両が配備されており、また、ドローンを活用した情報収集も行います。

⑪山岳救助隊 

八王寺や奥多摩などに配置されており、山で事故・遭難が発生した際に出動します。

山岳救助隊の隊員は、通常はポンプ隊や特別救助隊として活動しており、山岳救助の要請があった際に、山岳救助隊として出場しています。

専任ではなく兼務です。

航空隊と連携して活動することも多いです。

⑫救急機動部隊 

平成28年に新たに発足しました。

一般的に、救急活動中ではない救急隊は、消防署で待機をしていますが、救急機動部隊は、固定的な待機所を持たず、救急需要が高い東京駅や新宿駅などを基点にしています。

それによって、現場到着の時間が短縮され、より質の高い救急活動を実施。

また、普通の救急車に加え、より大きい車両も配備されており、感染症やNBC災害にも備えています。

⑬航空隊 

航空隊は現在、立川飛行場と東京ヘリポートを拠点にしており、主にヘリコプターによる消防活動に従事しています。

救助活動や救急活動、空中からの消火活動、さらには空からの情報収集や物資の運搬まで、活動の幅は広く、経験値の高い職員が配属されています。

また、2016年には航空隊内に、航空消防救助機動部隊、通称エアハイパーレスキューが発足しました。

⑭舟艇隊 

舟艇隊は東京湾沿岸部にある3か所の消防署だけに配置されています。

港や周辺の河川部などでの消火・救助活動に当たっています。

配置されておる消防艇は全部で9艇。

基本的に大きな小型の消防艇が多いですが、臨港第一舟艇「みやこどり」は全約43mとかなり大きいです。

⑮その他の部隊 

紹介した隊以外にも、東京消防庁内にはデイタイム救急隊やファーストエイドチーム、統合機動部隊など様々な部隊やチームがあります。

ちなみにデイタイム救急隊とは、産休明けの女性など、24時間勤務が難しい職員が日中のみ救急活動に従事できる救急隊です。

24時間体制の救急隊に加えて、機動的に出場できるデイタイム救急隊のおかげで、現場への到着時間短縮に繋がっています。

こういった先鋭的な取り組みができるところは、東京消防庁の非常に良いところです。

これほど活躍できるフィールドが広いのは、東京消防庁だけです。

小さな消防本部では考えられません。

現場以外の仕事

現場活動ばかり注目されがちですが、東京消防庁では、現場以外にも、広報・指令室・予防など様々な仕事があります。

また、機会があれば紹介します。

3.東京消防庁のキホンのキ

令和5年4月に18,000人を率いるトップが交代 

現在、東京消防庁のトップは吉田義実氏で、令和5年4月1日に第29代消防総監に就任しました。

この「消防総監」という階級は、日本に一つしかない最上位の階級です。

ちなみに吉田義実氏は防衛大学校出身。

東京消防庁の職員は令和4年4月1日時点で18,835人、これは日本でダントツに多い人数です。

  1. 東京消防庁  :18,835人
  2. 横浜市消防局 :3,886人
  3. 大阪市消防局 :3,607人
  4. 名古屋市消防局:2,409人

管轄はほぼ東京都内の全域 

東京消防庁の管轄区域は、稲城市と島しょ地域を除く東京都のほぼ全域で、第一方面から第十方面まで10か所の地区に管轄が分かれています。

ちなみに東京都には、東京消防庁の他に、稲城市消防本部、大島町消防本部、三宅村消防本部、八丈町消防本部が設置されています。

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4.東京消防庁管内の火災事情

喫煙者のマナーを向上させよう 

東京消防庁管内における火災の出火原因は以下のとおり。(調査方法によって1位と2位の変動あり)

  • 1位:たばこ
  • 2位:放火
  • 3位:ガステーブル等

寝たばこをやめる、たばこのポイ捨てはしないなど、喫煙者の意識やマナーを向上させることが火災の減少に直結します。

こういった啓発活動も消防職員の大事な役割です。

住宅用火災警報器のさらなる普及に努めたい 

2006年に住宅用火災警報器の設置が義務化されました。

東京都内の設置率は徐々に上昇しており、総務省消防庁の発表によると令和5年6月1日の設置率は90.4%。

これは全国平均84.3%を大きく上回っています。

出火の原因1位がたばこだったことから、設置率の上昇が被害の減少に繋がります。

現場活動への熱意だけでなく、面接で住宅用火災警報器の設置啓発などにも触れると、ほかの受験者と差別化を図れるかもしれません。

火災が多い足立区 

令和元年から令和3年の3年間で、火災が多かった地域は以下の5区です。

  • 1位:新宿区  595件
  • 2位:世田谷区 577件
  • 3位:港区   570件
  • 4位:足立区  547件
  • 5位:大田区  514件

人が多く集まる地域で、火災も多く発生しています。

新宿区の火災発生件数を1年間で平均すると198件。

ちなみに富山県の令和4年の火災発生件数は154件。

新宿区だけで県超えの件数です。

5.東京消防庁管内の救急事情

令和元年から令和3年の3年間で、救急出動が多かったのは以下の地域です。

  • 1位:足立区 :129,004件
  • 2位:世田谷区:127,887件
  • 3位:大田区 :117,371件
  • 4位:江戸川区:109,961件
  • 5位:練馬区 :107,043件

人口が多い区が、そのまま救急出場も多い区となっています。

忙しい救急隊 

令和3年の東京消防庁管内の救急出場件数は72万965件でした。

これは約44秒に1回出場している計算です。

東京消防庁にはいろんな隊がある中で、救急活動を行う救急隊が最も忙しいと言えます。

救急要請をした方のうち、半数以上が軽傷だったことから、救急車の適正利用を働きかける必要があります。

ただ、適正利用ばかりを主張してしまうと、本当に必要な方まで救急要請を躊躇してしまう可能性もあるので、丁寧な啓発活動が大切です。

ですが高齢化に伴い今後も救急出場は増えることが予想されます。

ちなみに令和元年度まで10年連続で救急出動件数は増加していましたが令和2年度に減少しました。

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6.消防試験面接対策「note」

「note」上にて『消防士の面接試験で実際にあった質問50選とその対策【完全版】』を提供しています。

消防士採用試験の報告書を基に、実際に面接官から質問された内容を収録しています。

50の質問・14のカテゴリー・深掘り解説 

実際の質問を50問知るだけでもかなり役に立ちますが、質問を掲載しているだけでなく、それぞれの質問について詳しく解答アドバイス・解説をしています。

そのため気付けば、約1万9,000文字のボリュームになっていました。

ただ、内容は質問ごとに区切られているので簡単に読むことができます。

50の質問を14のカテゴリーに分けてまとめています。

まだまだ面接試験は先の話だという人は早めの準備として、面接試験が直前だという人は念には念の最後の対策として、気になる方はチェックしてみてください。

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7.まとめ

今回の記事は東京消防庁や横浜市消防局などのホームページを参考に、東京消防庁の基本的なデータをまとめて紹介しました。

⇒ 東京消防庁の公式HP

筆記試験が終わっても気を抜かず、面接試験の準備を進めていきましょう。