消防士の面接試験と聞くと、かなり厳しい質問が来たり、重々しい雰囲気といったイメージを持ちますよね。
しかし、圧迫面接かどうかは一概には言えず、受ける自治体や面接官によって雰囲気は全く違います。
私が政令指定都市の消防局や東京消防庁を受験した際には、厳しい雰囲気はなく終始和やかな雰囲気でした。
今回は消防士の試験を受けようと考えている方や、既に一次試験に合格した方に向けて、実際に面接試験であった質問をまとめてみました。
ここにある質問は、消防士の面接試験を受けた方々の体験報告書を基に掲載をしています。
今後の面接試験の参考にしてください。
【この記事を書いた人】
・政令市の消防士と行政職、町役場を経験
・公務員試験は独学・予備校両方で合格を経験
・YouTube ⇒ ハチサン公務員
★目次
- 消防の面接で気をつけること
- 個人に関する質問11発
- 消防に関する質問14発
- 消防士の面接試験で実際にあった質問50選とその対策【完全版】
- まとめ
- 各予備校の料金などを比較!
1.消防の面接で気をつけること
この記事では25問の質問について簡単に解説・アドバイスをしていきます。
一つひとつのアドバイスを詳しく知りたい方、残りの25問も知りたい方は『完全版』(約19,000文字)をご覧ください。
♦話し方と態度は大事
消防士の面接で気をつけることをいくつか挙げるとしたら、話し方と態度です。
消防士の仕事は上下関係がきっちりしていて体力も必要。
なのでそういった職場環境に耐えられる強い人材が求められます。
面接で話すときにモゴモゴしていたり声が小さいと、弱々しい印象を面接官に与えてしまいます。
そうするとせっかく返答の内容が良くても、全体的な印象に引っ張られて評価はマイナス。
というか、なよなよしている消防士は市民も不安ですよね。
♦当たり前ができているか?身だしなみ
印象でもう一つ大事なのは身だしなみ。
身だしなみを整えるという当たり前のことができていなければ、他の受験者に差をつけられます。
- 髪は黒髪か
- 爪は切っているか
- 髭は剃っているか
- ニオイは臭くないか
- スーツ(制服)のサイズはあっているか
- ネクタイはキレイに結んでいるか
- 靴はキレイにしているか etc
こういった細かい部分の積み重ねが印象に大きな影響を与えます。
清潔感がないと何となく頼りにならない印象を持たれてしまう可能性も。
面接の限られた時間だけで、受験者の人柄を全てを把握するなんて面接官も不可能。
なので、話す内容と同じくらい見た目、態度などの印象は大事。
♦緊張しても大丈夫
緊張して言葉に詰まったり、難しい質問に即答できないのは構いません。
それは誰にでも起こりえるので心配なし。
もちろん何回も沈黙が続くのはよくないですが、多少緊張して言葉が詰まっただけでは面接に落ちないので大丈夫。
ただ、どんなに緊張しても大きな声で話し、挨拶やお辞儀はしっかりすること。
消防士になると大声を出す場面や敬礼・挨拶をする場面は多いです。
そういったことがきちんとできるかどうかも面接官は見ています。
面接で大事なのは消防士の知識・うんちくよりも話し方・態度・身だしなみです。
2.個人に関する質問11発
ここからは面接試験で実際にあった質問を25問紹介しますが、まずは個人に関する質問11問。
消防士の採用試験であった質問ですが、内容的には他の公務員試験でも頻出の質問です。
ここでは質問について簡単に解説していますが、詳しい解説は『完全版』(約19,000文字)をご覧ください。
- 緊張しているか
- ストレスについて
- 最近関心を持っていることは
- 英語は喋れるか
- 学生時代に頑張ったことは
- 部活動について
- 受験勉強について
- アルバイトについて
- 友人からどう思われているか
- 長所・短所は
- 趣味について
♦消防面接①緊張しているか
緊張しているかは面接の最初の雑談でよく聞かれます。
正直に答えれば大丈夫です。
個人的には「緊張しています」と言っておいた方が、そのあと言葉に詰まったときに「緊張して言葉に詰まっているのだな」と面接官が大目にみてくれる感じがします。
ちなみに9割の就活生が「就活時に緊張した経験がある」とのデータがあるので緊張して当たり前です。
♦消防面接②ストレスについて
「ストレスは溜まりやすいか」「ストレスの発散方法」「どういったことにストレスを感じるか」これは消防士の面接だけでなく、他の公務員試験でもよく聞かれる質問です。
よく聞かれるので事前に回答を準備しておきましょう。
当然消防はストレスに弱い人より強い人を求めています。
消防士は人間関係によるストレスだけでなくPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する可能性もあります。
♦消防面接③最近関心を持っていることは
消防士に関係のある事・ない事どちらでも構わないです。
相手は消防のプロなので、消防のことについて話したらそれについて予想外に深堀される可能性もあります。
それを避けるために全然消防に関係のない話をすることも作戦の一つです。
「消防に関することで最近興味があることは?」と聞かれる可能性もあるので両方準備しておくといいかも。
♦消防面接④英語は喋れるか
近年、在留外国人や外国人観光客が増えているので、面接でこのような質問も増えているようです。
ほとんどの消防士志望者は英語を話せないと思うので、正直に「話せません」と回答しても構わないです。
逆に英語が話せたら強みですね。
ちなみに日本に暮らす在留外国人は以下の順に多いです。
- 中国
- ベトナム
- 韓国
- フィリピン
- ブラジル
- ネパール
♦消防面接⑤学生時代に頑張ったことは
社会人が受験する場合はあまり聞かれないかもしれませんが、大学生や、既卒職歴なしの場合は面接で学生時代のことがよく聞かれます。
ほとんどの人は部活、サークル、アルバイトあたりを答えるのではないでしょうか。
逆にそれ以外に何か話すことがあれば差別化できます。
頑張ったことで何か実績となるものあれば是非面接で話しましょう。
♦消防面接⑥部活動について
「何部だったか」「部活で学んだこと」「部内での自分の役割」などが聞かれます。
体育会系の部活をしていたことに越したことはありませんが、私は高校、大学と帰宅部でしたが合格しました。
帰宅部や文化部だった人は他で体力がきちんとあることを面接でアピールしましょう。
体感的には野球部出身が多かったです。
♦消防面接⑦受験勉強について
この質問は現役生よりも既卒の人に質問されやすいです。
現役生には「どのくらい勉強したか」など簡単な質問。
既卒で働きながら受験した人の場合は「働きながらの受験勉強は大変ではなかったか」「職場には受験することを伝えているのか」などの質問が返ってきます。
既卒で勉強一本に絞って受験した人の場合は「落ちたらどうするか」「働きながらじゃダメだったのか」などの質問がきます。
♦消防面接⑧アルバイトについて
「アルバイトで工夫したこと」「同僚や先輩との接し方」「失敗したこと」「学んだこと」などの質問が考えられます。
私の消防の同期は引っ越しや居酒屋のアルバイトをしていました。
社会人経験がある人は、当然アルバイトより正規で働いた経験について面接で聞かれます。
大卒既卒でアルバイト経験がない人は、日雇いでもいいので一度経験しておくといいかも。
♦消防面接⑨友人からどう思われているか
「そんなこと知るか」って思っちゃいますが何かしら答えましょう。
マイナスなことより、できるだけプラスなことを言いましょう。
自意識過剰にならない程度に。
「仲のいい友人からはよく〇〇と言われます」といった感じで。
♦消防面接⑩長所・短所は
長所はあなたのアピールポイントになります。
短所についてはガチな短所ではなく、当たり障りのないライトな感じのことを言っておきましょう。
消防業務に支障をきたしそうな短所はダメです。
「短所は集団生活が苦手なことです!」なんて言ったら落ちます。
♦消防面接⑪趣味について
おそらく、消防士志望の方の回答はだいたい「筋トレ、サッカー、野球、ランニング」など運動関係に集中すると思います。
それでも全然構いませんが、新人消防士はほぼ全員消防署で先輩たちのご飯を作らないといけないので、「趣味が料理」っていうのもおもしろいかも。
なので消防士になるとほぼ全員が料理できるようになります。
ただ、最近は出前を取ったりして消防署で飯を作らないところも増えてきています。
楽器が演奏できれば音楽隊で活躍もできます。
3.消防に関する質問14発
続いて消防に関する質問を14問紹介。
- 12.消防士を目指した理由(志望動機)
- 13.なぜ他の消防ではなくうちの消防か
- 14.消防士を目指すにあたり誰かに相談したか
- 15.興味がある部署は
- 16.殉職や危険にあう覚悟はあるか
- 17.24時間勤務も考えられるがどう思うか
- 18.市民が消防に求めるものはなにか
- 19.消防学校の訓練は耐えられるか
- 20.消防士になることに不安はあるか
- 21.消防でうまくやっていけるか
- 22.○○市の消防のイメージは
- 23.消防士になってからの目標・やりたいこと
- 24.外国人に対してどのように接するか
- 25.併願状況
♦消防面接⑫消防士を目指した理由(志望動機)
消防の採用試験でほぼ間違いなく聞かれる質問です。
面接カードにも書く場合がほとんどなので、志望動機はしっかり考えておきましょう。
きっかけとなるエピソードがあれば是非それを伝えましょう。
例えば、私の同期は志望動機を聞かれた際に、「現場作業中(前職)に同僚が事故で亡くなったが、自分は何もできずに無力さを感じた。」というエピソードを具体的に面接で話したそうです。
消防士を志す理由として説得力がありますよね。
こんな強いエピソードではなくても、何か消防士を目指すきっかけとなった事があれば、それを踏まえて具体的に話した方が説得力は増します。
♦消防面接⑬なぜ他の消防ではなくうちの消防か
これも面接で定番の質問です。
地元の消防を受ける方は、普通の答えですが「地元だから」という理由で通りますし、私もそのように答えて合格しました。
地元以外の消防を受ける方は、しっかり理由を考えておきましょう。
私の同期でも地元以外の合格者は多かったので、対策をきちんと取っておけば地元じゃなくても合格できます。
♦消防面接⑭消防士を目指すにあたり誰かに相談したか
この質問はきちんと悩み事を周囲に相談できたり、他人の意見を取り入れることができるかを確認していると推測できます。
したがって「誰にも相談していません」よりも「○○に相談しました」と回答した方が良さそうです。
おそらく「○○に相談しました」と答えた後に「それについて○○は何と言っていましたか」という質問が返ってきます。
消防士は世間からのイメージは抜群だし、公務員なので反対する人はいないでしょう。
♦消防面接⑮興味がある部署は
消防士を目指している人は、消火隊(ポンプ隊)、救助隊、救急隊に興味がある人がほとんどだと思いますし、その部署を答える人がほとんどでしょう。
もしも他人と差別化を図りたいなら、本当に興味がある部署を答えつつ、+αで火災調査や予防業務など知名度の低い部署も答えると、珍しいなと面接官の印象に残るかもしれません。
ほかにも、消防学校の教官、消防団との連絡調整、通信指令室など意外と現場以外にもいろんな業務があります。
現場以外にも活躍している消防職員がいることを忘れないように。
♦消防面接⑯殉職や危険にあう覚悟はあるか
「覚悟はありません」と答える人はいないと思いますが、「人のためなら死んでも構いません!」とオーバー過ぎる回答は引いてしまいます。
実際消防では、要救助者ではなくまず自分の命を守ることが一番と教えられます。
ちなみに消防士の殉職率は以下のとおり。
- 殉職率:0.0056%
- 10万にあたりの死亡者数:5.6人
意外と低いです。
♦消防面接⑰24時間勤務も考えられるがどう思うか
予防課や総務課など事務中心の部署に配属されない限り、消防士は基本的に24時間勤務です。
火事や救急は時間を問わず24時間起こりえるので当たり前ですね。
消防士の試験を受けているのに「24時間勤務はちょっと厳しいですね~」なんて面接で答える人いないと思いますが。
仮眠時間はきちんと用意されているので大丈夫。
♦消防面接⑱市民が消防に求めるものはなにか
実際に自分が消防に求めることや、あなたの知り合いや家族に消防に求めるものは何かと聞いてみましょう。
そしたらそれを質問の回答にすることできますよね。
例えば、「市民が求めるものは何か」と問われ、「119番通報をしたら迅速に現場に来てほしい」と回答すれば、面接官から「そのためにはどうすればいいか」という質問がおそらく続きます。
「日々の訓練で出動にかかる準備を短縮したり、非番の日に管内を回って道を覚え、現場までの最短経路を通るように心がける」などの回答が考えられます。
実際に私は非番の日に管内をバイクで回ったりしていました。
♦消防面接⑲消防学校の訓練は耐えられるか
部活や運動をしていた人は、練習に耐えたときの経験を交えて答えましょう。
消防学校は大変ですが、死ぬほどきついとまではいきませんので安心してください。
部活の方がキツイと言っている同期もいました。
ちなみに消防学校での訓練期間も給料が出ます。
♦消防面接⑳消防士になることに不安はあるか
もしも「不安がある」と答えた場合は「しかし、○○なので大丈夫です」や「消防学校の訓練を通して○○と考えています」などきちんとフォローしましょう。
不安しか答えなかったら、「この人大丈夫かな?」と面接官も心配になります。
漠然と「不安です」と答えた場合は「どういったところに不安を感じていますか」という質問が返ってきます。
体力の不安、人間関係の不安、危険への不安。。。
最初はいろいろ不安ですよね。
♦消防面接㉑消防でうまくやっていけるか
この質問では集団生活や上下関係のある消防の世界で、きちんと仕事ができるかを確認していると推測できます。
消防では24時間隊の仲間と一緒に過ごしますし、階級社会で上下関係がはっきりしています。
これまでに体育会系で育ってきた人は、その頃のエピソードを交えて回答しましょう。
また、消防の仕事では報告書の作成もあるので最低限のパソコンスキルも求められます。
パソコンスキルが完全にゼロだと苦労しますよ~。
♦消防面接㉒○○市の消防のイメージは
志望している消防本部のことを何も知らないのでは話にならないので、事前にホームページや資料などで情報を仕入れておきましょう。
各消防本部の消防年報、消防白書を見ると、その管内の詳しい情報を仕入れることができます。
実際に消防署の近くまで行って訓練をこっそり見たり、救急講習に参加して消防職員と絡んでおけば、それが面接時のエピソードになります。
♦消防面接㉓消防士になってからの目標・やりたいこと
ここの回答がぼんやりしていると、「本当に消防士が第一志望なのか?」と面接官が首を傾げてしまいます。
必ず入庁後のイメージを持っておきましょう。
例えば「救助隊になる」「消防学校の教官になる」「危険物のスペシャリストになる」「大型免許を取ってはしご車の機関員になる」など。
大きい消防本部ほど業務の幅は広がります。
小さい消防本部ほど兼務が多いです。
♦消防面接㉔外国人に対してどのように接するか
日本語でコミュニケーションができない外国人に対してはどう対応するか。
救急の場合、コミュニケーションボード(腹痛や頭痛などを表す絵が描いてあり、症状に合わせて絵を指差ししてもらい、患者の病状を把握する)が有効です。
最近では多言語アプリの導入も浸透しています。
または、現場で接する以前に、外国人向けの救急講習や避難訓練を実施して、日頃から外国人の救急・防災力を高めておくことも有効かもしれませんね。
♦消防面接㉕併願状況
この質問で面接官は、「本当にうちの消防本部が第一志望なのか」を確認しています。
第一志望と思われる回答であれば、本当のことを言っても多少のウ〇をついても構わないと思います。
面接官がいちいち受験生がどこを受験しているかなんて調べないので。
逆に言えば第一志望と思われない回答はやめましょう。
例えば横浜市消防局の面接試験で「神奈川県警と警視庁を併願しています」と答えたら、「いや、警察志望ですやん」ってなります。
2.消防士の面接試験で実際にあった質問50選とその対策【完全版】
消防士の面接で実際にあった質問25問とそれに対する簡単なアドバイスを紹介しました。
この内容の完全版として、「note」上にて『消防士の面接試験で実際にあった質問50選とその対策【完全版】』を提供しています。
♦50の質問・14のカテゴリー・深掘り解説
完全版では、消防士採用試験の報告書を基に、さらに実際に面接官から質問された内容を2倍収録しています。
実際の質問を50問知るだけでもかなり役に立ちますが、質問を50問掲載しているだけでなく、新たに追加した質問はもちろんのこと、ここで紹介した質問についても、より深掘りして解説しています。
そのため気付けば、約1万9,000文字のボリュームになっていました。
ただ、内容は質問ごとに区切られているので簡単に読むことができます。
50の質問を14のカテゴリーに分けてまとめています。
♦執筆者と記事の強み
消防の面接に関する記事を書いている人には主に2つタイプがいます。
一つは消防の経験はないが公務員試験に精通している人、もう一つは公務員試験に精通していないが消防士の経験がある人。
私の場合は両方に当てはまります。
複数の公務員試験に合格し、実際に政令市の市役所や町役場などで働いた経験を基に、当公務員ブログを3年以上運営しています。
そしてもちろん消防士として働いた経験も。
公務員試験の知識と消防の知識の両方を持ち合わせた人が作成した記事となっています。
♦返金希望者ゼロ!
価格は1,200円 → 無料
約4,000円で売られているものもあるので、既卒や大学生だけでなく高卒程度を受験する方にとっても手頃だと思います。
まだまだ面接試験は先の話だという人は早めの準備として、面接試験が直前だという人は念には念の最後の対策として、気になる方はチェックしてみてください。
⇒『消防士の面接試験で実際にあった質問50選とその対策【完全版】』
- 文字数:約1万9,000文字
- 価格:
1,200円→ 無料 - 内容:消防士の採用面接で実際にあった質問50選と、それぞれの質問に対する回答のアドバイスと解説
内容に不満があれば返金の対応もしていますが、今のところ嬉しいことにゼロです。
3.まとめ
消防士は市役所や県庁などの行政職に比べると専門的な仕事であり、公安系の仕事であるため、質問もある程度予測しやすいです。
面接官のおじさんたちは威圧感があるかもしれませんが、彼らも元は消防士の卵からスタートしています。
面接官に恐れず、ポジティブに試験に臨みましょう。
とか言ってますが、私は消防士の面接試験当日に緊張しすぎてトイレでゲロを吐きました。
それでも合格しました。
なんとかなります。
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4.各予備校の料金などを比較!
消防士を目指す場合、どの公務員予備校を選べばいいか迷いますよね。
以下の記事では公務員予備校14校の料金や特徴、通学はあるのか?通信はあるのか?など分かりやすくまとめています。